選手への雑感2019・後編

MF

中里 崇宏

2列目に挑戦してみたりサイドバック起用されたりと序盤は出番があったものの、田代と松井がボランチ起用され、布陣が固まってくると出番を失い、Kリーグへと移籍していった。せっかくのレフティも活かせるシーンが少なかった。俊輔のプレーを見て「ああ、私はこれをザトにやってほしかったんだな……」と、落ち込んだりもしたけれど私は元気です。移籍先ではちゃんと出番があるらしいので、そこで一皮むけて欲しい。

松浦 拓弥

ノムが移籍した代わりに獲得した、のだと思うけれど「ちょっとタイプ違くない?」と去年の末に思い、いざ来たらやっぱり違った。タヴァレスさんの時は起用されて2試合連続ゴールも挙げたが、下平体制になり、松尾が加入してからは出番がほぼなくなってしまった。序盤も8月に出場した時も、ボールを受けさえすればスペシャルで必ずマーカーをぶち抜いていたので、戦術に合わなかった、としか言いようがない。最初から守備の約束事がある状態で起用されていたら、また違ったのかもなぁ……ただ、ドリブルはマジですごかった。

佐藤 謙介

愛すべきハマのバンディエラも、中盤は出番を失ってしまった。が、そこで腐らず努力した結果、終盤遂に復活!中盤で攻守に渡って活躍し見事J1昇格を勝ち取ってくれた。終盤にスタメン復帰した後は自陣でのパスミスはほぼなくなり、長短のパスの使い分けがより上手くなっていた印象。あと、なんだかんだで身長180cmあるのでハイボールもそれなりに対応できるのが良い。新人の彼を見て横浜FCサポになり、謙介リストバンドと謙介マフラーで毎回応援していた私としては、彼と一緒にJ1に行けるのが何よりも嬉しい。

齋藤 功佑

去年終盤のシンデレラボーイも怪我で長期離脱を強いられ、その後も中々ポジション争いに絡んでいなかったが、天皇杯マリノス戦を境に出番を増やし、レドミの代役に。遂に最終盤ではレドミからポジションを奪って、昇格を決定づけるゴールを決めた。豊富な運動量で前線からプレスを掛け続け、左右変わらぬ威力のシュート力やエリア内では高い技術を見せてくれた。ただ、リードしてからじゃないとテクニックを発揮してくれないのが少し気になる。来シーズンは最初から自信持ってプレーして欲しい。

武田 英二郎

中盤以降、袴田からポジションを奪還。前にいる松尾や光毅を見守りながら攻守に安定したプレーを見せてくれた。柏レイソル戦でクリスティアーノを封殺したり、徳島戦では値千金の決勝ゴールを決めたりと大活躍だった。昇格が決まった後に涙を流していたのが印象深い。病気で苦労したもんな。それはそうと、たまに相手ボールホルダーを強襲するの、サポながら見てて怖い。くまモンからメロングマになったみたいだぞ、あれ。

松井 大輔

去年はあまり出番がなかったル・マンの太陽も、今年は強烈なインパクトを残した。リベロ起用は流石に驚いたけれど、フランスリーグで戦っただけあって思いの外当たりは強く、ロングフィードの精度も相当なものだった。その後ボランチとして中盤戦は活躍し、チームの不敗記録に貢献してくれた。ジェフ千葉戦のバイシクルシュートは今シーズンのJ2ベストゴールだと思う。スピードとキレは衰えたと言え、テクニックは流石のものがある。改めて代表海外組の凄さを思い知った。

渡邊 一仁

タヴァレスさんの下、割とパスも出せるようになった守備職人。守備固めとして出番はあったものの、田代がベンチに回るようになってからは出番を失ってしまった。寄せの強さは他のボランチ陣を上回るし、奪った後にパスも出せるので頼りにはなる。が、高さの問題とかを考えると起用の優先順位が下がってしまったのは仕方がないのかもしれない。

中山 克広

勝手に速さの1号呼ばわりしていたけれども、スピードってあだ名つけられてるらしいし、謝らないよ!タヴァレスさんの末期頃から出番を増やし、中盤以降は右のアタッカーとして不動のレギュラーに。最初は北爪と連携が上手くいかなかったりしたけれど、途中からは抜群の連携になって対戦相手を恐怖のどん底に叩き落とし、シュートは天高く舞った。いや、途中から決まるようになったけれども。そのスピードで攻守に活躍してくれたJ1でも充分期待できる能力の持ち主。シュート精度とクロスの精度を更に向上させれば代表候補にも手が届くかもしれない。

山本 凌太郎

残念ながら今シーズンもほぼ絡むことができなかった。練習試合ではゴールも決めているし、出場機会のためにもレンタル移籍先を探したほうが、と言う気もする。

安永 玲央

序盤に何度か出場、悪くはなかった、くらいの印象。戦術が固まってない時期にデビューさせられたから、無難なプレーになっちゃったのは仕方がない気がする。カターレ富山にレンタルされたものの、あまり活躍できなかったっぽい。

松尾 佑介

超優秀なインターンの大学生。特別指定選手の得点記録を塗り替えた速さの2号。ドリブルのテクニックも高く、パスも正確で何よりも守備が良い。ちゃんと周りを見て守備できる。ぶっちゃけ久保くんさん様と併用するなら堂安より松尾くんで良くない?くらいに思う。それにしても、浦和レッズユース出身で、ベガルタ仙台と提携してる仙台大学の選手をよく確保できたな……横浜FCのスカウトめっっちゃ優秀だな。来年の正式加入が楽しみな新人である。新人挨拶どうするんだろう?

