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ロウドウジンVol.5 特集「企業理念2.0」

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2012年11月18日 第1版発行(第15回文学フリマ@東京流通センター)
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#企業理念

企業理念2.0 現状分析編 最新企業理念マッピング

2012年11月18日発行 ロウドウジンVol.5 所収  反社会人サークル『ロウドウジン』Vol.5では、戦後日本の諸制度の屋台骨であり、そして長いあいだそれについて議論することさえ困難であった「企業理念」について、いままでのイデオロギー対立を離れ、まったく新しい観点と前提から再検討することが不可欠だと考えた……と某ゲンロン雑誌風にはじめてみました。  時は2012年、ポスト3・11を生きる我々が選んだテーマは……企業理念。それは企業が企業としての形を維持するための言葉

企業理念2.0 理論・提言編 リネンのリンリ ~失われた企業理念を取り戻せ

2012年11月18日発行 ロウドウジンVol.5 所収  企業理念は企業の持続的な発展のためには必要不可欠である。しかし、既存の企業理念を通してみえてくるのは、実現度/意識の二軸にマッピング可能な記号の戯れにすぎない。定量的に分類可能なそれらは、もはや価値を失っているといっても過言ではない。個々の問題点については下表を参照いただきたい。 ※ここで挙げているデメリットは特定企業をイメージしたものではありません。象限の定義は現状分析編を参照。  そこに反社会人サークル的ニ

企業理念2.0 実践編① 企業理念2.0企業をつくってみた

2012年11月18日発行 ロウドウジンVol.5 所収  商号──それは自社と他者を区別するユニーク(唯一)な識別子。固有名に関する議論といえば、バートランド・ラッセル~クリプキの議論が有名だ。端的にまとめると、固有名詞は個体の本質ではなく、本質はその様々な要素(確定記述)の束である。しかし、確定記述をどれだけ積み重ねても、その個体には漸近するだけで辿りつけない。最後に必要になるのは固有名(固定指示子)である。固有名で名指されることによって、個体は個体としての境界ある姿を

企業理念2.0 実践編② 企業理念2.0メーカーをつくってみた

2012年11月18日発行 ロウドウジンVol.5 所収  企業理念を象徴界から解き放つ──その方法はひとつだけではない。もうひとつの可能性として、「再帰性」と「インタラクティブ性」を取り入れた企業理念を提唱したい。  企業理念は本質的には言語で表せない。しかしわれわれが人間である以上、言語を媒介するしかないのも真実だ。再帰性とは、自身がそれ自身を参照することである。再帰性により無限の入れ子構造がつくられ、レーザーのようにエネルギーが高密度に圧縮されていく。企業理念が再帰