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フラワーデモに参加した

私がひとりで四国を旅行していたとき、駅前のベンチに座ってサンドイッチを食べていたら、隣にいた見知らぬおじさんに声をかけられた。
怖いなと思ったけど、無視するのも失礼だよなと思った。まだ午前中だった。
ぽつぽつ話していると、「これからどこへ行くの」とか、「ここがおすすめだよ」と観光地を教えてくれた。よかった、地元の人は優しいなと思って安堵した。
さぁそろそろ行こうかと腰をあげたとき、そのおじさんは最後に言った。「僕も一緒に連れてってよ、そこにトイレあるし、コレでどう」と、3本指を立てて。

その立てられた指の意味がわかったとき、激しい怒りと憤り、女一人でいることの無力さを感じた。私を、買おうとしていたのだった。しばらく、うまく呼吸ができなかった。逃げるようにベンチを離れた。
ひとりの人間である前に、女というモノで見られていたんだとわかって、胸が痛かった。食べ切れなかったサンドイッチを、駅のゴミ箱に捨てた。

もうあげればキリがない。10代の頃から自分が遭った盗撮、痴漢のこと。見知らぬ人から身体について言われたり、知ってる人から性行為を強要されたこと。旅先の事例みたいに、名前のつかないいくつもの小さな被害のこと。

これらを告訴したって、相手からさらなる暴力や暴言を受ける可能性がある。傷つけるつもりはなかったと言われたらそれまで。

自分にとって、女性にとって、性被害はそれほど身近にある。語れない、語りたくない、誰にも言えていない、泣き寝入りするひとは、他にもたくさんいると思う。

想像してほしい。性加害の冤罪よりも、性被害に遭ってもひとに話せないことのほうがはるかに多いことを。
知ってほしい。悪いのは"男性"ではなく一部の加害者だということを。

性犯罪は、立件すること自体が難しい。密室だったら確実な証拠や、事件の詳細を話さなければいけない。加害者が上司や教師だったら、自分が不利な立場に置かれるかもしれない。心身共に傷つけられて、人としての尊厳を踏みにじられているにも関わらず、対等に闘うことさえできない。

私は、性犯罪を軽視する司法や不当判決に対し、刑法改正と、性暴力事件がきちんと裁かれる社会を求めます。


ヒューマンライツナウの、性犯罪刑法に関してのわかりやすい資料があったので、参考資料として掲載しておきます。

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