天文仮想研究所 VSP

まず、私の拙文を呼んでいただく前に一言を。

 VRchatで私と関わって頂いている方々、いつも仲良くして下さり本当に有難うございます。感謝の言葉は本当は常に口にしないといけないのですが、恥ずかしかったりして中々口に出来ません。私は普段、文章を書くのが苦手ですが、こうやって文章にすると普段口に出来ない事も言えてとても良いと感じます。

 本当に有難うございます。

フォースを作りましょうか

 私が天文仮想研究 VSP を創設させて頂いたのはこんな些細な言葉からです。

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 VRに興味を持ち、VRchatに参加し、すぐの頃、とても善き経験をさせて頂きました。VR空間で虹を見たんです。私は色覚異常と言われる先天性の「色が大多数の方に比べて判別しにくい」症状のある人間です。生活に困るほどではありませんが、赤と茶色の区別がつかない等があります。現実において、私は虹を七色で見たことがありません。大体二色です。しかし、VRで見た虹は七色にはみえなくとも六色くらいには見えました。それは私にとって本当に幸いな出来事でした。VRで「気持ち」が救われた。その時の正直な気持ちです。

 VRchatでの生活の中で、ある方々の集会に参加しました。宇宙についての集会です。それはとっても素敵な時間でした。本当に。

 そして、思ったのです。「私も同じような事がしたい」と。

 そこで幾名かのお力を借り、個人的に「宇宙に関することを解説する集会」をしました。私はプラネタリウムが好きでした。そして人並みに宇宙が好きでした。しかし知識はありません。私が話した集会はインターネットの情報をただ、読み連ねることでした。

 それでも幾十名の方が集会に来て頂いて、楽しんで頂けた。それを感じた私は、その場でフォースを立ち上げる事を決めました。勿論、それが実際に出来たのはあるお二人がいてくれたからです。

 始めは、10人くらいで内輪でうちゃわちゃしていれば楽しいだろうなぁくらいの感覚だったのですが、気づけばフォース立ち上げから(2019年10月立ち上げ)今現在150名がディスコードに参加して下さいました。これは本当に予想外でした。

 集会においても、仲間が増えていくとやれることが沢山出来ました。ワールドを作ってくる方、エンブレムを作ってくれる方、知恵を分け与えてくれる方。応援して下さる方。有難い事に集会も月一回以上を行うことが出来、3月にはグランドツアーと題して、大きいものも出来るほどに。

では、どうしたものか

 本当に有難い事に今、沢山の方と共に多いに楽しみながら、様々な事が出来ています。そうなると内輪だけで楽しむのはもったいない。もっとたくさんの方に楽しんでもらおうと。

 私がVRで虹を見て救われたように、別の方が私達の活動を見て、少しでもプラスの感情を持ってもらえたらと。

 「楽しい」ということ。これは本当に尊い瞬間です。それをたとえ、一日でも、一時間でも、一分でも、一秒でも、刹那の時間でも。私達の活動でそれを感じてもらえたらと。そう思い始めるようになりました。

 なぜ、このような思いを感じるようになったのか。少し自分語りをしないといけません。

着信の音。その後「…あの…聞いてる?」

 決まって、いつもそうでした。

 友と知り合いを失いました。20代の時に一人や二人ではなく幾人も。皆、全員同じ年でした。

 とても仲の良かった友もいれば、それほど仲が良くなかった知り合いも。

 着信。取ると別の友から「あの…○○のことだけど、聞いてる?」

 一度目は何の話か分かりません。しかし二度、三度続くと「またか」と。

 自ら命を絶った。事故。病気。理由は様々でしたが、皆

 「ある日突然」でした。別れの言葉も覚悟する時間も一秒とありませんでした。

 これはずっと考え続けると思いますが、では「俺はどう生きるのか」

 明日知れない命をどう生きるのか。それを考えたときに「今を楽しく生きる」と私はなりました。彼らがいなくなってしまった事は、本当に辛くて、苦しくて、悲しくて、若い人がいなくなることを二度と経験したくありません。でも、この経験は私にとって、本当に得難い経験でした。もう一度言いますが、二度と経験したくはありません。

 死はいつも身近にある。それは皆、知っています。でも、感じているかどうかは非常に曖昧です。私も普段は意識しません。でもそれを感じる事が出来たのは、今後生きる上でとても大切な事だと感じています。

