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第五回シノビ漢方薬局【食物神】編


1.はじめに

世の中には弱キャラや弱いと世間で言われているカードテーマ、キャラビルドが存在する。

『忍術バトルRPGシノビガミ』においてもそれは変わらず、あまりにも弱い、または使いにくいことから使用率が極端に低い忍法や背景…奥義がある。

そう言ったデータをなんとかする者達、人はそれをシノビ漢方薬局と呼ぶ?

尚、以下の前提を基に話を進めるのでご注意いただきたい。

Ⅰ.階級は中忍頭、現代退魔編
Ⅱ.追加ルール、サプリは積極的に取り入れる
Ⅲ.功績点は最大でも15点まで使用できるものとする
Ⅳ.忍具の購入は1個まで(忍具爆買いは現実的でないため)
Ⅴ.奥義改造は二重改造まで(三重改造は現実的でないため)
Ⅵ.妖魔化は基本的に行わない(筆者の我儘)
Ⅶ.協力、対立、バトロワ型のどれか一つでも活躍できれば良しとする
Ⅷ.〇〇で良くないか?が多発する
Ⅸ.ゴリ押しで強いと言い張る

2.患者紹介

本日の患者を紹介しよう。どうぞ…

惟神かむながら食物神かてのかみ(比良坂機関p29)】君

2021年12月25日に発売されたサプリメント「シノビガミ流派ブック比良坂機関」に収録された奥義の一つだ。

流派ブックと呼ばれるカテゴリーの中で一番最初に販売され、その中の目玉データ8つめの奥義【惟神】の一つとして一躍脚光を浴びた。

それでは効果を確認してみよう。

Ⅰ.自分の生命力が減少したとき使用できる
Ⅱ.「消費」は対象外である
Ⅲ.同じシーンに登場しているキャラクター一人に「兵糧丸」を1つ獲得させる

なるほど…これは重傷だな。(リスペクト)

3.問題点

一見悪くない効果のように思える。というより悪くない効果なのだが、シノビガミプレイヤーならすぐに気づくある問題がある。それは二番目の効果である「消費」が対象外であるという点だ。

仮に「消費」に関する文言がなかった場合、【水晶眼すいしょうがん(基本改訂版p120)】や【血餅けっぺい(忍秘伝・改p128)】などと併用し、メインフェイズ中に兵糧丸を蓄えつつ、クライマックスフェイズを耐えきるという恐るべき奥義になっていたのだが、流石に公式もそれを危惧してかこのような条件が設けられた。

しかし、それによりこの奥義を発動させるには減少を外的要因に頼らざるを得ないという恐ろしく受け身な奥義となってしまった。

受け身である以上何が起きるかといえば自身が無視されて味方が集中狙いされたり、逆に防御面が薄いと判断されて袋叩きにあう点だろう。

ここで少し話は逸れるが、この奥義を強い弱いという意見にはだいぶ振れ幅があるように思える。それはなぜか?

これはその人が過ごしてきた「環境」が影響すると思われる。どういうことかと言えば、例えば平均ダメージが2点と4点のグループがそれぞれあるとしよう。

平均ダメージが2点の環境では【金剛こんごう(基本改訂版p94)】や【防御訓練ぼうぎょくんれん(鞍馬神流p45)】等を利用してダメージを1点に抑え、実質ダメージ0のような動きが可能だが、平均ダメージが4点以上の環境だとそうは行かず、そのまま殴り殺されてしまうことになる。

また、後者のような環境は【風饗かざまつり(基本改訂版p81)】や【式神しきがみ(基本改訂版p120)】等によって再度攻撃を仕掛ける場合が多く、ならば【絶対防御ぜったいぼうぎょ(基本改訂版p38)】で防いだ方が実質被害が少ないというのが辛いところだ。

この認識のズレは他のデータにも関わってくるが、流石に双方に配慮することは難しいため、ここでは【夜叉やしゃ】+αによる3点ダメージぐらいを基本に考えて行くこととする。

話を戻してこの受け身な奥儀を能動的に使えるようにすればいいと誰もが考えることになるわけだが、【かばう(基本改訂版p81)】と併用しようとなるとそもそも【惟神】が使える比良坂機関にダメージを軽減できるものが殆どないことと、軽減が豊富なハグレモノに【加持祈祷かじきとう(比良坂機関p37)】を修得させて使おうにも【惟神】と相性にいい奥義改造が存在しないため扱いにくい。

斜歯忍軍で【機忍きにん(基本改訂版p86)】を用いるにしても枠が足らず、コスト管理が難しいため【かばう】以外の行動が殆ど取れなくなってしまい、味方依存が激しくなる。

家宝かほう加護かご(基本改訂版p242)】【派閥はばつ(比良坂機関p38)】によるメインフェイズでの自傷であれば効果を十全に扱えるのではないか?と考えたのだが、【食物神】の効果は「同じシーンにいるキャラクターを選ぶ」必要があり、【派閥】は「シーン終了時」の発動のため、裁定にもよるが【食物神】を発動してもシーンが終了しているため目標が選べないと思われる。

ならば、【祟りたたり(比良坂機関p39)】などと併用して攻撃もできるようにすればいいとなったものの、【食物神】の指定特技は《兵糧術》か《憑依術》でなければならず、《兵糧術》は「謀術」の隣であるため修得しずらく、《憑依術》は昨今の環境変動でケアされやすくなってきた。

