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ゲイアダルトサイトを(ほぼ)1日で立ち上げた話

 将来的に、ゲイの人たちに必要な情報が集まっているウェブメディアを立ち上げられたらいいなーと思っていたのですが、ひょんなことから、立ち上げてしまって、それもほぼ1日で公開に結びつけられたので、その記録を記していきたいと思います。

自分の中の問題意識

すでにいくつかのゲイ向けウェブメディアがあるのですが、それでも新たにゲイ向けウェブメディアがあったらいいなぁと思ったのは、次の二つのことがきっかけでした。

ベトナムから友達が来るけど…

今年のゴールデンウィークのことでした。コロナ禍になる前にベトナムで知り合った(やった)子と連絡を取り合っていて、いよいよ行きたかった東京に遊びに行くよと連絡をもらいました。

 アゲハのイベントがあった頃は、それを目当てにたくさんのアジア人が遊びに来ていた気がしますが、それもなくなり、外国人のゲイが日本に遊びに来た時の目玉イベントがないんですよね。とりあえず、クラブイベントとかが集約されているところに行って、情報を得ようと思ったのですが、いろいろ調べても、そうしたカレンダー的なものが、gclickの主催者登録型のものしかなかったのです。(もしどこかにあれば、教えてください。)

 昔、ニューヨークに旅行した時に見かけたHXというゲイ向けフリーペーパーがありました。それはニューヨーク滞在中、どこのゲイスポットに行けばいいか、クラブイベントも今日はどこでどんなイベントがやってるのかが分かる優れものでした。ゲイ旅行者は、現地に着いたらまずHXを手に入れるというミッションがあったと思います。(もう10年以上もニューヨークには行ってないですが、まだあるのでしょうか?)

 今や、情報はX Twitterに最新情報が流れていて、それを検索するしかないのです。せめて共通ハッシュタグ#TokyoGayNightとか作ってくれればいいのですが。

 とにかく、最新情報を集めるのが大変でした。この情報が集約されていない状態は、実は、自分や海外から来ようとしている人だけでなく、日本在住の人にとっても、それからイベント主催者にとっても大問題ではないかと思いました。ここに出しておけば安心みたいなメディアがあんまりないんですよね。だから、そういうメディアが必要だなと思っていました。

恋愛ついて悩む若者

 先日、20代の若者と遊ぶ(やる)機会があって、いろいろお話したのですが、そのなかで、彼は、「彼氏候補って、どこで出会うんですか?」と真顔で聞いてきました。フィストファックみたいなディープないことをするのに、彼氏の出会い方について質問するんだとびっくりしました。

 自分は、バディ、G-MENの創刊を知っている世代で、それらの雑誌にいろいろとお世話になりました。それらのゲイ雑誌を読んでおけば、ゲイの一般的なことについては、ゲイバーに行かなくても、なんとなく知っている状態だったし、雑誌のおかげで、初めて知り合った人でもなんとなく共通の会話ができるようなベースになる知識があったんだなと気づきました。

 自分は、本職では広告関連の仕事をしています。先日、マタニティ向けの雑誌の方の説明を聞いたのですが、「いまだに紙(雑誌という形態)にこだわっているのは、人は初めてのことには、検索するワードが思いつかないのです。だから必要な情報をパッケージした雑誌という形が適切なのです。」とおっしゃっていました。その言葉のおかげで、自分の問題意識が確信に変わりました。

 今の若い人たちは、なんとなくゲイというワードを知り、ゲイというワードを辿ってナイモンやX Twitterのアカウントを作って、人づてに自分なりの宝探しを始めている、そんな姿が浮かびました。だとしたら、最低限の情報がまとまっている場所があると助かるんじゃないかと思いました。

直接のきっかけ

 フィストファックというマニアックなプレイもまた人に教わりながらできるようになる、ある意味、修業的な側面があります。出会った人によって、今後の楽しみ方が変わる可能性があるわけです。

 たまたま海外でフィストに興味がある子と知り合う機会があり、チャットでやりとりをしてましたが、そもそも仕事でしか英語を使わないので、普段使わないマニアックな表現でフィストを伝えるのに四苦八苦していました。代わりに、なんかフィストについて分かりやすくまとまっているページがあればいいなーと思って探してみると、2つほど分かりやすくまとまっているページを見つけました。

