エスエムエスなココロ
SM
私が、それと出会ったのは
盗み見た父のエロ本が、それを扱った専門的な雑誌ばかりだったこと。
いきなり服のまま荒縄で縛られている女性、制服を着た女子高生などの写真。
太って丸々した女性が、体全体を縄で縛られている女性の絵。
そして、裸の体に直に、独特の縛り方で拘束されている女性は
みな、股間に泡のようなものを付けていた。
普通のエロ本もあったのだが、量が圧倒的にSMのものが多く、
私はそればかり見せられることになり、そのたび不思議な虚無感が私の心をよぎった。
その拘束された女性が可哀想でもあり、雑誌の異常性も感じた。
父は、SMを実際に行なっているようではなかった。
私が幼くて、その証拠に気づかなかっただけかもしれないが。
母とのプレイは、普通だったと思う。
実際見たわけではないが。
経済的な理由もあり、そのようなプレイが日常的に行えるような、都合の良い個室がうちにはなかった。
平家の木造6畳2間だったし、自分と弟と母が寝ている部屋と、父の部屋を隔てるものは薄い襖だけだった。
あくまで本だけでSMの世界を堪能する程度だったのかもしれない。
子供の頃、変な遊びをしていた。
狭いところに自分で首を突っ込んで、そこを仕切る扉で
自分の首を挟み、
助けてー!
と叫ぶのである。
それが何故か、すごく気持ちよかった。
その遊びをしている時は、自分が女性になっているような感覚だった。
前世はM女だったのかもしれない(笑)
あと、似たような体験に
縛られている絵を凝視していた。
確か、幼稚園生が読む雑誌に
ウルトラマンの歴代のヒーローが全員、十字架に磔にされ、縛られている写真が掲載されていた。
今考えると、教育に悪いそれを、当時、幼稚園生だった私はじっと見つめていた。
それが、どんな理由や、思いがあったのかは、今では覚えていないが、
よく記憶に残っている。
まあ、ヒーローがやられているシーンというのはショッキングなので
トラウマになって覚えているから、それに近いのかもしれない。
他にも恐怖を感じて、記憶していることはあるが、今回の話とは
趣旨が違うので、今回は取り上げない。
それから、これは今でもなのだが、
手首につけるアクセサリーや、腕時計をつけると
なんとなく落ち着くのである。
昔、自分が若い頃、シルバーアクセサリーが流行っていたので
よくブレスレットはつけていた。
別に時間を気にしなくても良い時にも、腕時計をつけて外出する癖がある。
映画とかも、囚人が出てくるもの、鉄格子が出てくるものが好きだったし。
クリミナルな映画はよく見てきた。
そして、聖闘士星矢(昔のバトルもののジャンプ漫画)が大好きで
主人公の星矢のオネイサンが、海辺に立った木の柱に逆さになって縛られてる
(このままだと時間がたって潮が満ちて溺れてしまう)というシーンに
異常に興奮していたのを覚えている。
主人公の仲間の中で1番好きなのは、鉄の鎖(チェーン)を武器にしている瞬である。
妙に鎖や、鉄製のものに魅力を感じる。
今思えば、かなりの変態小学生だったなあと。
父が、特殊な性的プレイに興味があった。
その影響なのかどうか、私にも特殊な性癖があるにはある。
拘束されてるもの、自分が拘束されることに快感を覚えるのである。
それは、Mの心なのかもしれないし、他人が拘束されることにも
反応していたので、Sの心なのかもしれない。
しかし、それが事実として、そのマイノリティな扉を更に開いていく必要性もないように感じる。
私にとっては、なんとなく記憶の淵に残り続けている、人には話せない普通でなはない心を、
記述してアウトプットすることで自認できたこと。
それだでも、大きな成果であると思うのである。
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