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第六回シノビ漢方薬局【凶室】編


1.はじめに

世の中には弱キャラや弱いと世間で言われているカードテーマ、キャラビルドが存在する。

『忍術バトルRPGシノビガミ』においてもそれは変わらず、あまりにも弱い、または使いにくいことから使用率が極端に低い忍法や背景…奥義がある。

そう言ったデータをなんとかする者達、人はそれをシノビ漢方薬局と呼ぶ?

尚、以下の前提を基に話を進めるのでご注意いただきたい。

Ⅰ.階級は中忍頭、現代退魔編
Ⅱ.追加ルール、サプリは積極的に取り入れる
Ⅲ.功績点は最大でも15点まで使用できるものとする
Ⅳ.忍具の購入は1個まで(忍具爆買いは現実的でないため)
Ⅴ.奥義改造は二重改造まで(三重改造は現実的でないため)
Ⅵ.妖魔化は基本的に行わない(筆者の我儘)
Ⅶ.協力、対立、バトロワ型のどれか一つでも活躍できれば良しとする
Ⅷ.〇〇で良くないか?が多発する
Ⅸ.ゴリ押しで強いと言い張る

2.患者紹介

本日の患者を紹介するぞ。どうぞ…

凶室きょうしつ(流派ブック私立御斎学園p35)】君

2022年7月30日に発売されたサプリメント「シノビガミ流派ブック私立御斎学園」に収録された旧校舎管理委員会の流派忍法の一つだ。

このサプリメントは同じく旧校舎管理委員会の新忍法【逢鏡あわせかがみ(流派ブック私立御斎学園p35)】がその凄まじい能力故に高速でナーフされるという珍事が発生したのは記憶に新しいだろう。

それでは効果を確認してみよう。

Ⅰ.戦闘中、自分が攻撃する代わりに使用できる
Ⅱ.指定特技の判定に成功すると戦場を「極地」か「雑踏」に変更する
Ⅲ.その戦場にいる間、戦場を変更するような効果を含む攻撃、サポート忍法の判定にマイナス2の修正がつく
Ⅳ.この効果は累積しない

なるほど…これはやや重傷だな。(リスペクト)

3.問題点

効果自体は非常にユニークであり、判定が必要な戦場型に対しては一定の効果があるものの、現代のシノビガミは火力を上げるのが容易なため準備をしている間に殴り殺されてしまう可能性が大いにある。

シノビガミシナリオ集正忍記・認で追加された【血界けっかい(正忍記・認p145)】、流派ブックハグレモノで追加された【影舞台かげぶたい(ハグレモノp41)】、流派ブック斜歯忍軍で追加された【一夜城いちやじょう(斜歯忍軍p34)】、更には地幕じまく等ノータイムで戦場を変更できる忍法や忍具が近年は増加傾向にあるのも逆風といえる。

また、相手に【誘導ゆうどう基本改訂版p82)】持ちがいた場合は代用判定でもない限り58%の確率で戦場を変えられてしまうこともあり、折角の効果が無駄になってしまうことも大いにありえる。

総じて…
Ⅰ.手番消費が重い
Ⅱ.効果が限定的
Ⅲ.対抗馬が強すぎる
という”流派ブックの世紀末環境の中”では重篤な症状を患っている【凶室】だが、現状【逢鏡】はナーフを受け再起不能となっており、【百物語ひゃくものがたり(流派ブック私立御斎学園p35)】は多くの卓で禁止を受けている現状で考えると、なんとかこの忍法に光を当てて行かなければならないとなってくる。

4.処方箋

ではこの忍法の治療をするにあたり、相性のいい処方箋を考えて行く…と言いたいところだが、その前に実はこの忍法にはある特殊な処理が存在していることを紹介してから話を進めていきたい。

【凶室】が持つ特殊な処理、それは「シーンを目標にし、戦場変更がされても効果が持続する」ことである。

これだと誤解を生むためもう少し見て行こう。まずこの忍法に「戦場が変更される、忍法使用者が脱落する、戦闘が終了する”まで”持続する」という文言は一切ない。

あるのは「その戦場にいる間」効果を発揮するというもののため、一度起動させてしまえば、その後別の手段で「極地」や「雑踏」に変更しても効果は発揮するのだ。

表記ゆれにも思えなくもないが、同じ旧校舎管理委員会の【怪段かいだん】、先程紹介した【影舞台】や【一夜城】には「まで持続する」の文言があるため、意図的に外したものと解釈していいだろう。

