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【RX 高岡】 2024.05.19-20 2days race in 木祖村2024 No result


概要

TOJ(Tour of Japan)の裏番組

として、そういうUCIレースに出られないアマチュアチーム(選手)に本場欧州のレースっぽいものを体験して欲しいという主催者の強い気持ちが反映されたレース。良くも悪くも。
チームは基本5名編成。サポートカー付き。
初日昼前後に8kmの個人TT、初日午後に81kmのロードレース、2日目に126kmのロードレース、という盛りだくさん楽しめる。
ステージレースなので、総合争いと関係ない選手が逃げていたら、『ライバルは集団にいるのであの逃げはいかせてもヨシ』とか色々な思惑が交錯してレースが展開するのもまた醍醐味。

メンバー

RXチームは、大前、木村、日暮、高岡、原田(TTGミトロング-Vからレンタル)、の5名。
チーム戦の為、人数合わせで他チームから選手を借りる事が認められている。

コース

直線的に落ちるだけの下り(TTはその下りの最後からスタート)、小さなアップダウンを繰り返す狭いワインディング区間、トンネル抜けてから開けた広い道路で引き続き緩いアップダウン、最後500mほど6−8%の登り頂上フィニッシュ。
1bステージ:1周9kmx9周=81km
2ステージ:1周9kmx14周=126km

天候

初日:晴れ、28℃くらい
2日目:曇り/小雨 20℃くらい

リザルト

1aステージ(個人TT):93位(出走115名) 機材トラブルにより大きく送れる
1bステージ(80km):7位(トップ+1'29) 強力なチーム員の逃げにより、メイン集団でぬくぬくと
2bステージ:本気で勝ちを狙いに行ったが、レースキャンセル

2ステージ途中、事故によりレースキャンセルで正式リザルトは不明
翌日時点)
レースキャンセルまでの状況から推測すると、大前は総合優勝、高岡がオーバー40でトップ。
チーム総合は初日終了時点でトップだったけど、2日目木村がドロップしたのでどうなっていたかは不明。

自己評価

★★★★☆(4/5)

ネガティブ要因:3レースともに不完全燃焼
ポジティブ要因:170bpmまで追い込むことができたし、二日目は好調を感じて勝負する走りができていた。

レース

ステージ1a(個人タイムトライアル)

1分後とにスタートしていく。自分はチーム内で4番目で、12:16スタート。
11分45秒くらいがベストだったと思う。だいたい毎回タイムは安定していると思うので、今年もそれくらいを目指す。
その時間のパワー値を上げてタイム短縮するより、いかに緩いアップダウンのワインディングをスムーズに走るかでタイム稼ぐ作戦。

苦手な前半でプッシュしてもそう速くはならないので、プッシュしすぎることなく後半までスムーズに速く走って、最後の登り区間で出し切る走り。

序盤の対岸に渡る橋を越えた右コーナー途中に段差がある。そこを抜重しつつ乗り越えたところでチェーン落ち。走りながら手で掴んでチェーンリングに乗せる。そこで失速した分・再加速の分入れても10秒程度のロスで済んだと思うけど、再スタートする際にギア変速がしない。
トップ側に入って固定されてしまった。いわゆるDi2のセーフモード(正式にはRDプロテクション機能)か。
いくら変速ボタンを押してもリアメカは動かないので、トップギア固定で走るしかない。Fシングル58Tでトップ固定というのは、かなりヤバい。
最後の500mを登りきれるかな?という不安の中、そこまで脚を残して走らないといけない。もうタイム・順位は望めないので最後に押し歩きする醜態だけは避けようと作戦変更。

58x11T、ギア比5.27で走りながら、なんとか復旧しないかなと思い左右ボタンを長押ししてみたり同時押ししてみたり、色々やっていたら、ラスト2kmくらいで急に動き出した。
ローギアまで使えるありがたみを感じながら最後の坂を力なく登り切って一応完走。

ステージ1a:95位 13’02”87(トップ+2’05)

トップは早稲田のカミタイで、10’57。たぶん昨年の金子選手に次ぐ2人目の10分台だと思う。速い。

RXでは、ノーマルロードバイクで走った大前が11’24で4位。やはり強い。
ロードの経験・実力・スプリント力を考えて総合優勝の大本命だと思っていたので、その方向でレースは進むだろう。

