木陰DH上半身4

「叱る」と「怒る」は違う

最近、「躾」と「虐待・体罰」の線引きが出来ていないかたが多いように、お見受けします。わたしには子供はいないので、子育ての苦労は分かりません。動物も飼っていないので、ペットの躾もよくわかりません。(幼い時に犬猫を飼った経験はあります)

でも、先日ファミレスで傍若無人に振る舞っているお子様1名と、怒鳴っている親御さん2名を見ていて、「ああ、親御さん、お子さんに舐められているなあ」と感じました。大声を出してはしゃいで暴れる子供さんを、厳しい口調で叱ってはいるのですが、その一方で、椅子の上で好き放題遊んでいる子供さんに、デザートを「あーん」して食べさせていました。子供さんも「店から出ていけ」という親御さんが、実際にはそうはしないと確信しているようで、座席で好き放題振る舞っていました。子供さんは、恐らく小学生低学年か、もうじき小学生か、くらいには見えましたので、子育てって難しいなあと見ていて感じました。口で言っても、ある程度手を出しても(お父さんが、椅子にちゃんと座れと言って、何度か子供さんを優しく押さえつけておられました)、親を舐めている子供さんには全然通用しないんだなあ、と思いました。子供さんは遊んで貰っていると思うのか、ご両親に叱られても大声できゃっきゃと笑っていましたし、お母さんの背中を蹴ったりすることも、やめませんでした。

こういう光景を見てしまうと、「叱る」って大事だなあと思います。まず姿勢を正させて(よく正座とかさせられましたよね?)、親の方も姿勢を正して、目を見て真面目に諭す、叱る、それでも聞かない子は店の外に連れ出して叱る、デザートをとりあげる、くらいは、してもいいのではと思いました。わたしの時代には、悪いことをしたらお尻を叩くという躾もありましたが、今では体罰になるらしいので(この基準がよくわからないんですけれど)、難しい時代だなと感じます。お店で見かけた子供さんが、学校などに行かれた時に、授業中じっと席についていられるのか、他人事ですが心配になりました。

ところで、「叱る」と「怒る」の違い、わかりますでしょうか。
「叱る」とは、目下のものに対し、よくないことであると強く注意して、厳しく言い聞かせることです。「怒る」にも「叱る」と同義の使い方がありますが、こちらは不愉快・不満を感じて気持ちが荒立つこと、その気持ちを表に出すこと、です。(参考:広辞苑第7版)
つまり、「怒る」とは自分(親・飼い主)が感じた不愉快な感情を相手(子供・ペット)にぶつけることでもあるのです。これには、八つ当たり等も含まれると思います。この2つをごっちゃにすると、「躾という名の体罰・虐待」が生まれるのではないかとわたしは思います。

「躾」と称してペットの犬を壁に叩きつける動画があると聞きました。それは「躾」では無いとわたしは思いますが、飼い主さんは「躾」だと主張しているそうです。自分がされたらどう思うか……そんな想像力もないのかしらと思ってしまいました。相手を傷めつけるのは「躾」ではないと思います。

小さい頃、犬猫を飼った経験があると先に書きましたが、その時大人に教わったのは、「幾ら(ペットが)いけないことをしても、頭を叩いてはダメよ」ということでした。「頭は皮が薄いから、振動で脳に損傷が起きることがある。だから、肉厚なお尻を叩くのよ」と。子供さんにも同じことが言えるのではと思います。子供さんの頭は柔らかいので、絶対に叩いてはいけないと思います。叩くならお尻です。尤も、今の時世では、子供のお尻を親が掌で叩くことさえ「虐待」になるのかもしれませんが……。

ともあれ、子供さんでも、ペットでも、叱るべき時には叱るべきです。ただその時に、軽くひと呼吸してみて、自分の怒りを表したり、ぶつけようとしたりしていないか、立ち止まってみて欲しいと、わたしは思うのです。

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