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急がば回れの寝かしつけ〜小学生編

私の子供は、小学2年生と4年生になった。8歳と10歳。まだ毎晩寝かしつけをしている。

一時、「寝るー」といってさっさと寝てしまう時期もあったのだけれど、最近はまた、ちょっと子守唄を歌ったりお話ししないと二人とも眠らない。

原因は私の方にもある。4年生の長男の視力がひどく落ちたので、いろいろな情報を探した。定期的に眼科に通い、目薬を指しても落ちてしまったのですがる思いで高価な視力矯正の器具も買ったり本を読んだり「良さそう」なものは全て試している。結果、毎晩、二人で目の体操をしている。

首周りの筋肉をほぐしたり、眼を左右上下にゆっくり動かしたり。時間にすると5分くらい。それから眼科でもらった目薬をさして眠る。と言うのが新しい習慣になった。

1年半前まではベッドを敷き詰めて家族四人で寝ていたのだけれど、長男の半端ない寝相と子供達が大きくなったこともあって、今は「夫と長男」「私と次男」で2部屋で分かれて寝ている。

体操を終えて、おやすみと声をかけると長男は「まだ行かないで」と言う。数年前の私だったら、「もう小学生なんだから一人で寝なさい」と言ってさっさと部屋を出ていただろう。でも、その時は去りがたかった。

父を失い、実家に傷つけられて私にはいまの家族しかいない、と考えるようになってから息子たちが甘えてくる時間がとてつもなく貴重に思えるようになった。もう10歳。息子が私に無条件に甘えてくる時間は、きっと今日まで彼を育ててきた時間よりも短い。

そう思い至ると、むげに出来ない。むしろ、尊い。

それで、子守唄を歌ったり学校でのことをちょっと話してからおやすみ、と声をかけるようになった。すると、ぬいぐるみを抱いた次男が怒って部屋に入ってくる。「いつまでお兄ちゃんのとこにいるの?ぼくずっと待ってるんだよ!」

ええ、そうですよね。そうなりますよね……

私はもう一度長男に「おやすみ、大好きよ」とか「大切ちゃん、おやすみ」と声をかけて次男の部屋に移動。子守唄、お話し、時には読み聞かせ、そして「宝物ちゃんおやすみ」とか「大好きよ」と言って部屋を出る。

そこから一時間ほどが1日の用事を終えて、本を読んだりテレビを見たり、明日の準備をしたり、夫と話したりの何にも追われていない、大事なゆっくりした時間。

「甘やかしすぎじゃない?」と夫は笑う。

でも、子供を産んだばかりでどうやったら寝てくれるのだろう?と毎晩途方に暮れていた私が聞いたら腰を抜かすだろうけれど、いまの私にとって寝かしつけは幸せな時間。

お互いにお互いを「独り占め」できる時間なのだ。

長男にとっても、次男にとっても「ママを独り占め」する時間は、実はそんなに多くない。だからか、二人ともこの寝かしつけをするようになってからすんなり眠りにつくようになった。

「大好きな人を独り占めする幸せ」

それは、私の方も同じ。

なんと言っても長男は「1日でおむつが取れた男」。いずれ、「もう大丈夫」と宣言されるだろう。そうなったら彼の性格から言って、2度と寝かしつけをねだることはないだろう。

その日が来るまでもう少し。幸せな寝かしつけが続きますように。



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