ステージ1b:81kmロードレース

15時スタートのロードレース。
毎周回登りを500Wで駆け上がれば選手は相当絞れるだろう。その中で最後スプリントして勝てるだろう。という大前の大胆かつ豪快な作戦。
細かい点ではその通りとはならなかったが、大雑把な展開としては間違えてはいなかった。

2/3周はローリングで、後半部分からリアルスタート。直後からアタックがかかり一列棒状になるのはいつものこと。
それで最初の登りで宣言通りに大前が強烈に速いペースで駆け上がる。
それで8名先行。頂上では5秒ほどの差だったけど、それについていけない選手は下りで一息ついてしまう。
前はこのまま少人数でいっちゃう気概。
この8名にRXから大前・木村が入っているのは確認。
Balbaも寺崎選手・井上選手が入っている。イナーメのぱやおも入っている。
これは強力。
強力な逃げなので行ってしまう可能性あるが、残念ながら1周目なのでこれに入るという選択はしなかった。RXの強い2人が入っているので、このまま行っても勝つ可能性は2/8よりはるかに高い。
もしこの逃げが成就しなければ、自分が頑張る。

2周目に早くも2−3名ドロップして、逃げは5名になった。相当速いんだろう。後で聞いたら大前が無慈悲にガンガンペースアップをしていたと。
実力がちょっと違う。
大前・木村(以上RX)、寺崎(Balba)、佐藤駿(イナーメ)、玉城(日体大)という5名の逃げ。

大前は総合成績を狙えるので、今窮地に立たされているのはリーダージャージを着るカミタイ。超強力な逃げができてしまったのでそのままいかせては総合トップを獲られてしまうので追わなければいけない。
早稲田チームとして強いアシストがいるような感じでもないので、後ろの集団はカミタイがハイペースで牽引する時間が長い。
それに続く・同調するチームも少しはあるが、強力な5名との差を詰めるほどの協調体制では追えない。明治とか日大とかが前の方で走っていた。

5周目に入ったあと、下りきって右折して橋を渡るところで落車発生。
先頭カミタイで、2番手の選手が後輪滑らせてコントロール失い落車。3番手がも突っ込み落車。4番手の自分がギリギリで止まれた。狭い道の左側で落車。コーナー抜けた後なので、後ろから突っ込まれないか心配だったが、なんとか集団はコケてる2名を避けてその右側を通過。集団が通り過ぎるまでその2名の横から走り出せないので、40km/h以上で集団が通り過ぎてから再スタート。
逃げを追ってペースが落ちない集団を単独で追うのはしんどいけど、集団の後ろのCOMカーの後ろにつかせてもらい、問題なく集団復帰できた。
そこから半周くらいかけてポジションを上げていき、再び集団前方に出る。

タイム差は40−50秒くらいで大きく縮まりもせず広がりもせず。
後ろの集団も脚が止まってひどくペースダウンすることはなかったが、ペースアップする動きもない。
大前とカミタイとのTTでのタイム差は30秒弱なので、このままいけば総合トップは入れ替わる。大前はスプリントも強いので、ステージ優勝もじゅうぶん狙えるだろう。

後ろの自分のミッションは、集団の前方でぬくぬくと走り、追走のアタックは絶対に逃さないように反応すること。TTで圧倒的なタイムを出したカミタイはどこかでアタックしてジャンプを狙うだろうから、絶対にそれには食らいついていかないといけない。

タイム差がラスト2周で1分15秒くらいになり、集団は諦めムードになったか。この勢いだと追いつくことはないなと思った。

ラストは少しペースは落ち着いた感じ。
ここまで前でチームメートが頑張って、自分はほとんど頑張らない走りだったので、最後の500mの登りだけは全力を出し切る。
ラスト1kmから日大が3人前に出てハイペースの牽引を始めたのでその後ろにつける。登り口からハイペースで突っ込み、日大のエースが発射、、、しなかったのでそのまま中腹から全力でかけた。後ろを見ずにとにかく頂上のフィニッシュラインまで全力で駆け上がる。最後にCOWGUMMAの永塩選手に抜かれて、集団の2番手。ステージ7位。

