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夢日記録♯014 混沌修学旅行

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d.
主人公:学生。見た目や性別は不明。
カメラワーク:主人公視点。体感や風景は見える。主人公の顔は不明。

・シーン1
修学旅行で温泉に来ている。班の自由行動の終点は、宿泊する旅館のようだった。旅館へと向かう道中、主人公は同じ班のCさんの後ろ姿を追いかけながら歩いているが、石畳の左手に見える大きな湖に見とれている間に他校の生徒の波に飲まれて、Cさんを見失ってしまった。
交友関係が非常に狭いようで、同じ学校の生徒が相手でも、顔がわからないなんてことはザラだ。ぼんやりと前を歩く女子たちに着いて行くと、鳥居のような真っ赤な梁と真っ白に塗られた壁で組み上がった旅館の中へと辿り着いた。どうやら道を間違えてしまったようだ。しかし此処までの道が複雑で、元いた場所に戻れなくなってしまった。
途方に暮れて、旅館に働く女性に声をかける。
「すみません、迷ってしまったのですが」女性は巫女のような白と赤の特徴的な和装を着ており、その上に前掛けを締めていた。「此処よく迷われるんですよ、送りますね」と笑顔を返してくれた。

・シーン2
女に導かれて館内を歩くが、これがまた狭くて妙な道ばかりだ。赤い梁や格子がいたるところに張り巡らされており、女子学生たちがはしゃぎ回る客室を通り抜け、板張りのすれ違いのできないほど狭い階段や坂を登って下って、忍者ならいくらかは楽に通れるなんだろうか、なんて考える。そうこうして漸く外に出る。画像1そこは最初の道路に面した玄関ではなく、杉の木の立ち並ぶ森に面していた。石垣の向こうには、大きな犬と猿の石像が立っている。
女に誘われるまま、主人公は森をつらぬく砂利道へと足を下ろした。石像の前を通り抜ける時に、女が大きな声で犬や猿の声真似をするものだから驚いてしまった。
「ここでは敬意を表して、挨拶をする習わしなんです」
なんて言われたので、主人公も口の中で小さく声真似をしてみるが、猿の声なんてまともに聞いたこともなかったからよくわからなかった。
神社かなにかなのだろうか。石像はそれぞれ明後日の方向を見てはいるけれど、犬と猿を一緒に祀って喧嘩にならないのかな。なんて下を向きながら考える。その先にはもともと歩いていた石畳がみえた。

・シーン3
場面転換。小型バスのような室内が映る。窓は塞がれてるかのように暗く周囲を伺うことはできないが、どうやら小型飛行機の中のようだ。左右に2列ずつ席が並んでいて、前後に4行。それで客室は全部だ。ドアは左前方にひとつだけで、操縦士もここしか使わない。
足元のわずかな灯りのなか、主人公はふらつく機内で天井に頭をぶつけながら前進していた。とにかく狭いのだ、この機内。
客席には他に誰もいない。知り合いの男である操縦士が一人と主人公だけ。
「湖に不時着する!」
男が振り返って叫んでくる。
「前を見て!」
主人公は叫び返す。
やっとのことで操縦席まで辿り着いて、ハンドルを抱えて背中を丸める彼の背もたれに手をかけて前方のガラスを見据える。
目の前に、さっき地上で見とれていたあの湖がぐんぐんと迫ってくる。
「このスピードで湖に突っ込んだら危なくない?」
「かも」
「途中で脱出したほうがいいと思うんだけど」
「それが出来ればやりたいもんだね」
そんな会話をかわしながら、機体が降下していく。水面が近づいてくる。
見覚えのある温泉宿のそばまで来て、「降りて!」、彼が叫んだので主人公は咄嗟に扉を踏み越え、旅館の最上階に転がり込んだ。
赤と白の板張りの広間。客室は幸いにも障子が開け放たれていて、慣性に足をとられながら物置部屋まで急ぐ。あった。棕櫚縄のような茶色い、しっかりとしたロープを手にして窓へ引き返す。
これがあれば、ハンドルを固定して操縦させたまま、あるいは彼もこちらに飛び移れるんじゃないか。しかし窓の外にはもう機体はなく、視線を下げると湖の半ばに着水した姿を発見した。
どうやら、爆発といった二次被害もなく無事に不時着できたようだ。しかし警察のマークが入った船が飛行機を取り囲むように迫ってきている。
あーあ。本当は操縦士くんも逃しきれていればよかったんだけど。
とりあえず命の危機が去ったことで力が抜けたのか、ロープを投げ出し座り込む。ここからどうするか決めたら動こう。その前に、この建物から迷わずに出られるかが問題だけど。

と思ったあたりで目が覚めた。

*
・旅館は千と千尋に出てきそうな和風と中華風の混在を感じた
・なんでいきなり飛行機に乗ってたのかはわからない
・犬(左手前に配置、来た方向を向いている)と猿の石像(右手奥に配置、砂利道を向いている)は、台座が身長くらい、姿を見上げると鳥居よりも大きいほどで表情もわからないほどだった

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