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第四回シノビ漢方薬局【罰刀】編


1.はじめに

世の中には弱キャラや弱いと世間で言われているカードテーマ、キャラビルドが存在します。

『忍術バトルRPGシノビガミ』においてもそれは変わらず、あまりにも弱い、または使いにくいことから使用率が極端に低い忍法や背景があります。

そう言った忍法をなんとか活かそうというのがこの記事の趣旨ということになります。

尚、以下の前提を基に話を進めるのでご注意ください。

Ⅰ.階級は中忍頭、現代退魔編
Ⅱ.追加ルール、サプリは積極的に取り入れる
Ⅲ.功績点は最大でも15点まで使用できるものとする
Ⅳ.忍具の購入は1個まで(忍具爆買いは現実的でないため)
Ⅴ.奥義改造は二重改造まで(三重改造は現実的でないため)
Ⅵ.妖魔化は基本的に行わない(筆者の我儘)
Ⅶ.協力、対立、バトロワ型のどれか一つでも活躍できれば良しとする
Ⅷ.〇〇で良くないか?が多発する
Ⅸ.ゴリ押しで強いと言い張る

2.患者紹介

それでは患者を紹介しましょう。どうぞ…

廻鴉流派忍法【罰刀ばっとう】(基本改訂版p92)
初期から存在する古参ですね。それでは効果を見て行きましょう。

Ⅰ.間合1、コスト2、指定特技《刀術》の接近戦の攻撃忍法
Ⅱ.【生命力】を事前に1消費しないと使用できない
Ⅲ.相手のそのセッション中妖魔化した数だけ回避にマイナス修正をつける
Ⅳ.攻撃が成功すると接近戦ダメージ1点と「行方不明」の変調を与える

なるほど…これは重傷ですね。(リスペクト)

3.問題点

シノビガミを実際にプレイしていない動画勢の方からみても重篤であることはお分かりでしょうが、一応問題点を洗い出して行きましょう。

まず最初に、【涼風すずかぜ】の時同様【夜叉やしゃ】に劣ってしまう点が挙げられます。幸い、【涼風】よりコストが安いと言いたいところですが、【生命力】を消費する点が重くのしかかります。

シノビの【生命力】は基本的に6点であり、それを自発的に削ることは大きなリスクが伴います。では、この【罰刀】はそのリスクを背負うだけの効果があるのかと言われるとそうではないです。

回避マイナス修正は限定的で、最初から妖魔のボスには殆ど効果がなく、対PCがそこまで積極的に妖魔化するかと聞かれると首を捻ります。なにより、指定特技がPC修得特技率の中でも上位である《刀術》のため、【陽炎かげろう】と併用しても当たらない可能性が高いです。

これであれば、大体のPCやボスが修得している装備忍法の数で回避マイナス修正がつく【涼風】の方がよっぽど優秀といえるでしょう。

そして、やっとのこと攻撃を成功させて得る効果は接近戦ダメージ1点と「行方不明」の変調を与えることです。セッションにおいて「行方不明」の変調はRPの場が減ることから痛い効果ではありますが、わざわざ他PCに「行方不明」の変調を与えに行く必要性が殆どなく、寧ろ相手のRPの場を奪うことで要らぬ諍いの原因になりかねません。

シナリオ集正忍記・認にて【口合気くちあいき】が登場したことで立場を得たかと思いきや、肝心の【口合気】の間合が低くコストも重いことから併用は難しく、鞍馬神流流派ブックにて同流派に【想斬羽おもきりばね】が登場したことでその立場を殆ど奪われてしまいました。

総じて…
Ⅰ.【夜叉】でいい
Ⅱ.謎の生命力消費
Ⅲ.効果が限定的過ぎる
Ⅳ.救済忍法が救済になっていない
という四重苦により、一見手の施しようがないのがこの忍法の現状です。

4.処方箋

では、どうやってこの忍法の治療を行うのか?ですが、火力や間合を伸ばした所でデメリット効果がある以上他の間合1の接近戦の攻撃忍法に後れを取ってしまいます。そのため、これらのデメリットと貧弱な効果を逆手にとることで解決に当たりたいかと思います。

この【罰刀】は攻撃忍法の中でも珍しく、複数の効果が内包されています。

簡単にまとめますと
Ⅰ.生命力消費
Ⅱ.回避にマイナス修正をつける
Ⅲ.変調を与える
の計3つです。

現在(令和5年3月2日)これら3つの効果が同時に記載されているのはこの忍法しかなく、効果が限定的なⅡを除いても珍しい部類に入ります。

そこでこれらを活かすための一つ目の処方箋が【俄雨にわかあめ】です。

【俄雨】は鞍馬神流流派ブックにて登場したサポート忍法で、【生命力】を失った際に使用でき、目標の汎用サポート忍法を封じつつ回避にマイナス修正をつけることができる強力なサポート忍法です。