メイン集団から少し抜けて、2番手

1周目から飛び出した逃げは5人で最終まで逃げ切り、最後は惜しくも寺崎にヤラれたが、RXはステージ2位・3位。

ステージ1b表彰台

積極的なレースで表彰台に2名。ベストではないけど、良い結果。

1日目総合成績

TTとの総合で大前がトップに躍り出た。
このジャージをキープして総合優勝するのが2日目の目標だ。

ステージ2:レースキャンセル

目標は優先順位のまま;
①大前の総合優勝、②ステージ優勝、③木村の総合3位(初日終了時点で4位)、④木村のスプリント賞キープ、⑤高岡のOver 40、⑥チーム総合成績、

初日終了時点で、総合、スプリント賞、チーム総合はRXが取っている。
オーバー40は私がトップの雑賀さんと40秒くらいの差なので、まだじゅうぶん狙える。
とまぁ色々な要素はあるが、①と②にフォーカスする。

チームジャージ、スプリント賞、個人総合、マスターズ日本チャンピオン

チーム総合トップということで最前列からスタートさせてもらう。しかしいつもどおりクリートキャッチして漕ぎ出す頃には10人以上に抜かれる。そしてあっという間に集団に埋もれる。
なんでパレードスタートで脚がない人が我先にと前に行きたがるんだろう。
皆スタート後もっと落ち着いて走ろうぜ、といつも思う。5分経ってみたら、スタート直後のポジションなんて関係なく前方維持できないだろ?
1時間経ってみたらどうせ集団内にとどまるのが精一杯なんだろ?
頑張るところはスタート直後の先導車の番手争いじゃないぞ。

リアルスタートの後で前に出られそうな場所まで位置を上げる。
昨日の今日なので1周目からペース上がってもそのまま抜け出すということはないだろう。大前は今日ももりもりと前方で力を惜しみなく使っている。
誰かのアタックには必ず反応する。昨日圧倒的な力を見せたリーダージャージなので、当然抜け出すには至らず(それは狙っていない)集団の前は常にペースが速い状況。
自分はスロースターターだから、、なんて言っておられず、このハイペースのサバイバルになんとしても耐えて後半勝負を狙わねばいけない。

大前がまるで『誰も絶対逃さないぞ』と言わんばかりの走りで前でレースを支配している。いや、実際にそう言っていたか、、
そんなこんなで誰かが飛び出すたびに集団のペースが上がる。
自分もしっかりと反応できている。

ところでスプリント賞はRXの木村君が着ている。個人総合、チーム総合も取っていて、今日のリザルト次第でO-40も狙えるので、せっかくならスプリント賞も取れれば完全制覇だなと思い、3−7周回のスプリント賞で木村君のアシストをしてみる。もし集団で何気なく通過するなら、何気なく先頭でポイント加算してスプリント賞確定としたい。
しかし自分がアシストしていたら後ろから日体大の選手が思いっきりスプリントかましてポイントをゲットした。それが2回続いたので、ああスプリント賞狙っているのかと思い、そちらは諦めた。
総合表彰台を狙う木村君にそんなところでムダにスプリントをさせたくないし、日体大のスプリントを見て、たぶん勝てなそうとも感じたし。
それよりももっと大きな、ステージ優勝と木村君の表彰台を狙う。

何周目か忘れたが、集団が大きく割れて先頭は19名になった。
逃げ集団、と呼ばれるかもしれないけど、逃げたというよりはハイペースで残った19名という感じ。
RXは大前・原田・高岡の3名。日体大も3名いた。
残念ながらRX木村はいない。昨日ステージ優勝で総合でも脅威となりうるBalba寺崎もいない。これはチャンス。

当然RX3人は前でしっかりとローテーションを回す。
後続集団とは40秒ほどの差。しかし後ろの方が15名ほどと人数少ない。
自然と割れた集団なので、ほぼ後ろは気にしなくても良いけど、自分たちの勝率を上げる為にはペース落とさずサバイバルなレースにしたい。

とここで意外な展開。後続集団にいたはずの寺崎選手がいつの間にか追いついている。ガンガンにペース上げていないとは言え遅くはないペースで走っていたのに単独でジャンプしてきたとは、、、すごいパンチ力だ。

