カピバラ狂詩曲 第1話
荷物が届いた。玄関を開けると、配達員がカピバラだった。
「こちらに印鑑かサインお願いします」
「あ、はい」
サインすると配達員がそのまま帰ろうとしたので、あわてて呼び止めた。
「すみません、実は前からカピバラの知り合いが欲しかったんです。よかったら今度お茶でもどうですか」
自分でも不器用な誘い方だと思ったが、こんなチャンスに形にこだわる必要はない。
「6時まで仕事なので、その後でよければ。じゃあ7時に駅前のカフェで待ち合わせにしましょう」
そこからの数時間のことはほとんど覚えていない。カピバラの情報を復習したり、着ていく服を選んだりしていたような気がする。
約束の10分前にカフェに着くと、カピバラはすでに来ていた。
めかぶは飲み物です。