「結城友奈は勇者である」シリーズを楽しむために【執筆:佐々木】

【概要】

初めに本記事は「結城友奈は勇者である」シリーズのうち、
全3期36話にわたるアニメ及び、(補足的に)「乃木若葉は勇者である」、「楠芽吹は勇者である」の見る順番を初心者向けにネタバレを伏せて解説するものであるため、一部説明不十分なものや、触れない作品(劇場版、劇場版特典含む書下ろしライトノベル作品、アプリ 結城友奈は勇者である 花結いのきらめきなど)があることをご理解いただければ幸いです。
また、度々略語を用いますので、以下に補足を置いておきます。

結城友奈は勇者である→ゆゆゆ
鷲尾須美は勇者である→わすゆ
乃木若葉は勇者である→のわゆ
楠芽吹は勇者である→くめゆ
○○の章→○○(一部のみ使用)

【鑑賞の順番】

それでは、早速見る順番について説明します。
「結城友奈の章(1期)」→「鷲尾須美は勇者である(2期,1~6話)」→「勇者の章(2期,7~12話)」→「大満開の章(3期)」
これが、私のお勧めする見る順番です。
ちなみに、時系列は以下の通りです。
のわゆ→わすゆ→結城友奈→勇者(≒大満開)
            くめゆ
(くめゆと大満開の概要、位置づけは後述。)

 アニメ作品によっては、放送順ではなく作品の時系列順に見ることがおすすめされる作品もあります(Fateシリーズなど)。本作品において、そのような見方もできますが、おすすめはしません。
 なぜなら、わすゆ、のわゆ・くめゆは1期の視聴を前提として展開される物語であるために、1期で徐々に明かされていくゆゆゆの持つ独特な世界観や勇者に隠された秘密・機能に関して、重大なネタバレをくらうためです。
また、初心者向けにのわゆやくめゆを間に差し込まなかったことについては、これらの作品はアニメ化されていないため、作品にはまるための流れに組み込むには少々重たく、また読まずとも3期を見ることで一応作品を締めくくることはできるためです。
以上から、初心者向けに、放送順の「1期→2期→3期」の順番をお勧めします。

【ライトノベル作品について】

さて、ここからは主に1期の視聴で、ある程度作品に興味を持ってくださった人向けに「のわゆ」及び「くめゆ」を読むおすすめのタイミングについて説明します。これらの作品を見なくてもゆゆゆという作品を無理なく完結まで迎えることはできますが、3期で明かされるゆゆゆのコンセプトの一つに重みをのせ、ゆゆゆという作品の完結により感慨を感じるためには必要になってくると思います。非常に長い説明となってしまったため、先に読む順番だけ載せておきます。
「結城友奈の章(ゆゆゆ1期)」→「鷲尾須美は勇者である(ゆゆゆ2期,~6話)」→「勇者の章(ゆゆゆ2期,7話~)」→「乃木若葉は勇者である(ラノベ)」→「楠芽吹は勇者である(ラノベ)」→「大満開の章(ゆゆゆ3期)」

つまり、2期と3期の間にライトノベル2作品を挟んでいただければと考えています。

「のわゆ」は、「ゆゆゆ」からはるか昔の先代勇者達の物語です。この作品及び単行本に収録されている書下ろしライトノベル「勇気のバトン」は、1期ラストの補足や2期ラストの解釈の材料として友奈たちの時代と関連してきます。1期や2期の考察・答え合わせをし、より深く楽しむためにはこの作品は不可欠になっていきます。
したがって、この作品を見るタイミングは1期の視聴後もしくは2期の視聴後をお勧めします。(2期に限っては答え合わせ要素は無いため。)  ただし、後述の「くめゆ」は2期視聴後をおすすめするため、無難に同タイミングの2期視聴後をおすすめします。