逃げというには大きすぎる集団だけどここまでは出来過ぎなレース展開。
力的に抜きん出ている大前が確実に勝てる展開だと思う。そして自分もステージ優勝を狙いたいが、それが実現しうるこれ以上ない環境も整っている。
願わくばもう少し人数を絞りたい。
ここまでは大前が登りのたびに先頭でペースメイクしていたけど、寺崎選手が集団に入ったことで、このまま最後まで脚を使い続けていたら、また最後のスプリントでは不利になる可能性がある。
それもあって自分もペースメイクに加わろうと。またもう少しペース上げて終盤に向けてさらに人数を絞っていこうと思い8周目の最後で少しペースアップ。頂上で後ろ見たら着いてきていない。
大前が踏みやめたことで集団もペースダウンしてお見合いになってくれれば、と思い下りも踏んでハイペースを維持する。
ちょくちょく後ろとの差を確認しながらしばらく単独で逃げるが、集団の脚が止まり一気に広がる感じもない。自分も後ろとの差を確認しながらどうするか決める感じ。ここから勝負をかけて逃げるぞ、ってモードではない。
差は10秒程度で広がらないので、半周くらいで潔く諦めて集団に戻る。

無駄足に終わったがそこまで深刻なダメージではない。
そして9周目の登りでも同じようにペースアップ。失敗アタックを繰り返していると、「あー、また行ったよ(どうせまた戻ってくるだろ)」という心理が働いて油断を誘う効果がある。無駄足も決してムダではない。
再び集団は見送る。さっきの周回より早い段階からペースアップして、集団との差は少し大きい。そして日体大がついてきて、2人で頂上を通過した。
これはチャンスだ。
さっきよりも少し本気モード。
単独と2人逃げはまったく難易度が違う。

確実にこのレースで一番強い大前はチームメートだから、ステージ優勝をサポートしてくれる。
前日勝っている寺崎選手も強いけど総合狙うなら大前に30秒くらい差をつけないといけない。また総合は捨ててステージ優勝狙うなら自分を吸収する為に力を使わないといけない。しかしそうしたら最後の登りで大前が非常に有利になる。大前を振り切って前にジャンプする、というのは絶対にできない。
18名ほどの集団でもRXは大前・原田の2名。同じく逃げている日体大も2名いる。その他組織的にペースアップするようなチームは居ないはずなので、2人逃げで残り5周も非現実的ではない。

そして2人逃げ態勢になって、相方に恵まれたと感じた。自分と対等以上か?というくらいにしっかりと先頭を牽いてくれる。しかし牽いてくれる時間が長いだけに、集団と差を広げるには少しスピードが足りないかなと感じた。
そこは自分が少しだけペース上げてローテーションの間隔を短くするとか登りでペースを作って調整するとか走りながら微調整するところ。

タイム差は20−25秒ほどとまだまだ坂一発で追いつかれる範囲。
10周目最後の坂をいいペースで登って、大前が牽かない後ろの集団とどのくらいの差になるか。ここで30秒以上まで開いたら、かなり可能性は高くなると思う。

条件が揃いすぎている。非常に楽しい。
自分が捕まったとしても、大前の総合優勝とステージ優勝の可能性がかなり高いと期待できる。

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坂の手前で赤旗が出て「レース終了!」と突然告げられる。
何が理由か分からないけど、レースがここで終了ということだけははっきりと分かった。まぁこういうのは事故以外の理由はないだろう。

そしたら「次の頂上でレース終了」という声が聞こえる。
??と思ったが、そう聞いたところでもうこの状態で再び競争はできないでしょ、と思い走るのをやめた。

救護されている選手が確認できた。しかし登り坂で?
状況はわからないけど即刻レース中止というからにはただごとではないのだろう。

雑感

『色々な思惑が交錯してレースが展開するのもまた醍醐味』と書いたが、昨年の金子宗平選手とか今年の大前はそんなの関係なく力でねじ伏せる感じがあって、それはそれで面白かった。
そんな大前を見方に付けてステージ優勝を狙える事ができるというのも、すごく面白かった。
フェアじゃない、とか大前がいるからね、という意見が出てもおかしくはないくらい有利な状況だったけど、ロードレースって複雑で色々な要素があるからこそ面白いと思っている。

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レースキャンセルの原因となった事故については色々な問題がありそうで、この場で何か意見書いて議論するのは控えます。

負傷した選手の早急な回復(身体と心と自転車の)と、来年以降もより安全な体制でのレース開催を願う。

あとは主催者発表を待つのみ。

http://kisomura2days.com/

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