【CL京都】クソデッキを握るまで

大会にクソデッキを持ちこむ。

人はその出来事のことを過ちではなく、「結果論」と美化することが多いであろう。
100%正解のデッキも存在しないし、100%失敗であるデッキも存在はしない、その失敗を分析し正解に近づくための要素を抽出する過程で過ちを起こすのは必要なことであるが、当日その日・その現場に限ってクソデッキを握るということは、例えばパーティに招待され、ドレスコードを間違えてしまったが、着替えもなく取り繕うしかないのと一緒だ。
何故に、明々白々なるクソデッキで大会に臨むなどということが起こりうるのか。

はじめましての方ははじめまして、ろしと申します。(自己紹介とかはこちらで)
公式戦から長い間意識的に離れていましたが、CL京都に参戦をしました。久々の公式戦ということもあり、デッキの調整・作成をしていましたが、蓋を開けてみれば惨敗(3-1-2)。
握ったデッキがクソデッキであったとしても、その場で持ち込んだ道具でできることを考え、やりくりして戦いはしたものの上記のような結果でした(もう少しやりようはあったし、明確なミスもあったのは事実ですが)。
2次募集で受かり、そこから調整時間は1週間ほどあったのにも関わらず、このデッキを握ってしまったのか。
その過程を言語化してみたくキーボードをたたいています。


1.調整開始段階での脳内整理

時は、大会一週間前に遡る。最新弾であるジージーエンド発売し数日が経過した段階である。その週末いくつかのシティーリーグと自主大会。ジムバトルが行われ、いくつかの結果があらわになっていた。
それまでの環境の流れとしては
ダブルブレイズ発売当初に圧倒的なカードパワーを誇っていた「レシラム&リザードンデッキ」が非GXデッキである「ズガドーン」、「デスカーン・ギラティナ」といったデッキにメタを張られるという形で環境から姿を消し、これらの相性が悪い「ジラーチ・サンダー」「ピカチュウ&ゼクロム」デッキと言った全環境の支配者も姿をくらませた、その二つに相性が悪く、上記の非GXデッキに強いこともあり新弾のカードで強化され環境に合わせチューニングされた「ゾロアークGX」が環境に舞い戻る。そのゾロアークGXに対して強く立ち回れる「レシラム&リザードンGX」「ピカチュウ&ゼクロムGX」が環境に戻り、環境が一周しその間にリストが洗練され2大トップとして君臨むkしたのがこの発売週末の環境とまず整理をしました。
そんな時にCL京都への参加券を得たので使用するスタンダードのデッキを、選択することを迫られたのである。

「レシラム&リザードンGX」
発売一か月の間にズガドーンGX・ブースターGX・ボルケニオン・バクガメスなどのさまざまな方が試され、環境が一周する間にミラー対策、対外調整行われ完成度の高いデッキリストも多く、かつ直前にシティリーグなどでも優勝したデッキ。ジージーエンドによりブルーの探索と相性のいいデッキともかみ合っているリセットスタンプにて苦手としていた非GXデッキに対して強く立ち回ることができ一強体制を作ろうとしていた。
「ピカチュウ&ゼクロムGX」
長い間環境トップに君臨しておりデッキリストも同じく洗練されていた。初速のぶん回りは相変わらずであり、豊富なサポートカードによる安定感、後攻1ターン目フルドライブによってもたらされる圧倒的なテンポアドバンテージと追加された妨害手段により多少相性が悪い相手でも無理やり突破が可能。また苦手としていたレシラム&リザードンデッキに対しても「ライチュウ&アローラライチュウGXの実装により多少相性が改善しており、レシリザ対ピカゼクという構図になるであろうと考えていた。

特にレシラム&リザードンGXは上記のように直前の大会でも勝ち上がっており、このCL京都はレシリザ討伐クエストのような形になるとまず考えた。
そこでまずデッキを作成する上での最低条件を決めることにした。
1)レシリザデッキに対して明確に有利が取れること。
2)レシリザデッキに対して数を増やすであろうウルトラネクロズマデッキ、非GX系のデッキに対して弱くないこと。
3)リセットスタンプに対しての耐性がある。
この3つを最低条件としてデッキ作成に取り掛かった。

2.スクラップ&ビルド

まず、期限が1週間しかなく、この間にデッキ選択→調整まで行わなければならず、この最低条件に最低限引っかかる保険となるデッキを上げた。
それがその2の条件にも含まれているウルトラネクロズマデッキ

レシリザに対しての打点もあり、ギラティナ+カラマネロのシステムにより非GXとの殴り合いが可能でありウルネクミラーという点以外は2つの条件を満たせています。不安な点としては最新弾にて実装されたフーパがギラティナマネロに非常に強く解決札がない点、所詮1進化デッキでありやぶれかぶれに弱い点があり、あまり積極的に使用したくはないデッキでした。

