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Speedstarのトークンエコノミクスから見るGamefiの原点回帰

ハロー!Rottenです。
今日は、最近さわってる面白いGamefiプロジェクト「SPEEDSTAR」のホワイトペーパーを読み解くことで、昨今のゲーム銘柄界隈で話題になっているポンジノミクス(新規ユーザー/マネー流入を前提としたトークンエコノミクス)を展開する全てのGamefiもどきへのアンチテーゼを唱えたいと思います。

題して「刮目せよ。この純粋且つアツいゲーマー魂が込められたホワイトペーパーを!」の回となります。

※Disclaimer
「儲かるか?」「原資回収は?」という疑問がある方は、私をフォローしないことを強く推奨致します。
また、当noteを読んで頂いても、これらに繋がる情報はなにも得られないと断言致します。
なぜなら、私はホワイトペーパーの研究者であり、純然たるゲーマーであり、面白いホワイトペーパーと、ワクワクするゲームを糧に生きる単細胞イッヌです。🤪🐶
お金のことはよく分かりませんし、ファイナンシャルアドバイスも出来ません。🤑

本プロジェクトを知ったのは、この方の強烈なツイートを目にしたことがきっかけでした。
99%の暗黒ポンジワールドに、静かに輝く1%の光。
彼女()にそう言わしめるゲームとはどういったものなのか?
それでは見ていきましょう!
(是非元ツイのスレッドも御覧下さい)

ホワイトペーパーの内容に入っていく前に、読者の皆様には少し真面目な話にお付き合い頂きたいと思います。
これは、後のトークンエコノミクスに通ずる大事な話なので、あえてここで言及させてください。

①ポンジエコノミクスとはなにか?

TLDR: 
ポンジエコノミクス=自転車操業です。

ポンジさんは、高い利回りや収益を"過度に"謳うことで、出資💰を募り運用しますが、高い利回りを還元するほどの運用が出来ないため、原資(=出資)が萎んでいきます。💸
このままでは高い利回りを維持出来ない!新しい出資💰を募り、その原資を運用益と偽って利回り配当💸しちゃおうぜ!
はい、逮捕~!👮👮

では、なぜP2E型ゲームがポンジ構造に陥りやすいのでしょうか?
それは「Play」だけでは「Earn」の利回りを維持出来るほどの「運用」が不可能だからです。

では、P2Eにおける運用ってなによ?という話になりますよね。
それは「ゲーム内消費(Spend)」です。
つまり、P2Eゲームをプレイするユーザーは、投資家で在ると共に、消費者でもあるということです。
あなたが得られる「Earn」は、同じユーザーの誰かによる「Spend」により成り立っている構造であるにもかかわらず、P2Eでは全員が「Earn」しに来るため、急速に原資が萎み、結果として利回りごと破綻する。

これが多くのP2Eゲームがポンジ化してしまう所以なのです。

②P2Eは詐欺か?

TLDR:
私はそうは思っていません。

私は、多くのブロックチェーンゲームデベロッパーは、まだデジタル経済圏の確立に向けた実証実験中だと思っています。
それはゲーム内容や経済構造も然ることながら、開発ロードマップやファンディング速度、用途など、プロジェクトに関わるすべての要素を含めてです。

(中には悪意を持って「Earn」のまばゆい光に吸い寄せられた投機マネーを騙し取るスキャムもいますが)
多くの場合、単に「試みが浅はか」か、「実装速度が期待に追いつかず、陽の目を見る前に潰れてしまうか」によって、ポンジ構造に陥る不意のケースに該当すると考えます。
(半分そう思いたいだけかも知れません)

また、注意すべきは後者の場合、「Earn」に目が眩んだ投資家側にも責任の一旦があるかもしれないことです。
銘柄を探求する際は、だれかが「Earn」よりも「Spend」することを選ぶほど、価値のあるプロジェクトなのか?を念頭に置き、
事前にWPを読むことで、Devの誠意や信念、「Spend」するユーザー像を思い浮かべた上で、投資是非を判断することを提言します

それでは、本題である「SPEEDSTAR」のトークンエコノミクスを見ていきましょう!

③SPEEDSTARは「競馬場運営」シミュレーションプロジェクト

そうです。「競走馬育成」ではありません。
競馬場そのものをブロックチェーン上に実現するのがこのプロジェクトの本質であります。

これまで「ダビスタ」を始めとする数々の競馬シミュレーションゲームが、様々な媒介にてプレイされてきました。
国内ではウマ娘プリティーダービーが爆発的人気を博し、あらゆるソシャゲプレイヤーを虜にしました。
しかし、これらは全て「競走馬」育成ゲームであり、「競馬場経営」ゲームではありません。

それでは、ホワイトペーパーにて設計された6つのプレイヤー像を見て、経営ゲームのなんたるかを紐解いて行きましょう!

6つのプレイヤー職業

1/ 馬主&牧場主
>>>>>>>>>>>>>>>>プレイヤーの壁>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
2/ ブリーダー
3/ トレーナー
4/ ジョッキー
5/ セラピスト
>>>>>>>>>>>>>>>>博打脳の壁>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
6/ ギャンブラー

1/ 馬主&牧場主

牧場経営シミュレーション

🏇「競走馬育成」「牧場経営」をする人です。
多くを語る必要はないかと思います。これまでのシミュレーションゲームと同様のゲーム部分です。
🏇彼らは、馬を購入・繁殖し、育成し、ケアし、騎手を雇い、牧場設備を整え、来たるレースに備えます。






ん?ん?雇うってどゆこと?