その上で処方する第一の特効薬が【坂者さかもの(比良坂機関p35)】だ。

【坂者】は流派ブック比良坂機関で追加された醜女衆の流派忍法であり、自身の【生命力】が1以上減少した時に戦場を「平地」か「極地」に自由に変更することができる装備忍法だ。

また、戦場が「極地」の際はサポート忍法のコストがプラス1されるという副次効果も存在している。

一見ただ「極地」にしやすいというだけに思えるかもしれないが、この二つは驚くべきシナジーを持っている。

まず最初に、対戦相手の攻撃目標にされにくくなる点だ。【誘導】や【一夜城】等の戦場変更忍法を持っている敵が相手の場合も、可能な限り相手はマイナス2のついた判定を振りたくはないという心理が働く。そのため、【坂者】持ちのPCを避けるように立ちまわることを強いられる。

仮に開き直って殴って来た場合も、即座に「極地」にされ、更にはサポート忍法のコストがプラス1されてしまうだろう。

ここで重要となってくるのは、一部の特殊な忍法を除き、基本的に戦場を変更する忍法のコストは2以上であるという点だ。

中忍頭の戦場型は、戦場を変更した後に他のサポート忍法を使用して火力を上げたり命中力を補ってりする傾向にあるため、戦場変更系忍法のコストを1上げられ、その判定にマイナス2の修正をつけられると非常に立ち回りがしづらくなる。

また、コストが重い戦場変更系忍法を使用するために高プロットにのぼることを強いられるため、逆凪のリスクが生じやすくなる。「極地・乙」はこの相手の逆凪に非常にマッチした効果と言えるだろう。

しかし、味方にも相当な被害がでる可能性は否めない。いっそバトロワ用と割り切ってしまうのも手であるが、できれば対立型や協力型でも一定の地位は獲得したいというのが本音だ。

そこで登場する第二の特効薬が【特別教室とくべつきょうしつ(基本改訂版p105)】と【戦場の極意せんじょうのごくい(基本改訂版p102)】だ。

前述の通り、昨今のシノビガミ環境は戦場をノータイムで動かせるようになってきているため戦場型が非常に多い傾向にある。

しかし一方で「極地」型は少なめというのが実際の所となる。そこで【特別教室】から【戦場の極意】を持ってくることでクライマックスフェイズまでに味方にあわせた選択を可能としようという訳だ。

幸い【凶室】【坂者】の組み合わせは「極地」以外にも「平地」「雑踏」に対応しているため、十全に動けずとも味方の求める戦場で【戦場の極意】を起動させることはそれ程難しくはない。

5.服用結果

最後に構成サンプルを置いておこう。

経過観察:極地コントロール型

今回は安定した命中力と、相手のメインウエポンに対する対応力を可能とした万能タイプとしてみる。

【坂者】は「できる」表記であるためメインに置き、【内縛陣ないばくじん(基本改訂版p80)】と【戦場の極意】を【特別教室】で指定することで対応力を底上げする。

理想の動きはメインフェイズの3サイクル目までに敵味方を見極め、【修業しゅぎょう(基本改訂版p102)】とあわせて自身の形を整えることだが、難しいと判断すれば本来の【凶室】「極地」型にしてしまうのがいいだろう。

この「極地」型の利点は前半は【坂者】のコスト上昇で敵を高プロットに誘導して「極地・乙」による被害を与え、後半は「極地・甲」による逃げ切りを可能としている点である。

「極地・甲」型はさっさと倒してしまうに限る構成であるが、【凶室】と【坂者】の戦場変更系への強力なメタによって攻撃しずらい状況を作れるというのは独自の強みと言える。

場合によっては【凶室】を使わない可能性があるにしろ、戦場型に対して強いメタを持ち、それでいて味方にあわせた動きもできるという点で十分に対応力に優れていると言えるだろう。

ということで、私はこれで〆。

6.あとがき

文章を書くのが苦手のため、少々分かりづらい内容だったかと思いますが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

不定期ですが、今後も使い道が分からない忍法に光を当てていく記事を書きたいかと思います。お題はXで募集したりしますので、よろしければ紹介状(忍法)を書いていただけると幸いです。

世の中には治療を待ち望んでいるデータがたくさん存在する。百種類を超える忍法と背景の組み合わせと戦闘狂共の閃きにより、多くの患者を救うため、シノビ漢方薬局は今日も巡業を行うのだ。(リスペクト)

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