 とても分かりやすいので、ブラウザの翻訳機能で読んでねと日本の友達にも紹介していたのですが、機械翻訳だとやっぱり分かりにくい部分があって、僭越ながら、自分が翻訳して公開しようと思いました。

 記事の著者に連絡を取ると、そのうちの一人から快諾をいただけたので、さっそく翻訳に取りかかりました。

 さて、翻訳が出来上がったら、どこに公開するか、それが問題でした。まとまった文章を読みやすく公開してくれる場所、内容は真面目だけど、アダルトコンテンツです。いろいろ調べると、noteは、ちゃんと区分を設けることでアダルトもOKとのこと。よっしゃーと思って、noteに記事をアップし、公開!X Twitterで告知。さっそく「すき」も3件ほどいただき、好調な出だしでした。

 記事を公開したのが木曜の夜で、金曜はたまたま休日出勤の代休を取っていました。特に予定もなく、X Twitterを眺めていると、フォロワーさんから、メンションが。「公開されてないみたいです。」

 まじかーと思ってみてみると、やっぱり公開されておらず、メールをチェックしてみると、運営からメールが届いていました。

note運営事務局です。

投稿された記事につきまして、利用規約にて禁止している「性的な音声、画像、動画」と受け取られる内容を確認したため公開を停止しました。

 運営に連絡しても、個別案件には答えられないし、再公開もないとのことだったので、noteでの公開は諦めることにしました。

 さて、どうしようか。せっかくだから、ゲイ系のウェブマガジンに載せてもらえないかなと思い、いくつかサイトを見て、ディープな内容の記事でも行けるんじゃないかと思うようなマガジンの問い合わせフォームからメッセージを送りました。

 その問い合わせをしようとしたマガジンの会社概要をクリックした時、会社概要には遷移せず、レンタルサーバの会社のページが表示されました。「このマガジンはここのレンタルサーバでやっているのか…ってことは、レンタルサーバ借りればいいじゃん!」ってことに気づき、動き出したわけです。

やったこと

ドメインをとる

 まずはドメインです。ドメインを何にしようか?サイトのイメージはAll Aboutでした。ガイドがいて、それぞれがゲイ生活にまつわる記事を執筆する。自分はその中でフィスト担当のイメージ。All About Gay、All About The Gay、All About A Gay… 略してaagay.jpとかはどうだろう?うーん。オールアバウトって、商標登録されてるよな。ママパクは問題になるよな…

 あ、a一つ取ればいいじゃん。A Gay(ア ゲイ)。一個人としてのゲイ、ゲイで一括りにされるけど、ゲイって言っても人それぞれ。性癖もそれぞれ。そんな多様性を包含しつつ、その中の個性を持った一人という意味でA Gay、いいじゃん!そんな感じで、サイト名を決めました。

 agayで検索をすると、ドットコムはダメだけど、他のドメインならまだ取得されていませんでした。念のため、agay.comをチェック。海外エロ系サイトだけど、問題ないか…ということで、agay.jpをお買い上げしました。

サーバを借りる

 先ほど問い合わせしたウェブマガジンと同じところでいいかと思ってプランをみると、独自ドメインの場合は、まあまあの値段。14日間は解約無料とあったので、とりあえず契約しました。レンタルサーバの指示に従って情報を入れていくと、なんとA Gayのロゴまで自動で作ってくれる。しかも何パターンも。お好みのを選んでくださいって、十分すぎるほどの選択肢。なにこれ…?時代はこんなに進化してたの?… 40種類くらいある中から、優しい感じのこのロゴにしようと決めると、ポップアップでアナウンスが。「ロゴを買い取れます」。えー、すごい!もうデザイナー、いらんやん!まあ、でもロゴの買取はちょっと考えよう。腹減ったし、とりあえずランチを食いに行こう、とランチに出ました。

 ランチを食べながら、ふと、あそこのレンタルサーバはアダルトOKなんだっけ?と気になって、規約を丁寧に読むと、要するにアダルトNGの項目がありました。「アダルト、ダメじゃん…」

 気を取り直して、アダルトOKのレンタルサーバ探し。良さそうなところの一つと契約すると、ドメイン一つ、契約期間中無料とのこと。まじかー…レンタルサーバとドメインはセットの方がお得だったか…