ここからがSPEEDSTARの真骨頂、「プレイヤー職業システム」の幕開けです。
2/ ~ 5/ 番目までの4つの職業は、1プレイヤーにつき1職業しか選ぶことが出来ません。

えええ、じゃあ残りの3つの職業どうすんの!?
そうです!馬主が他プレイヤーを雇うのです!(笑)

そしてこのゲームプロジェクトの経済コンセプトである 「Work and Play to Earn」がキックインします!!

なんと、プレイヤー職業は、「1/ 馬主」から馬預かり、ミニゲームを通じて繁殖したり、育成したり、ケアしたり、レースに出たりすることができます。

そしてミニゲームの報酬として、馬主からお給料を「Earn」するのです!
なんと斬新な試みか!これぞWeb3.0!労働 to 給料!(笑)

私は、この仕組みを、Axie Infinityにおけるスカラシップの発展型と考えています。
Axieプレイ経験のある方は良くご存知かと思いますが、スカラ達はクソゲー to「Earn」して日銭を稼いでました。(暴言ゴメンナサイ)

自分でプレイして$SLPを稼ぐのが面倒だとおもうNFTオーナーの「手間」を肩代りすることで分け前を貰っていたわけですね。

SPEEDSTARでは、このスカラシップ制度は基本設計として存在し、しかも4種類に分かれています。

2/ ブリーダー

A. ブリーダーは、ブリード代($JOC)を牝馬オーナーからゲット
B. 牡馬オーナーは、種馬代($SPEED)を牝馬オーナーからゲット
C. 牝馬オーナーは、仔馬(NFT)をゲット

🏇 AとBがそれぞれの資産(労働やNFT)を差し出すことを対価に、Cが「消費」する構造になります。

ブリーダーは、レア個体を繁殖したりすることで、習熟度を獲得し、より良い馬を繁殖する確立がアップします。

3/ トレーナー

 A.トレーナーは、B. 競走馬主から依頼を受け、自身のトレーニング設備で馬を育成します。
🏇ここでも、Aの労働を対価に、Bが消費を行っています。

トレーナーは、優れたトレーニングを実施することにより、習熟度を獲得し、トレーニング効率を格段に向上させることが出来ます。

4/ ジョッキー

🏇馬主達は、3ヶ月毎のシーズナルダービーレースや年に一度のグランプリレース(!!)に、自身の馬を出走させ、報奨金を競い合いますが、レースに出るにはジョッキーを雇うことになります。

ジョッキーは、レースにて入賞することで、習熟度を獲得し、レースでの優位性を築くことが出来ます。

5/ セラピスト

そしてレースやトレーニングなどで傷ついた馬達を回復させるセラピストに、また「消費」することになります。

セラピストは、より難度の高い怪我を回復させることにより、習熟度を獲得し、回復効率を向上させることが出来ます。

ここまでの説明で構造が明確化してきましたね。
つまり、このゲームにおいて馬主は「消費者」です。
競走馬の育成のために、ゲーム内トークンを消費することで、様々な他プレイヤーを雇い入れ、競走馬を厳選していくことになります。

SPEEDSTAR育成ゲーム構造

6/ ギャンブラー

引用元:漫画 賭博黙示録カイジ

しかし、このゲームはそれだけでは終わりません。

なんと第6のプレイヤー「ギャンブラー」が存在しており、ダービーレースでは、ゲームの完全なる部外者が、お金だけをベットするスポーツベット(カジノで言うところのブックメーカー)が可能となっています!

そしてレースの報奨金は、このギャンブルによるベットプールの一部から捻出されるため、1/馬主は6/ギャンブラー達にとって注目度の高いレース(グランプリなど)に出走出来る馬を育てるべく、2/-5/のプレイヤー職業達を雇う日々を過ごすのです。

先程、馬主は「消費者」といいましたが、実はその消費すらをも支える「更なる消費者」が設計されているわけですね!

SPEEDSTAR 真の経済圏

④競馬場経営MMOシミュレーションゲーム

なんとなく見えてきたでしょうか?
何故私がこのプロジェクトを「競馬場経営」と呼ぶのか?

それは、このゲームプロジェクトが、リアルワールドで行われる競馬場のエコシステムをブロックチェーン上で完全再現する壮大な構想に基づいて設計されているからに他なりません!!

しかも、一人で経営するのではなく、我々は競馬場エコシステムの一部を担うパーツでしか無いのです。
これはMMO型経営シミュレーションと呼んでも過言ではないのではないでしょうか?

実はWP上では、もっと野心的な収益計画(レースデータAPIの販売や、レース内広告の誘致など)にも言及されていますが、初期的な構想段階の域を出ないため、本論文では触れません。

是非時間があるときに、「Spend」するユーザー像を思い浮かべながら、原文を読んでみて頂ければ幸いです。

あとがき

如何でしたでしょうか?
私は現実社会の縮図のようなゲーム設計に、正直最初戸惑いました。(笑)

資本主義社会をブロックチェーン上に持ち込むなよ、、、そう思った時期もありました。
でもね、資本主義制度ってよく出来てるんですわ・・・

資本主義社会の最大の消費者であるギャンブル中毒者をエコシステムに招き入れることで、経済圏を確立してしまおうという野心的試み。
そして、ポンジと絶対に呼ばせないぞ!という開発陣のアツい意思。
競馬場そのものを経営するという斬新なゲーム発想。

私は確信しています。恐らく自身がこのプロジェクトから儲けを得ることは無いのだろうと。

しかし、私は突き進む覚悟です。
こんな面白そうなゲームに参加しないの勿体なすぎる。
そう思う私は、やはり投資家である前にゲーマーなのかも知れません。

Let's Enjoy the Gamefi!!

引用:
SPEEDSTAR Whitepaper
https://docs.speedstar.io/en/speed-star/speed-star

SPEEDSTAR Official Website
https://speedstargame.com/




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