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第一回シノビ漢方薬局【涼風】編

1.はじめに

世の中には弱キャラや弱いと世間で言われているカードテーマ、キャラビルドが存在します。

『忍術バトルRPGシノビガミ』においてもそれは変わらず、あまりにも弱い、または使いにくいことから使用率が極端に低い忍法や背景があります。

そう言った忍法をなんとか活かそうというのがこの記事の趣旨ということになります。

尚、以下の前提を基に話を進めるのでご注意ください。

Ⅰ.階級は中忍頭、現代退魔編
Ⅱ.追加ルール、サプリは積極的に取り入れる
Ⅲ.功績点は最大でも15点まで使用できるものとする
Ⅳ.忍具の購入は1個まで(忍具爆買いは現実的でないため)
Ⅴ.奥義改造は二重改造まで(三重改造は現実的でないため)
Ⅵ.妖魔化は基本的に行わない(筆者の我儘)
Ⅶ.協力、対立、バトロワ型のどれか一つでも活躍できれば良しとする
Ⅷ.〇〇で良くないか?が多発する
Ⅸ.ゴリ押しで強いと言い張る

2.患者紹介

それでは患者を紹介しましょう。どうぞ…

鞍馬神流秘伝忍法【涼風すずかぜ】(正忍記・認p141)
この忍法は、シノビガミシナリオ集「正忍記・認」で追加されました。それでは効果を見て行きましょう。

Ⅰ.間合1、コスト3、指定特技《手練》の接近戦の攻撃忍法
Ⅱ.相手の装備忍法の数だけ回避にマイナス修正をつける(最大マイナス3)

なるほど…これは重傷ですね。(リスペクト)

3.問題点

間合1の接近戦の攻撃忍法には最初にして最大の競合相手が存在します。そう、【夜叉やしゃ】ですね。火力、コストに優れたこの忍法を越えようとした場合、それに付随する効果で差別化を図る必要があります。

では【涼風】の付随効果は使いやすいかと言うとそうでもないです。まず問題として「相手への依存度の高さ」が挙げられます。

【涼風】の効果発動に必要なのは相手の装備忍法の数であり、これは戦う敵毎に変動します。また、仮に装備忍法のみで構成されている敵がいたとしても、上限がマイナス3までという効果が足を引っ張ってきます。

同じ装備忍法に依存する攻撃忍法に鍔鑿組の【機功きこう】が存在しますが、あちらはコスト2と【涼風】より安く、上限も青天井であり、なおかつ秘伝忍法ではないため【他流派の血たりゅうはのち】が使える等使い勝手がいいです。

コスト3と重いため【風饗かざまつり】等との併用は難しく、一撃に賭けようと装備忍法を複数積むと間合補助ができなくなってしまいます。

間合補助のための忍法を積んでも起動が遅くなるかコストのせいで高プロットに上らざるを得なくなるのは想像に難くないです。

総じて…
Ⅰ.間合が足りない
Ⅱ.コストが重い
Ⅲ.効果が不安定
Ⅳ.上記の性質を持ちながら秘伝忍法
という四重苦により、現在この忍法を見る機会は殆どないといっても過言ではないでしょう。

4.処方箋

ではいくつか存在する利点を伸ばし、弱点を克服することで症状の改善に努めたいと思います。

鞍馬神流秘伝忍法には間合問題を一発で解決する劇薬が存在します。それは、【くう】です。

【空】は鞍馬神流流派ブックで登場した装備忍法で、0プロットのPCがいる時、目標決定時に全てのキャラクターと同じプロットにいる扱いとなり、そのラウンド中コストが3まで使用できます。これにより、【涼風】の間合とコスト問題は解決し症状の改善…と簡単には行きません。

どの忍法にも競合相手がいるのは自明の理ですが、「この部分で差別化できている」と言えなければ意味がありません。

【涼風】【空】の組み合わせにおける最大の問題は、【鶴首】のように【涼風】よりコストが安く、かつ同じぐらいの回避マイナスが付けられる存在がいることです。【鶴首】ならここに【痛打】や【陽炎】が添えられるため、これでは【涼風】を活かしているとは言えないでしょう。

では次の処方箋を紹介しましょう。それは【風花かざはな】です。

【風花】は鞍馬神流流派ブックで追加されたサポート忍法で、端的に言えば相手に判定を強制し、失敗するとサポート忍法と奥義破りの判定にマイナス修正をかけます。

一見【涼風】と関連性のないこの忍法ですが、忍法名に「風」が含まれている点に注目します。ここで登場するのが第二の処方箋【呼吸法こきゅうほう】です。

【呼吸法】は指定した一文字が忍法名に含まれる攻撃またはサポート忍法のコスト減少や間合増加に寄与する背景で、その戦闘中一回しか使用することができないものの、いざという時の奇襲に使用することができます。
※裁定割れする部分ですが、ここでは一度しか効果を発揮しない裁定を採用しています。

