もしもあれが長ネギじゃなかったら…

私はスーパーのレジ打ちバイトをやっています。
お客さんの商品を打つ時は勿論、集中して業務をこなしているのですが、毎日休む間もなくお客さんがベルトコンベアのように流れてくるというわけではありません。その間は水物入れの袋をこよりのようにコネコネして入れやすいようにしています。つまり、袋を作りながら、ボーっとする"無"の時間があるのです。

お客様がいらっしゃいました。
「いらっしゃいませー、お預かりしまs」と言い終わらないうちに私の腹部に新鮮な長ネギが直撃。
まあ長ネギなので無傷です。(そりゃ当たり前ですね)他にもゴボウやふき、切り花などもよく直撃するのであまり気にしません。

会計を終わらせ、「ありがとうございます」と言いまた袋の時間が来ました。私は思います。

『もしもあれが長ネギじゃなかったら……』と

もしもあれが関市で作られた、とっても切れ味の良い包丁だったら……
私のお腹は"安心せい峰打ちじゃ"どころの騒ぎではなくなってしまう、誰か救急車を!!!今夜のお惣菜を吟味しているお客様の中にお医者様はいませんか!?!?!?
私はただレジ打ちをしていただけなのに……無念。

「栞さん!お客様です!」
ハッと気づいた時には新しいお客様が並んでいました。こんな妄想をしながら今日も私はお腹になにか刺さらないようにレジ打ちをしています。
……あれ?

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