ここからはじまり、まず手を付けたのがガブリアス&ギラティナでした。

昔あった超バレットをベースに作成。
最新弾のカード。上記のウルトラネクロズマとの間のコンセプトであるが、ガブギラのカラミティエッジを効率よく機能させるためにのろいのおふだを採用した方。ギラティナ+のろいのおふだパッケージにより、より非GXデッキに対して強く動けます。
ただし上記のようにフラダリラボに対しての過大評価、ブルーの探索→フィールドブロアーにて簡単に交わされてしまう点がら不安要素も多く、いったん保留となりました。

2.ジラサンライライ

再び最新弾のカードより。ピカゼクデッキにライライを入れて回したのですが、タンデムショック後に相手ポケモンを落とすためにピカゼクデッキにはGXしか入っておらず、結局ライライを戻したところでGXを狩られサイド差をつけることができないことに不満を持っていました。
昔あったジラサンにピカゼクを加えたデッキをベースに初速を可能な限りあげたデッキを作成しました。安定して後攻1ターン目にタンデムショックを打つことができるようになり、160d+80+αの打点により対策をしていなければ永遠にライライを守りながらGXを攻撃することができるというデッキ。
またジラサンの流れを踏んでおりジラサンの動きをすることもできます。
問題点としてはタッグチームには強いものの非GXデッキ、特に直前でできたジガルデデッキに圧倒的に弱いこと。コンセプトは違うものの同様のデッキ優勝してしまい、多少なりとも意識され「大きなマサラダ」まで採用される始末に。いれかえ系グッズを増量されるだけでも結構デッキ的に厳しいため没

3.カウンターコケコ+ジラサン

カウンターコケコというデッキを思い出しました。現在のカウンターコケコの問題点としてはピカゼク・ジュゴンを意識したベンチバリアを持つミュウ存在、コンセプトそのものを崩されてしまいデッキとして成立しません。
そこでジラーチ+エスケープボード+雷エネルギーという共有パーツを持つジラサンと組み合わせることを考えグズマ+サンダーでミュウを狙撃していくことを考えました。また非GXデッキの代表格であるジラサンに対してもエレキパワー+コケコの組み合わせでサンダーに打点を入れやすい点を評価。
雷エネルギーを複数使う関係で、カプコケコGX・カプコケコ◇パッケージを採用することができ、また元々レスキュータンカーを複数使用していたこともあり、ジラーチ+レスキュータンカー+フーパの組み合わせでギラティナデッキに対しても戦うことができる点があげられます。
問題点としてはカウンターエネルギーをデッキに入れることができない関係回転飛行を打てないターンが発生しカウンターコケコとして動く際のデッキパワーが非常に低い、あなぬけの紐などのパーツがなくジラサンとしても動きにくいというちぐはぐなデッキとなってしまい、敷き詰めればデッキになるかもしれないが、時間が少なくこのデッキにオールインして失敗した際のリスクが大きくここで中断することに。

4.多色カウンターコケコ

レシリザに勝つだけならば、と思い昔懐かしの多色カウンターコケコを思い出しホワイトキュレムを自然に使える関係でレシリザとの正面から殴り合うことができると考えました。
が相手のボルケニオンが強すぎてレシリザどころではないこと。リソースが多すぎてマグカルゴ+ヤレユータンパッケージを採用した辺りから構築をギブアップ。

5.多色カウンターゾロアーク

上記の多色カウンターコケコにマグカルゴ+ヤレユータンパッケージを採用したあたりからゾロアークの取引で盤面構築した方が強いのではないかと考え、こちらのシフトしました。
理想的なムーブをした際にはレシリザには負けませんでしたが、サイド落ちや取引でのドローが芳しくない際のデッキパワーが嘔吐を催すほどの弱さでありさすがに時間の無駄だと思い1時間でスクラップアンドビルド。

6.フーパ+カラマネロ

そういえば昔フーパ4投したデッキがあったなと思い出し、少し考える。アタッカーがカラマネロにしてボックスを採用して殴り合えるようにすることを考えるもさすがにないと案だけで投げつける。ブラッキーにたどり着けたら世界線が変わってたかもしれませんね。

と月曜日からはじまり水曜日までの間に色々していましたが、いい感触をつかめず、暗礁に乗り上げ最終調整日である木曜日になるもデッキが手元にない状態でした。
カウンターコケコをどうにか使えないかなど色々試すもNG。

で土曜日の出発直前に保険として取り出した上記のウルトラネクロズマですが、先週ガブギラ型がアセロラを使い非GXの打点を捌く動きを見ており、CL京都を非GXとマッチアップが一番多いと考えていたのでガブギラにマイナーチェンジできないかと思い、残り30分で組んだデッキがこちらです。