これにより、必要に応じて効果を使い分けることができ、かつ敵対者は安易に逃げることができないということを意識させることができます。

5.服用結果

これらを基にいくつかCSを作成してみたのでご覧ください。尚効果を詳細に書きすぎると著作権に抵触するため、ページ数のみ記載しています。

経過観察Ⅰ:対妖魔構成


【涼風】の威力を最大4点、最大回避マイナス4にした対妖魔に特化した構成です。

羅盤らばん】の効果はブラフとして使うより、自身がここにいて、間合内に入ると【涼風】による高ダメージが飛んでくることを相手に伝える意思表示として使うのがメインとなります。

仮に相手が間合外に来た場合でも【範囲攻撃はんいこうげき】が届き、2回目以降の使用に関しても【風花】によるダイス強要と、判定に失敗した場合の奥義破りへのマイナス修正の恩恵が得られます。

その他利点として、対象が6プロットで行動してきた場合は逆凪のリスクを背負わすことができ、2プロットで行動してきた場合は先手を取れるためサポート忍法の阻害と言う副次効果を得られます。

5プロットにいる相手に対して、あえて【風花】を使用し、逆凪をした場合は【呼吸法】によって【涼風】のコストを減少させることで確実に【涼風】を命中させる。判定放棄や逆凪しなかった場合も回避マイナス修正でゴリ押す。または【呼吸法】を使わずに【接近戦攻撃せっきんせんこうげき】か【範囲攻撃】を使うということも可能です。

仮に相手が6プロットで逆凪した場合は【呼吸法】で【涼風】の間合を伸ばして攻撃でき、1プロットに逃げた場合も【風花】の間合を伸ばすことで【範囲攻撃】の通りを良くする芸当もできるため、使い所は慎重に決めなければなりませんが、幅広い運用が可能となっています。

経過観察Ⅱ:対シノビ構成

基本的な流れは経過観察Ⅰと同じですが、ここではサポート忍法が多い敵と装備忍法が多い敵に幅広く対応する構成としています。

奥義改造の【凄みすごみ】はサポート忍法によって強化してくる、またはダメージを与えてくる敵に対して有効であり、これによって敵の行動を遅延させることができます。

【風花】と組み合わせることで、主要なサポート忍法を【凄み】で止めつつ、他のサポート忍法の判定にマイナス修正をかけて完サポ型の機能を大幅に落とすことが可能です。

逆に装備忍法が多い相手には【涼風】と【風花】【範囲攻撃】で対処します。【涼風】の装備忍法特攻を十全に活かしつつ、間合外の相手には【風花】【範囲攻撃】を使用するのが基本的な動きになるでしょう。

【範囲攻撃】につけた弱みである【懐】は文字通り懐に入られると使用できませんが、追加のお薬である【鍔返つばめがえし】【防御訓練ぼうぎょくんれん】と併用することで、同プロットにいる相手は【涼風】の間合に入りながら、回避されやすい状態かつ最悪ダメージかマヒを受ける状態を強要されます。

また、【凄み】の効果は「目標に選ぶ」の文言がないため、【懐】の「目標にできない」と競合せず、同プロットに相手に【凄み】の効果を適用できることから、相手の構成が攻撃忍法のみで固められていない限りは忍法も【奥義】も腐りにくいです。

6.総括

現状可能な限りの手を尽くした結果、【涼風】はその間合足りなさとコストの重さを克服し、対妖魔に対しては高火力高マイナス修正、対シノビに対しては万能型の動きができるようになったと言えます。

今後追加される新薬(隠忍ブックや斜歯ブック)に期待しつつ、経過観察を行い、根治にまで持っていけるよう努めて行きましょう。

7.あとがき

文章を書くのが苦手のため、少々分かりづらい内容だったかと思いますが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

不定期ですが、今後も使い道が分からない忍法に光を当てていく記事を書きたいかと思います。お題はTwitterで募集したりしますので、よろしければ紹介状(忍法)を書いていただけると幸いです。

世の中には治療を待ち望んでいる忍法がたくさん存在してます。百種類を超える忍法と背景の組み合わせと戦闘狂共の閃きにより、多くの患者を救うため、シノビ漢方薬局は今日も巡業を行います。(リスペクト)


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