また、そもそも【祟り】で強みを一つつけている以上【くらまし(基本改訂版p159)】をつけるためには【神への供物かみへのくもつ(比良坂機関p39)】【大いなる怒り(比良坂機関p39)】あたりが必要になってくるが、この二つは「兵糧丸」を1つ獲得する【食物神】と凄まじく相性が悪い。

総じて…
Ⅰ.効果が受け身すぎる
Ⅱ.「消費」に反応しない
Ⅲ.高火力環境では遅すぎる
という重篤な症状を患っている【食物神】だが、【惟神】の中でもその最初を飾るだけあってオンリーワンの性能であることは間違いない。なんとか、最新のサプリメントを駆使して治療にあたっていくとしよう。

4.処方箋

この効果を見て大体の人が思いつく忍法から紹介しよう。それは【魔輪まりん(隠忍の血統p33)】だ。

【魔輪】は2023年3月3日発売の「シノビガミ流派ブック隠忍の血統」に収録された装備忍法だ。その効果は、「兵糧丸を使用した際に他のキャラクターにも兵糧丸と同じ効果を与える」というもので、1ラウンドに1回という制約がなく、かつ汎用忍法という凄まじいパワー忍法である。

普通に【血餅】などと併せるだけでも強力だが、「兵糧丸」が手に入れられる【食物神】と相性がいいのもまた事実だろう。

この忍法の採用は確定するとして、次はダメージコントロールをどうするかが肝になってくる。可能であれば、生命力の減少を1点に抑えたいところだが、そのために忍法を2つ以上積めば能動的に攻撃する手段を失ってしまう。

そこで着目したのが、シノビガミ初期から活躍するとあるパワー忍法の二つだ。それは【空衣からころも(基本改訂版p111)】と【人柱ひとばしら(基本改訂版p99)】だ。

【空衣】は古流忍法の一つで、中忍頭以下の環境では抜群の制圧力を誇る従者忍法であり、生命力2点の従者を手番を消費して呼び出すことができる。

【人柱】は比良坂機関秘伝の上忍忍法で、自身の生命力が減少する際に従者にそれを肩代わりさせることができる。

仮に3点減少の攻撃を受けたとしても、【人柱】の効果で呼び出した従者に2点分を引き受けてもらえば比較的等価交換に近い形で【食物神】を起動できる。また、仮に2点減少の場合は自身が1点のみ受け、従者に1点を肩代わりさせることで、従者の生存を維持しながら【食物神】を起動できるといった小技も可能だ。

後者の動きをした場合、獲得した「兵糧丸」を【魔輪】を使用して従者を回復させさえすれば、実質ノーダメージでラウンドを切り抜けることも現実的だろう。

相手が【食物神】の起動を嫌って従者や味方PCを攻撃してくることも当然考えられるが、従者を攻撃するのであればその分手番を消費させられ、味方PCを攻撃するようなら【魔輪】で延命しつつ【空衣】で盤面を整えると言った芸当できるため、戦場の主導権を握ることも案外できるかもしれない。

流石に【範囲攻撃はんいこうげき(基本改訂版p38)】を振り回してくるタイプの敵や、サポート忍法妨害や悪天候乙型と相対すると厳しい局面にはなるが、十分強く出れる相手も存在する以上弱いとは言えないだろう。

5.服用結果

最後に構成サンプルを置いておこう。

経過観察:ダメージコントロール型

後盾うしろだて(比良坂機関p34)】は比良坂機関秘伝の上忍忍法で、忍具獲得効果を持った【頑健がんけん(基本改訂版p84)】だ。従者が出る前は比較的脆いことと、【宗家】を修得する都合忍具購入が現実的でないため持っておいて損はないだろう。

【家宝:加護】は集団戦攻撃が力を増す現環境においては必須級と言える。流石に【蛮歌ばんか(基本改訂版p82)】のような直接「故障」を与えてくる構成には無力であるが、最低限の仕事は期待できる。

最後に自由枠だが、【術式開示】を通しやくするための【沈黙ちんもく(基本改訂版p98)】【神奈備かむなび(忍秘伝・改p128】、相手の妨害を行うための【禁術きんじゅつ(基本改訂版p98)】【斎垣いがき(基本改訂版p99)】、さらに防御能力を高める【頑健】【忍鎌しのびがま(正忍記・認p139)】【|一味(隠忍の血統p33)】等戦略は多種多様だ。

いっそのこと避ければいいの精神で【近衛このえ(忍秘伝・改p128)】を積んで、【家宝:加護】を忍具購入や別の背景に割り当てるのも悪くない。

これらの特効薬の力により、【食物神】はダメージコントロールをしつつ、攻撃とサポートを両立するためのキーデータになることが出来たと言えるだろう。

ということで、私はこれで〆。

6.あとがき

文章を書くのが苦手のため、少々分かりづらい内容だったかと思いますが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

不定期ですが、今後も使い道が分からない忍法に光を当てていく記事を書きたいかと思います。お題はTwitterで募集したりしますので、よろしければ紹介状(忍法)を書いていただけると幸いです。

世の中には治療を待ち望んでいるデータがたくさん存在する。百種類を超える忍法と背景の組み合わせと戦闘狂共の閃きにより、多くの患者を救うため、シノビ漢方薬局は今日も巡業を行うのだ。(リスペクト)

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