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夢日記録♯031 人間の王様に仕える機械人形と旅人

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主人公:男性。
カメラワーク:第三者視点。説明カットが入る。

・シーン1
そこは、人間の王に機械が仕えている国だ。機械人形たちのパレードが終わると就寝時間を迎える、というなんとも「玩具の国」じみた場所だ。
人形たちの姿は、表情の変わるオーマイキーのような、どこか陶器を思わせる質感の頭部と、人間と同じ服を着こなしている。遠目に見ると人間か人形か判別がすぐにはつけられない、そんな感じ。

首都の中央を大きな河が流れており、その中洲が人形たちの住処らしい。旅人である男はそうとは知らずにうっかりパレードの流れに飲まれてしまい、気付いた時には人形たちと共に地下道を歩いていた。
「しまった。こちらはヒトの泊まるところではないようですね。此処から街へと帰ることはできますか」
男が隣を歩く人形に話しかけると、"彼"は困ったように「おや、」と声を漏らした。人形とはいえ、表情も変わるらしい。
「もう橋が閉まっています。付いてきてください」
"彼"は男を機械の前に連れて行く。現代でいうとATMのような、モニターとカメラのついた操作機械だ。画像1

「ここであなたを"登録"します。本来この場所は人形しか入ることができませんが、人間のあなたも登録をすれば寝室を使うことができます」
ありがたくも空いている寝具を使うことができるようだ。モニターで部屋の案内をうけ、ひとまずの安堵を得た男は"彼"に感謝の言葉をかけようとする。既に"彼"は背を向けていた。
(シーンはなかったが、翌朝男は出勤する人形たちと共に橋を渡り、人間の暮らす街へと帰ったようだ。それからは人形たちの施設には入っていない)

・シーン2
しばらくたった頃だろうか。その国で内乱が起きた。
国王は人形たちを使い、反乱者たちは生身で戦い続けた。国王軍に負けた者たちは捕虜となり、中洲に連れ去られ、国王の下で虐げられているようだ。
男はこの街を訪れた日のことを思い出し、例の地下道から施設へと潜り込んだ。どうやら"登録"はまだ生きているらしい。
警報を鳴らすことなく、捕虜たちの牢屋に辿り着く。コンクリートが打ちっ放しの広間に、拘束された女性たちが5人ほど散らばっている。
この部屋を監視していた人形は、男を"登録"してくれた"彼"だった。
"彼"はこの国では旧式に属するらしく、国王以外の人間の命令をも聞いてしまうという欠陥があった。そのため、街での戦闘には出ていなかった。
"彼"に頼んで、捕虜のみんなを解放してもらう。
さきほどの広間以外にもいくつか部屋があるようなので、"彼"にはそちらもすべて解放するようにお願いをした。
「"彼"に付いて行って、橋を渡るんだ」
拘束を外すと、彼女らの目はぎらりと光った。この部屋ではおとなしくしていたようだが、曲がりなりにも前線で戦っていた者たちだ。生きる気力に満ち溢れていることに安心する。この人たちなら生きて戻れるだろう。

・シーン3
地下牢から施設の上層へと向かうと、王族の居室があるようだった。国王の様子をうかがう。配置された人形たちが限られており、その姿にどこか親近感を覚えた男は、国王の前に姿を現した。
「お前!?どうやって、ここに。」
どうやら本来この施設に"登録"されているのは、国王一家のみらしい。ひどく狼狽した様子の国王は、男を捕らえるように人形に指示を出す。
追いかけてくる人形。
逃げる男。
しかし、男は人形たちへの親近感に思い至る。この人形たち、半数くらいは旧式じゃないか?
"彼"に似た人形たちへと試しに自分を守るように声をかけると、彼らはぐるりと姿勢を反転させた。うまくいった。
そうとなれば、ここで無理に自分が先頭にたつ必要はなくなった。旧式の人形たちに協力してもらいながら、新型の人形たちを引きつけたまま、中洲から本土へ架かる橋まで走り抜ける。道中で捕虜の皆と合流する。
「味方の人形たちがいるので、手を借りて早く走り抜けるんだ!皆んなが抜けたら橋を落とすぞ」
声をかけて、いち早く対岸へ着く。異変を察知した反乱軍のトップが居た。男は状況を説明し、旧式人形をなるべく回収して橋を落としてもらう。
河を流れる人形たちのなかに、"彼"の姿が見えた気がして、男は悔やんだ。すべて、"彼"が居たお陰だったのに。
男の心中を知る者はほかにいない。

・シーン4
ここからは説明シーンが走馬灯のように流れる。
男が通ってきた橋は無事に王の側近人形を巻き込んで崩落。これで一安心かと思いきや、パレードに使用しない別の橋が落としきれておらず、そこから人形が本土に流出してしまった。ついでに国王に賛同していた人間のスパイが反乱軍の中で暴れ出したり本領発揮をしだして、戦況は混沌となる。
男は旧式の人形たちと話をして、中洲の様子を聞き出したりしていた。
やがて戦火により国王軍も反乱軍も疲弊して、戦いはまばらになっていく。

反乱軍のリーダーというのは、国王の息子のようだ。国のありようについての対立がこの戦いの発端のようだが、二人が対峙してしまうと、どうにも国を巻き込んだ親子喧嘩の様相を呈してしまう。
国王を戦場へと引き摺り出し、息子と対話の場面を取り持って、戦いを中断させる。その場では停戦が宣言されるも、しばらく意地を張って直接会おうとしない親子に辟易し、逐一状況を国民さんに報告し、国民さんも上への進言や愚痴を男に告げたりして、だんだんと男は中間管理職の上下のプレッシャーを感じ、どうして一介の旅人に過ぎない自分が国の命運を左右する歯車のひとつになってしまったのか首を傾げたりしていた。というかめっちゃ疲れた。停戦後に至っては国王親子以上に走り回っていたような気がする。
ただ、これを放り出そうなどと考えると、河に飲まれた"彼"の困ったような笑顔が思い浮かんでしまうのだった。

というあたりで目が覚めた。

*
・"彼"になにひとつ恩返しできなかったのが悔やまれる
・終戦後どう落ち着いたのかはわからないけど、息子くんががんばって治めてくれたらいいなあ
・国王親子は某漫画の9代目と10代目みたいな印象でした

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