 しかし、日常は中々に厳しくて、楽しく生きるだけは生きていけません。でも、だからと、それを見失ってはいけないと。

 そこで私はずっと待っていました。「自分が夢中で楽しく、そして他の誰かも楽しんでもらえる事はないだろうか。絶望を乗り越える事の楽しさを少しでもお伝えする事はできないだろうか」と。しかし、中々その時は来ません。最低でも5年は待ちました。

 そして出会ったのが、VRchatの天文仮想研究所 VSP なのです。ですから、立ち上げの時は何も考えていませんでしたが、物事が進むにつれて色んな事を考えるようになりました。

 「楽しく生きよう」、「辛い事を乗り越えよう」。私が言葉が上手で、もしくは文章が上手で、その人にそれが伝われば良いのですが、私は両方ともに得意ではありません。「それが出来ないから辛い」。正しくその通りです。

 私が大切にしたいのは、本人が一日でも、一時間でも、一分でも、一秒でも、刹那の時間でも楽しいを「感じて」もらうことです。そういったことの積み重ねで、辛い人生を少しでも楽しい人生に変えていくことが出来るとそう信じているのです。そのお手伝いが出来ればと、そういう思いで天文仮想研究所、VSPを続けています。

 後、これから若い人たちがもっと気軽にVRを楽しめる時代が来ると思います。例えば、中学生や高校生が我々の活動をみて、宇宙を好きになって宇宙に関する仕事に就き「あの時、天文仮想研究所の集会を見て宇宙が好きになって、今の仕事に就いたんです」この言葉が聞くことが出来れば本当の幸いです。

 いつの時代もそうだと思うのですが、時代はいつも厳しいです。でも、若い人達が希望を失って、楽しくない人生を送ってしまう事は本当に悲しい事だといつも感じています。彼らは希望の星なんです。私達が教えなくても社会は、いつだって、どんな時だって、どうあがいたって厳しい。それによって若い人達が絶望してしまう事。それが本当に、本当に悲しい事なのです。私は若い人達に、社会の楽しさや優しさを少しでも伝えたいのです。「社会は厳しいし、辛いし、嫌になるけど、こういう楽しい事もあるよ。案外大人になるって楽しいよ」それを伝えていかなければいけないと。「ワクワク」や「ドキドキ」の少年ハートを持ち続けて、焦らずにゆっくりと大人になってほしいと。

 そうして、私自身が楽しい人生を送って、今ではない、いつか、ここではないどこかで「彼ら」と出会う事が出来たならば、「楽しい人生だったよ」と瞳を見て言えるように。そういう人生を送りたいのです。

フォースの運営について

 私は普段の私生活や仕事において、特にチームを束ねているわけではありません。本当に有難い事にフォース運営について教えてくださいと言って頂けた事があります。本当に大した話は出来なかったのですが、私が心掛けていることをいくつかお話しします。もし、今から書くこと以外でお聞きになりたい事等がありましたら、ツイッターのDMやリプ、VRCでお気軽にお聞きください。私の答える事の出来る範囲でいつでもお答えさせて頂きます。

 まず第一に、私は何も出来ません。ユニティも触れませんし、blenderとは。ってぐらいです。ワールドも作れませんし、宇宙についての知識もありません。でも宇宙の事は好きなんですね。だから楽しい事がしたい。その思いをフォースの仲間に話します。こういうことがしたいのです。ですから、貴方のその力を貸して頂けませんか。と。その思いを伝えます。伝え方は人それぞれです。Aさんにはこんこんと語ったり。Bさんにはふざけながら。そうやって有難い力をお借りします。

 第二に、フォースは私のものではありません。皆のものです。ですから、「こうじゃないと絶対にダメだ」というものを設けません。勿論、絶対にしてはいけないことはあります。人を陥れる行為等です。ですが、それ以外は「生み出されたものは、命として私の手を離れ、成長していく」と考えています。勿論、私もその成長の手伝いをするのですが、どう成長していくのかはわかりません。成長を見守りたいのです。

