アトックスという悪徳原子力企業について

 私は2013年7月に福島第一原発の収束作業にかかわっておられた通称「ごぼう」さんと仰る方から新宿で行われた「被ばく労働者の要求となにか」と題しての集会に元、原発労働者として招かれた。


 いうまでもなく、「ごぼう」さんはアトックスという今では全国規模の原子力企業の下請け会社で福島第一原発で働いておられたが、解雇された。解雇理由は私と似たような理由だったと思うが、いわゆる「使い捨て」だ。
しかも、働いていた当時には危険手当すら支払われていなかった。東京電力は2012年の12月に作業員への危険手当を明らかにし、内容は福島第1原発構内での作業を対象に現場の放射線線量、防護服などの装備によって1日2万円を、原発作業の経験があり班長などの資格(職位)をもつ作業員には10万円を、それぞれ基準単価に加算し、「線量の高い作業」ではさらに2割程度の割増し措置をとっている、としていた。「線量の高い作業」は、原子炉建屋、炉心周辺などでの作業が対象になるとしていて、東電が実施した作業員アンケート(9月)では危険手当を「受け取った」という作業員は51%のみと、これは当時の赤旗でも指摘しているが、当然のように「ごぼう」さんにも支払われてはいなかった
上の旧ツイッター(x)画像に元受けは「A」社と書かれているのはアトックスである。現在のアトックスは下請けを利用し、全国規模で原発や原子力施設の除染や放射線管理、手帳まで作業員に交付している

 いわゆる、なんでもできるのである。そして、いっかいの清掃業だった企業が原子力業界でのしあがるには、当然、政府のお墨付きが必要であるところから、経済産業省から副大臣の気付けで感謝状まで出ているのである。

 社会に貢献といいながら、被ばく労働者を産み、危険手当も支払わず、収束というウソを付き、あぶく銭を稼ぐように下請けを作業員を利用し、のし上がったのがアトックスである。今回の福島第一原発での汚染水漏れもアトックスがかかわっていて、東京電力は漏れ出た放射能量を下方修正しているが、私は疑わしいと痛感している。
(つづく


 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?