シノビガミにおける「消費」は「失う」の一種として扱われていることと、この手の【生命力】を失うことが条件にある忍法特有の「消費は含めない」という文言がないため、【罰刀】の使用宣言時に即座に【俄雨】を発動させることができます。

【俄雨】には相手から【生命力】を減らされない限り、【毒飼どくつかい】や【水晶眼すいしょうがん】のような忍法と併用しないと効果が使用できないという弱点がありましたが、【罰刀】は攻撃に付随して効果を発動できます。

自分以下のプロットの敵を攻撃する際に回避にマイナス修正をつけつつ、【痛打つうだ】や【凶手きょうしゅ】を封じられたり、攻撃が成功した際の【かばう】の対策もできるため抜群の相性を誇るでしょう。

しかしこれですと、火力が足りないという問題が浮上します。間合は【神槍しんそう】でカバーするとしても、相手が1プロット以内に来た場合は最終的に【罰刀】【俄雨】を捨てて【接近戦攻撃せっきんせんこうげき】を振っていたなんてことも想像できます。

そこで登場するのが第二の処方箋である【朽気くちき】です。

【朽気】は自身が受けている変調の数だけ攻撃忍法に接近戦ダメージが付与される装備忍法で、【虹海月にじくらげ】と併用されるところを見た人は多いのではないでしょうか?

強力なこの忍法ですが、「故障」や「重傷」と言った重い変調を受けるのはあまりよろしくありません。そこで【罰刀】に秘められた効果が活きてきます。

要するに【罰刀】で自分を攻撃することで「行方不明」の変調受け、【朽気】のダメージを加速させるということですね。間合内に汎用サポート忍法を使う相手がいた場合は【俄雨】を発動させることも可能です。

とはいえ【生命力】を消費しつつ自分に接近戦ダメージ1点を受けていては手番の消費も相まってダメージレースで負けてしまう可能性が出てきます。

流石に非現実的…であるかと思われたこの組み合わせですが、解決策は身近な所に存在していました。

ここで最後の処方箋である【防御訓練ぼうぎょくんれん】の紹介をしましょう。

【防御訓練】は鞍馬神流流派ブックにて追加された背景で、少々難しい内容になりますが、簡単に説明をさせていただくと、「回避判定にプラス修正を受ける代わりに回避判定に成功してもダメージを1点しか軽減できず、相手は攻撃に成功した扱いになる」というものです。

この効果によって、【罰刀】の貧じゃ…接近戦ダメージを1点軽減し、「行方不明」の変調のみを自身に付与できます。

模擬戦界隈では【防御訓練】は1R1回までという縛りを設けられている場所は多いですが、実際の効果は何度も使用できるため、相手の攻撃に対してもある程度対処できるというのは強みと言えるでしょう。

5.服用結果

これらを基にCSを作成してみたのでご覧ください。尚効果を詳細に書きすぎると著作権に抵触するため、ページ数のみ記載しています。

経過観察:【朽気】型

1R目は【罰刀】【俄雨】【防御訓練】で相手の汎用サポート忍法を阻害しつつ、自身に「行方不明」の変調を与えることで【朽気】を起動させます。

その後は相手が【俄雨】を嫌って間合外に逃げた場合は【陽炎】【神槍】を、逆に【神槍】の火力を嫌って間合内に入ってきた場合は【陽炎】【罰刀】【俄雨】で対処します。

後者はダイスをたくさん振る都合、可能であれば3プロットあたりに陣取りたいところですので、空いた背景の自由枠は【家宝かほう(集中)】か【攻撃訓練こうげきくんれん】辺りがいいでしょう。

【奥義】については完全にお好みですが、1R目の手番消費を考えるのであれば耐久面に優れた【絶対防御ぜったいぼうぎょ】か【不死身ふじみ】あたりがベストです。【尖らしとがらし】を付けた【追加忍法ついかにんぽう】【天狗あまきつね】を【陽炎】【俄雨】と併用して放つという浪漫構成もありますが、そこは読者の皆様にお任せします。

6.総括

汎用サポート忍法が相手にいない場合や、【防御訓練】を貫通する大火力の相手と対峙した場合はやや構成が腐るものの、一部の構成に対する強力なメタと、十分と言える火力、回避マイナス修正を得たことで、【罰刀】は廻鴉でもエース級の活躍を見せることができる忍法になり得たと言えるでしょう。

やや強引と言われればそれまでですが、救いようがないと言われている忍法を活躍の場がある状況に持ってこれたのは大きな躍進と言えます。

7.あとがき

文章を書くのが苦手のため、少々分かりづらい内容だったかと思いますが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

不定期ですが、今後も使い道が分からない忍法に光を当てていく記事を書きたいかと思います。お題はTwitterで募集したりしますので、よろしければ紹介状(忍法)を書いていただけると幸いです。

世の中には治療を待ち望んでいる忍法がたくさん存在してます。百種類を超える忍法と背景の組み合わせと戦闘狂共の閃きにより、多くの患者を救うため、シノビ漢方薬局は今日も巡業を行います。(リスペクト)


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