ウルネクとの違いは、ウルネクと違いエネ消費がなくカラマネロを狩られる戦いになった場合でもガブギラはエネが付いた状態で残り続けること。ウルネクはバトル場で固定されると手張り→100点しか出せないのに対し、160dを連射できること。耐久力が高く、確1するに要求枚数が多く、アセロラでリセットすることができることがあります。
ウルネクとのマッチアップに不安があるが、ミラーでアブソルが有効であることは以前アブソル入りのウルネクを使っていた経緯もあり理解しており、ウルネクと違いベンチに余裕があるためアブソルを運用しやすいことも方向性を肯定することになり、ガブギラを2回一人回ししただけで持ち込むことになりました。

3.当日

当日の成績を結果だけ言うと、3勝、1負、2引き分け
非GXデッキを2回、ウルネクを1回倒しこの二つに関しては元々意識して負けないようにデッキ構築をしていたので想定通りであった。
問題は1負、2引き分けの方である。
内訳としてはレシリザ2、ガブギラミラー1。

4.原因

大会全体の結果からいうと、デッキシェア率1位レシリザ、2位ガブギラとなっていた。レシリザ1位はそもそも想定していたが、ガブギラに関しては自分で使っていてなんだがカードパワーをなめておりここまでデッキシェアされると思っておらず、ミラーを構築段階で全く想定していなかった。
構築段階で想定していなかったが、実際に起こってしまったことは仕方がないので、手持ちの道具でやりくりするしかない。
対戦中に動きを考え、このゲームは先にガブギラに直撃弾を当てたほうが勝ちとなると考え、お互いにガブギラに直撃弾を打ち合い、アセロラで回収するという動きを永遠にすることになりました。ゲームプランとしては成立していたが、道筋を考えムラがある動きをしたこともあり時間切れに・・・。
構築の条件がレシリザに強く出れる。という点であったが、非GXとの殴り合いを意識するあまり実はその点が抜け落ちており、実はレシリザに対して有利であるという条件を見てしておらず、構築上あまり強くなっていなかったという欠陥が大会中に見つかる。幸い、GGエンドGXがレシリザに対して有効であることを対戦中に発見するものの、プレイのムラもあり時間切れになってしまいました。

5.事後

結果としては、ガブギラはベスト64のシェア率として2位でありデッキタイプとしては正解であったともいえるが・・・。
ここまでの問題点としては
1.デッキ構築の最低条件を満たしていなかった。
2.脳内だけでかつ少数のデッキとの相性しか考えておらず具体的にどのような相性なのかが曖昧であった。
3.各デッキに対してのプランが曖昧であり、固まっていなかったので現場で考えなければならなかった。
この3点、いうなればクソデッキの三大条件といったところでしょうか。
一枚一枚のカードには採用を正当化できる理屈がついているものの、各枚数がかみ合ってなかったり、プラン建てをするために必要なカードが足りなかったりしている。
もし、以上の3点を完備した上で大会にあの構築する時間の条件で出るとしたら

こうなっていたと思います(大会全過程終了後の振り返るとこれが100%正解であったかというとそうではないと思いますが)。
環境読みが不完全であり、非GXではなくタッグチーム環境であったという点は1点あり、これは結果論であるので仕方がないことであるが、自分が作成した最低ラインを主観的にごまかしていたというのが問題。

6.デッキ構築

強いデッキとは何か?という問いに①ぶん回りがある、②引きムラが少ない、③格子がしっかりしており引きムラがあり長期戦になったとしても強い。という3点があげられることがある。
今回のケースでは、①ぶん回りがあり、②大量のボールによる引きムラが少ない、③ジラーチやシロナの増量、ギラティナマネロのシステムによる長期戦が可能という点であり、一応満たしてはいるものの。
①環境全体から見た自分のデッキの立ち位置の理解
②脳内で完結しており、実際に練習をしたわけでもないのでプランをその場で組み立てなくてはならなくなった。
この2点よりデッキの構築、プレイにムラができてしまったことが失敗。
私個人としてはTCGとはパターン記憶ゲーという認識であり、今までの練習で行ったパターンを再現して、今まで経験したパターンの数の勝負になるという認識を持っています。
なので練習で行っていないことを本番で行うことは本来してはいけないと思っていますし、そのこともあり対戦中ほとんど思考時間ほぼなしでプレイをしています。
今回のケースでは、実際のデッキでの練習は0であり、今までの類似した蓄積の経験の引き出しから引っ張り出してプランを構築しなければならずゲーム中に考えることが多くなってしましました。そのせいで途中でプラン変更などをすることもあり、プレイの手数も多くなってしまいました。
また、環境全体から見た自分のデッキの立ち位置の理解が不十分である点より、採用カードの枚数が不自然であり、結果としてこれはクソデッキです。


7.終わりに

以上、記録と反省文です(
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