【RX 高岡】 2022.05.15 2 days race in 木祖村 Day2 ステージ5位・総合2位
※写真提供の三井さん、高杉さん、いつもどうもありがとうございます。
2日目の作戦
初日のレース結果が2日目のスタート直前まで出ないというハプニングはあったけど、だいたいの状況はわかっていた。総合成績のタイム差は非常に小さく、8・10・12周回目のボーナスタイムが3-2-1秒あるので、3回トップ通過すると-9秒になる。さらにフィニッシュボーナスは2倍だから、逃げが決まらなくても総合は大きく動く。
総合優勝狙うなら逃げて29秒差をひっくり返すしかない。
作戦はいつもそうだが、その時々で最善を尽くすだけ。
逃げて勝つ時もアタックして逃げ切るという作戦だった試しはない。レース中にふとそういうタイミングが訪れた時に反応できる状態であることが重要。
スプリントで良い成績の時もあるけど、それとてゴールスプリントを狙って走ってるわけではなく、勝つ為に逃げを試みたり厳しいレースにしてみたけど結局スプリントになり、結果は意外と良かった、というケースがほとんど。
ボーナスタイムがキーになるのは間違いないので、脚が動くのであれば温存しようとは思わずに取りにいかなくてはいけないんだろうなとは思っていた。
2ndステージ 9km x 14周=126km
オーバー40のリーダーということでピンクのジャージを着て走る。正直あまり嬉しくないけど。
12時スタート。
皆と話したら、初日のステージは強烈な速さで皆本当にきつかったと言っていた。今日も似たような感じになるのだろう。
学生個人ロードに向けて仕上げている大学生が大挙して参加しているのが例年と違う点で速いペースの要因だと思う。
完全にホビーレーサーおやじではなくて学生メインで展開されるレースになっていた。
今日も似たような速いペースで進む。2周目か3周目くらいに5人の逃げが決まった。たぶん前半に設置されているスプリントポイント狙いだろう。マークしている選手は入っていないのでいかせる。
後ろも総合上位陣がたくさんいて、早稲田・明治・京産大・往来とか複数人揃えているチームもたくさんあるのでペース緩まないし、逃げとのタイム差も大きくは広がらない。45秒程度で推移してたぶん1分まで開いていなかったと思う。
たしか7周目の途中で逃げを吸収。次周回ボーナスタイムのジャンを聞きながら8周目に突入。
タイム差は10秒未満にひしめいている中で自分が圏外で誰かが-3秒取ったら一気に表彰台が危なくなるし。タイム差が詰まったら余計に自分が取りにいかなくてはならなくて不利になるので、先手を打って取りに行くことにする。
一発のダッシュではかなり弱いけど、30秒〜1分の全力を何度もかける場合、後半には並べるもしくは優位に立てる脚質だから。
やはり逆転を狙う5秒差の篠崎(昨日優勝)と7秒差のマサル(昨日2位)がボーナスタイムを取りに来た。私も抵抗するが、この2人は強力で歯が立たない。
昨日の表彰台の3人がボーナスポイントを取る。私も-1秒を取れたので傷は最小限。2人が少し先行、私が3番手。少し後ろに京産大が1人。
ボーナスタイムは上位3人なので、狙わない選手はもがかずだから、集団とは大きく離れた。
前の2人が下りで待っていてくれたので、下りで合流して4人になって逃げる。すぐに30秒近くの差になる。残りは6周(50kmほど)。まだまだ長いけど、脚のあるライバルと集団から抜け出して、総合1位と3位の早稲田勢は後続なので、ここは勝負に出るしかない。
4人でローテーションしながら逃げる。タイム差は35秒程度。最大でも45秒程度でなかなか広がらない。こちらも捕まったらおしまいというわけにはいかないけど、ここは逆転を狙う千載一遇のチャンスなので、うまく協調して逃げる。
順調に周回を重ねて、10周完了時に2回目のボーナスタイム。それを狙って獲りに行くところ。
逃げ切りを考えるとなるべく一定で走りたいけど、一緒に逃げている篠崎とマサルとのタイム差も僅少なので、そのまま逃げ切ったにしてもじゅうぶん逆転されてしまうから、攻める。
攻めてみたんだけど、やっぱりパンチ力では圧倒的に負けていて、2回目もマサルが-3秒、篠崎が-2秒、高岡が3番手通過で-1秒。
2回目ボーナスタイム考慮後(10周回完了)
スタート前タイム差/ボーナス1/ボーナス2/高岡のボーナス=総合タイム差
篠崎 +5秒 -2秒 -2秒 +2秒=+3秒
まさる +7秒 -3秒 -3秒 +2秒=+3秒
痺れる展開。
4人で逃げて総合トップのカミタイとの29秒差の逆転を狙いながらも、この逃げメンバーの中でも総合の争いがあって、難しい。1・2回目のボーナスタイムによりタイムギャップは縮小してきた。
3回目のボーナスおよびフィニッシュボーナス(-10/-6/-4秒)で逆転される可能性が濃厚。