 とはいえ、agay.jpはもう取得済みだったので、そこは気にしないことにしました。

wordpressのテンプレートを選ぶ

 さて、トップページのHTMLとかは後回しにして、とりあえず記事が公開できる場所を作るには、いったんブログ形式でいいだろう、ブログといえばwordpressでしょ、レンタルサーバもそういうふうに書いてあるし…と思ってWordpressのテンプレートをみてびっくりしました。ほとんどのWebページデザインは、wordpressのテンプレートにあるんですね。ホームページビルダーでHTMLを書く世代に生きたので、コンテンツを流し込むだけで、それっぽいページができる仕組みには大変驚きました。

 そんなわけで、それっぽいテンプレートを選び、公開停止になったテキストを流し込み、その日の18時には公開に至りました。

SSLとメールアドレス

 これで後はコンテンツを更新していくだけと思いきや、後日、ドメインを管理してる会社から、SSLの設定がされていませんとのメールが来ました。確かに、https://対応にしないとなーと思ってはいたが、その会社のサービスをみると、年間で4万円弱。そんなにするの?と驚きました。

 他のやり方があるのか調べてみると、どうやら自分で無料でできるらしい… で、借りてるレンタルサーバ会社が対応しているかを見てみると、ラッキーなことに対応しているらしい。おー、マジか、どうやってやるんだ…とページを見てると無料の代わりに、年間800円のプランがありました。でもとりあえず無料のもので…と思いながら進めていこうとしたのですが、入った入り口が800円のプランのページでした。

 もうこれでいいかと思って契約したら、スピーディに承認を進めるためには、agay.jpドメインのメールアドレスが必要とのこと。agay.jpはレンタルサーバ会社ではなくドメイン管理会社で契約したから、そっちのホームページに行き、メールサーバをとりあえず月額で契約しました。そして、メールアドレスを取得して自分のiPhoneでメールの送受信ができるかとテストしようとするのですが、なんか上手くできません。

 レンタルサーバ側は関係ないのですが、なんかヒントがないかなと思ってレンタルサーバの管理画面を見ていると、なんとメールアドレスの管理画面があるじゃないですか。あれ、もしかして、レンタルサーバ側で、agay.jpドメインのメールアドレスを発行できる?と思って、とりあえず作りたいアドレスを入れてみました。

 そうしたら、なんかメールソフトの設定用の情報が出てきます。試しに自分のiPhoneに設定して、別アドレスから送ってみました。あれ?受け取れてる!これでいいじゃん!というわけで、メールアドレスも一件落着です。特に何かしたわけではないのですが、SSLもいつのまにか設定が反映されていて、あっけなく完了です。これで、WEBマガジンの環境は整いました。

学び

 まずは、自分が公開したいデータを置けるレンタルサーバを探すのが重要だと感じました。
そのレンタルサーバ会社のサービスで実現できないことがあるなら、それに対応できる会社を探し、レンタルサーバ会社と連携できるかを確認するというのが次のステップかと思います。

 自分が今回失敗したなと思ったのは、まずはドメインが大事だと思ってとりあえず取得してしまったことです。空きは確認してもよかったけど、取得は焦りすぎました。そして、どの会社も基本的には自分のところで完結できるようにサービスを提供しているので、できれば一社で完結できるとスムーズだと思いました。

 その次に大事なのは、とりあえず、世の中に出すことだと思います。いろいろな人に見てもらえれば、コメントがもらえて、それが次のヒント、モチベーションに繋がると思いました。

今後、どうしていきたいか

 自分はたまたまフィストの記事を書いたけど、例えば縛りなど、安全にプレイするための知識が必要なことについて、記事を書いてくれる人がいれば、そういったものを公開して、ゲイ生活にまつわる情報が集約できるといいなぁと思います。

 それから、インバウンド向けのゲイ情報が集められたらいいなぁと思っています。お店などが、日本語以外の対応ができるところが増えてきているように思います。日本に旅行に来たら、agay.jpでイベントの情報を得て、ゲイシーンも楽しめる。そんな情報を集めたサイトも作りたいと思いますが、こちらは一人じゃとても難しそうです。

 X Twitterアカウントを使った出会い系も面白そうです。ポストってなんだかんだ言って、その人の人柄が出るので、まだ会ったことがない人でも、イメージが湧きやすいと思います。

 まだ始めたばかりですが、いろいろな試みができたら面白いかなと思っています。よかったら、サイトも見てください。noteで公開停止になった画像もあります。

https://agay.jp/magazine





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