 そして、フォースを離れる事になった人が出た場合。それは笑顔で送り出します。私もいつか天文仮想研究所とVRchatを離れます。それが1年後なのか、10年後なのか。でもいつか必ず離れます。その時は「ここにいて良かった」とそう言って別れます。そうしないとここで経験した事を否定にしてしまうような気がするのです。VRchatが終の棲家になる人もいるかもしれません。私もそうかもしれません。しかし多くの人にとっては止まり木なのです。ある所からここに止まって、また別の所に飛んでいく。その止まり木でどう感じたか、これをどう捉えるかは非常に重要だと思います。別れは決して悲しい事だけではないと感じる事は本当に大切な感情だと思います。そしてまた、再会できたならば、それは本当に嬉しい事です。

 最後に、「自分が作りたいものを作る」

 これに尽きます。話は逸れますが、私は「君の名は。」で有名な新海誠監督の舞台挨拶に参加できたことがあります。質疑応答で直接新海監督に質問をすることが出来ました。「誰かに何かを伝える時に一番大切にしていることは何ですか」との私の質問に、新海監督は「自分が作りたいものを作る。自分が必要としているものを作る」と答えて下さいました。

 創作をする上において、これは根底にあるものだと思います。自分達が、私が、僕が、俺が、ろれる。がしたい事をする。勿論、我々がいつかお金を貰って何かをすることになれば、状況は変わるかもしれません。でも、それでも、その根底は覆ってはいけないと。それは新海誠監督から頂いた言霊だと感じています。

 ただ、一言弱音を言わせて頂くと、毎日怯えています。いつか皆に愛想を尽かされ、誰にも相手をしてもらえなくなるのではないかと。私の言動で嫌われるのではないかと。私は先ほども言った通り、何もできない人間です。一人になると途端に何も出来なくなってしまいます。少し前も夢でフォースの一人と仲たがいをして離れていくという夢を見ました。本当は毎日怯えているのです。

こわくて、たまらないのです。

 後、欲も怖いです。偉そうに色々と書きましたが、人間である故、欲があります。「有名になりたい」「チヤホヤされたい」「お気に入りリストを誰かに送ってもらいたい」。勿論、全て持っています。それを前面に出し過ぎるとそれはよくありません。だからといってそれをなくすことは出来ません。私はそれをなくせるほど強い人間ではありません。しかし、この感情は全ての原動力にもなります。ですから、欲とも上手く付き合って今後もやりたいことをしていこうと思っています。アマゾンのお気に入りリストはツイッターのプロフィール欄にあります!あります!送って!

煌くあの宵の明星のように

 私はこれから、自分と誰かが楽しんでもらえるように精進します。間違いもすると思います。愚かな事も、笑われる事も、恥ずかしい事も、情けない事も、辛い事も、悲しい事も。

 もしかしたら、少し後に天文仮想研究所 VSPを辞めているかもしれません。未来の事はわかりません。

 でも、少し未来の話もします。今、水面下で現実のプラネタリウム施設とのコラボを画策しています。勿論、険しい道ですが、不可能ではないという判断をしています。詳細は随時お伝えします。なぜ、私が今、この話をするかというと、

 このツイートを見て頂いた事によって現実味が増してきました。なので、この場でも発言させて頂いて、「それなら協力できるよ」「友達にこういう事してる人いるよ」等頂ければ、より良いものが、現実味が増します。なので、お話をさせて頂きました。

 また海外の方へ向けて、英語での集会も画策しています。そちらでもご協力いただける方がいらっしゃれば是非ともお声掛け下さいませ。

後、私自身の話となり恐縮ですが、今、VR関係への転職が頭をよぎっています。具体的にどうかはまだまだわかりません。転職しない可能性も十分あります。転職についてはもう少し考えていこうと思っています。

 長くお話をさせて頂きました。今、見て頂いている貴方の貴重なお時間に叶う文章だったでしょうか。

 辛くなる時があります。残りの時間を今の使い方で良かったのかと。その時はこう思うようにしています。

 間違ってはいないと。正しいかどうかは一生考えても私にはわかりません。だけど、これはきっと間違ってはいないんだと。

 その想いを持って、私はこれからも「楽しい」を続けていきたいと感じています。

 2020年3月8(日)。今、私が出来る最大の「楽しい」を詰め込んだグランドツアー。是非とも御参加頂ければと、切に、切に申し上げ締めの挨拶とさせて頂きます。

グランドツアー 最終版

もし、叶うならば、黄昏時に煌く宵の明星のように輝けることを目指して。

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