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私流、別れ際の美学

私のコアなファンはもしかしたら(そんな人いない)、タイトルを見て、また誰か退職したな、と察するかもしれない。
お察しの通りそうなんだけれど今回は特に、毎日職場で会っていて、大の仲良しだった人が退職したので、本人からも周りからも「端っこ、最終日泣くのでは?」と言われていた。
が、当の私は泣く気なんてさらさらなく、実際泣かずにサヨナラした。

もちろん、寂しくはある。
1日のうち、下手したら家族よりも長い時間一緒にいた相手だ。
お昼も一緒に食べたし、吸わないくせにタバコ休憩に一緒に行った。
話が合うので毎日馬鹿みたいにおしゃべりをした。
(コイツのせいでちょっとサボりグセがついた)
そんな愉快な勤務時間をこの先過ごすことは、多分もうないだろう。
でも泣かなかった。
いつも通りどうでも良い話をしながらPCを片付けて、またね!と手を振った。

今回に限らず、別れ際は泣かない。
どんなに別れが悲しくても、退職がショックでも、送別会があってもなくても、最後に送り出す時は泣かない。
サヨナラするときは、いつも通りの軽口を叩いて、またね!と笑顔で手を振りたいのだ。
だって、また会えるから。これで終わりじゃないから。
実際そうで、退職してからの方がよく会うな?みたいな人もいる。
でも逆に、あんなに仲良かったのにほんとに疎遠になっちゃったな、と思う人もいる。
でも、またね!で別れたらまた会えそうな気がするし、仮にその後会えなくなったとしても、最後に相手に見せるのは笑顔の方がいいじゃないか。

だからもしめちゃくちゃ悲しくても本人の前では泣かない。
でも相手によっては堪えきれず、本人に背中を向けて数メートル歩いてから、ポロポロと泣いてしまう時がある。
そういうときはもう我慢しない。嗚咽を堪えながら泣きたいだけ泣く。
そういうときって大体駅のホームだったりするけど、気にしない。
意外とみんな他人のことは見てない。

今回に関しては「泣きそう」すらなかった。
それだけ、また会えるっしょ、が大きいのだろう。
実際、別れた後すぐにどうでもいいLINEが来たので、これからもこうして続く仲なんだろうなぁと思う。

いよいよ私の退職も現実味を帯びてきたが、私が辞める時は誰がどんな見送り方をしてくれるのだろうか。
私は絶対泣かないけど(決してフリではない)、それが今の職場での最後の楽しみかな、なんて思う。


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