レアンドロ ドミンゲス

序盤は少し振るわなかったが、気温の上昇と戦術の浸透が重なって夏場に猛威を奮った王様。パスもドリブルもシュートもセットプレーもJ2では最高クラスで、今年も個人でカウンターが成立してしまう反則外人だった。それだけに、俊輔起用のあおりを受けて、守備強度の問題でスタメンから外れてしまったのはもったいない気がする。来シーズンもいてほしいが、動向が読めない。

中村 俊輔

ジュビロが名波さん解任かぁ。中村俊輔どうすんだろ?→中村俊輔横浜FCへ!はい?ウチに?プライベートで一緒にお食事したときそんなこと言わなかったじゃん、と思ってたら本当に来た。いや、今更俊輔取ってどうすんだよ……と思い、加入直後に出場した時は「やっぱ動けないやんけ!!」と思ったが、その後コンディションを上げてきて終盤にはボランチとして活躍してくれた。本当に海外組ですか?というくらい当たりに弱く、守備面は大分怖かったけれども、世界にその名を轟かせた黄金の左足は凄かった。マジで凄かった。毎試合「うっわ……なにそれ」って言わせてくれたもん。なんでその状態でそんなピンポイントに出せるんだよ……とにかく攻撃面では凄かった。一方、守備はしてくれるんだけれど、物足りないと言うか、J2のアタッカー相手にこれだとJ1だと攻撃のメリットよりもデメリットのほうが大きそうな気もする。ピルロみたいに周りに護衛が必要なのでは?

なお、プライベートで一緒に食事云々は、入ったお店で偶然中村家のみなさんが食事をしていて、隣の席に案内されただけです。あの時はメチャクチャビビった。

FW

戸島 章

序盤から中盤にかけては出番もあり、出場時間あたりの得点率は悪くなかったが、皆川加入後にはほぼ出番がなくなってしまった。向上しているとは言え、ポストプレーの精度では完全に皆川に水をあけられており、テクニック面ではイバに比べるまでもなく、という状況でかなり厳しかった。エリア内での勝負強さは確かなものがあるので、そこ以外のアピールポイントが欲しい。

イバ

監督が変わり、気温が上がると同時に調子を上げてきて、シーズン中盤からの盛り返しに多大な貢献をしてくれた。チーム全体の守備強度の問題で、終盤は皆川にポジションを奪われたものの、守備自体はさぼらないし、キープ力は圧倒的で今シーズンも18得点。J1でも二桁得点を狙える能力はある。

三浦 知良

フィジカル面の衰えは隠しようがないが、尽きることのない情熱でJ1まで辿り着いた。内外への影響力はやはり絶大なものがあるのだろう。評価の難しい要素だが、なんだかんだでカズがベンチ入りした試合は無敗である。J1でもその影響力を発揮して欲しい。

瀬沼 優司

タヴァレス期には出番もあり、愛媛戦ではゴールも決めたが、若手の台頭と皆川の加入で出番を失った。走力があり、バランス良く何でもできるタイプのFWなので、ベンチにいればかなり便利なのだが、彼がベンチにも入れないことが、層の厚さの証明だったかもしれない。

皆川 佑介

夏に中村俊輔と共に完全移籍で加入。メディアでの扱いは俊輔よりかなり小さかったけれど、驚きの即戦力補強だった。フィットするまで一時期出番がなかったりもしたが、裏に抜けることもクロスに合わせることもでき、何よりもポストプレーの巧みさで何度もチームを勝利に導いてくれた。献身的な守備も光り、最終盤には1トップのレギュラーを奪取。昇格の立役者の一人になってくれた。J1のDF相手にも身体を張れるよう、更にトレーニングを重ねて欲しい。

斉藤 光毅

何度もスタジアムを沸かせてくれたフリエの至宝。J2では次元の違うテクニックとセンスを見せてくれた。たまに若さが出て不必要なドリブルでつっかけたりするシーンもあったけれど、そこも含めて伸びしろだろう。守備も向上しているし、攻撃力はJ1でも間違いなく通用する選手なので、来シーズンが楽しみだ。お願いだから来年の夏まではいて欲しい。

草野 侑己

勝負強さの光ったルーキー。怪我の影響もあって出場した試合数自体は多くなかったものの、得点率は凄まじいことになった。フィジカルコンタクトの強さとボディバランスの良さが勝負強さにつながったのだろう。来シーズンは怪我なく戦い抜いて欲しい。

立花 歩夢

去年に続き大怪我に泣いた1年になってしまった。とにかく怪我を治してくれ。

監督

エジソン タヴァレス

苦労しましたね……昨シーズンPOまで連れて行ってくれた発明王も、ノムに代わる歯車を発見できず、5月で無念の降板。場当たり的な人海戦術の守備と個人能力頼みの攻撃では、どこかが狂ったときに立て直しが難しかった。ただ、松井のリベロ起用やとりあえず若手を使ってみたりと、後々役に立つことはやってくれた。昨シーズンは確かな結果を出してくれたし、色々楽しいお茶目なおじいちゃんだった。きっとまたどこかで、手持ちの素材でビックリなことをやってくれるのだろう。ありがとう、タヴァレスさん。

下平 隆宏

ヘッドコーチから監督に昇格。その後はほぼ負け知らずで自動昇格に導いてくれた。就任直後は失点が止まらなかったものの、戦術が浸透してからは失点も減り、攻守に組織的なチームを築き上げた。HC時代に何してたんだ……と思わんでもないけれども、しっかり選手の特徴を把握して一丸となって戦える集団を作り上げ、正直無理だと思っていた自動昇格を成し遂げた手腕は称賛に値する。つーか、普通に考えてJ2最優秀監督でしょっていう。

来季の続投が発表された。J1に定着できるチーム作りを頑張ってほしい。

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