さて次に、「くめゆ」についてです。こちらは主に結城友奈の章後の時系列で展開される、主人公楠芽吹を始めとした勇者になれなかった者達、「防人」の物語です。この作品には友奈たちの物語をより立体的にさせる役割を持っています。また、主要でないものの友奈たちが関わるエピソードや2期(主に勇者の章)における登場人物の行動のきっかけが描写されるシーンもあるため、主要キャラの性格の把握や心情の変化・成長を感じとるという点でも作品により深みが増し、ゆゆゆの世界観やキャラを一層好きになれるのではないかと考えています。くめゆはこの他にも、2期のネタバレを含む要素が散見されるため、それを避けるためにも、2期の視聴後に読むべきです。

 これらの作品は、3期でも触れられますが、尺の都合もあり、その内容は勇者の章に関連したもののみをピックアップしたものとなっているため、作品の一部もしくは大部分が省略されています。
   「のわゆ」を通してこそ、先代の勇者達から脈々と受け継がれてきた軌跡に、より感慨を感じ、それゆえに、友奈たちが、そして長きにわたる勇者達が「ある結末」に辿り着けたその達成に、より心が動かされるのではないかと考えています。
 また、くめゆのキャラ達が3期で活躍するシーンが出てきます。そのシーンは、3期ではそのほとんどが省略される「くめゆ勢の成長」があれば、より光るものがあり、言い換えれば、「くめゆ」を通してこそ、3期の結末が、友奈たちを始めとしたゆゆゆの時代の人の団結というものに感慨を覚えるのではないかと考えています。
 したがって、長くなりましたが、2・3期の勇者たちが歩んできた結末への背景に、歴史を持たせ、そして深みを与えるために「のわゆ」、「くめゆ」を2期と3期の間に、順に読んで欲しいと願っています。

【3期、大満開の章】

最後に、3期の必要性について軽く触れます。3期は今までに触れたことから、ざっくりと「のわゆ」+「くめゆ」+「勇者の章」と言い表せそうですね。だからといって、見ないという選択肢はあり得ません。
 まず3期では、ピックアップしてのわゆやくめゆの内容を拾っていることもあって、重要な掛け合いシーンがいくつもあります。これらは、2期とラノベ作品のみで補うには限界の範囲であるキャラたちの心情の深い部分が表現されており、3期の視聴でのみしか味わうことができない切なさや感動を与えてくれると思います。また、くめゆとはまた別の、勇者の章で触れることができなかった別視点も描写されています。つまり3期は勇者の章という時代において、ゆゆゆという世界観(現実世界)と各主要キャラの心情(精神世界)の双方をより深堀りした作品で あり、勇者の章の物語を歩む勇者達の抱える想いはより深みを増し、くめゆのキャラを絡めた総戦力の最終決戦の描写は、その結末への道のりに切迫感と険しさを増し、友奈たちがその結末を選んだ責任の重みがよりのしかかり、そして、作品を通して伝えたかった事は3期の完遂によって初めて理解しうる、そのような作品になっていると感じています。

 個人的には、以上に触れた作品はどれも欠けてはならないと思っています。のわゆ、くめゆ、わすゆの要素も、勇者の章の要素も、そして、3期で描かれる各エピソードもすべてを兼ね備えた上で、3期最終話をもって作品に後腐れなくお別れをできる、ゆゆゆという作品が完結してしまったのだなという感無量ともいえる気持ちを味わえると考えています。是非全作品に目を通して欲しいと1ファンとして願っています。

【まとめ】

最後になりますが、この作品は非常に丁寧に作り込まれているため、考察の余地が様々あります。ゆゆゆを視聴、閲読する際は、是非小さいことでも引っかかった部分はどんどんピックアップして考えることでより作品にのめり込んでいただければなと思っています。

非常に長くなりましたが、これにて結城友奈は勇者であるシリーズを楽しむための履修コースの紹介を終えさせていただきます。

【執筆者情報】

名前:佐々木
ゆゆゆシリーズにどっぷりはまってます。友奈ちゃん大好きすぎて友奈ちゃんばっかり描いたり、グッズ揃えたりしてます。

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