2回目のボーナス(10周完了)後もやはり前2人と後ろは少し離れたが、ここは残り距離(36km)考えて再度合流して4人で逃げる。私が遅れても下りで待ってくれているのは、やはりこの後2人で逃げ続けるのは厳しいくらいに消耗はしているんだろう。
4人で逃げながら2周に一度全力で登りダッシュ、をしていると当然ながら消耗は激しい。マジでキツい。前半から速くて、中盤から逃げて、休めることがほとんどないレース。意外なことに11周目で昨日ステージ優勝して今日も2回のポイントで私よりも上位に来ている篠崎がドロップ。
これによりフォーカスは総合でマサルに逆転されないことだけになった。
総合争いを尻目に一発狙っているのかわからないが、ボーナスタイムには一切絡んでこない京産大。けどちゃんとローテ入ってくれてるのでこちらとしては必要な戦力だったので利害は一致。
35〜45秒でほぼ一定。こっちはそれで確実に消耗する傍ら一定ペースで走っている大集団はこのくらいの差なら必ず最終周に猛追してくるだろう。しかも総合1・3位がいる早稲田とか明治大学とか、人数揃えているチームもあるので、正直逃げ切りは難しいと思っていた。思っていながらもここまで来たらやり切るしかないので、運を天に任せて逃げ続けるのみ。
ここんとこレースや練習でもマサルと一緒に走る機会があって、もうスプリントではどうやっても勝てないなと思っていたので、3回目のボーナスはほぼ競わず。
マサル-3秒、高岡-2秒、京産大-1秒。
3回目ボーナスタイム考慮後(12周回完了)
スタート前/ボーナス1/ボーナス2/ボーナス3/高岡のボーナス=総合タイム差
まさる +7秒 -3秒 -3秒 -3秒 (+2秒)=+2秒
篠崎 +5秒 -2秒 -2秒 0 (+4秒)=+3秒
篠崎が脱落したことにより自分が2着通過できてマサルとのタイム差縮小を1秒にとどめた。しかしまだ油断できない。
フィニッシュ着順によるボーナスタイムは-10/-6/-4秒。これが大きい。
マサルの直後にフィニッシュしたとしても、1-2位だと逆転される。2-3位であれば同タイムになるからTT順位で勝てるけど、それ以外の場合、マサルがボーナスタイムを獲得すれば逆転される。
昨日・今日の走りからすると、最後に競ってマサルに勝てるイメージはない。
そうなると、総合2位を守るためにはステージ優勝および上位は他の選手に取ってもらう方が賢明な戦略だ。
ラスト2周に入り、京産大も脱落。マサルと2人になる。ここから最後のペースアップは正直キツいくらいに消耗している。あと上述の理由により2人で逃げ切るインセンティブはないので、なんとなく後続に吸収されるだろうなぁという走りになる。
案の定、13/14周目のトンネルあたりで後続4名に追いつかれた。その情報は見れてなかったのでちょっとビックリ。その4人は、自分がステムに貼った総合成績上位の者が入っていなかったのも意外。追いつかれるのはメイン集団か、そこから抜け出した上位陣かと思っていた。
たぶん、追いつきたい上位陣は力を使い、タイム差が縮小したところで比較的力使っていない選手たちが飛び出した、ということなんだろう。いずれにせよ予想していなかったけど、良い展開ではあるので、新しく人数増えた先行グループで逃げ続ける。
たしか、ラスト1に入る前に1人先行していたと思う。これは放置。ステージ3位までを放棄すればボーナスタイムは得られない。自分がステージ優勝狙って追走したらそれはマサルがボーナスタイムを得る可能性につながり、総合逆転の可能性が高くなる。逆転のためのボーナスタイムを欲しいのはマサルなので、マサルだけをマークしてむしろステージ3位までは他の選手に取ってほしい。
29秒差を逆転しての総合優勝は諦めていた点は消極的と言わざるを得ないけど、この日できるベストエフォートがこの走りだったと思う。実力以上のことはできない。
1名が目に見える範囲で泳がされている状況でラスト1周を進む。5名でローテーション。下り終えて橋渡ってからの緩い登りがキツい。ここさえ乗り切れば、という思いで走るが、毎回このレースを走ると同じ思いをしていたなぁと思い出す。
逃げ切ってくれーと思いながら極力脚を使わずにローテーションしていたからペースは速くない。なので後ろから追い付かれるのも想定の範囲内。
最後一発だけならなんとかなると思っていたので、とにかくマサルとタイム差がつかないようにという一点にフォーカス。もちろん、まだ他にも10秒以内にひしめく選手が数名いるけど、このレースを通じて自分と地脚勝負して数秒引き離す選手はいないだろうと割り切っていた。
フィニッシュに向かい牽制が入ってさらにペースが落ちる中でなんとなく後ろが騒がしく、追い付かれる感じはしていた。
後ろを確認していないけど(それくらいマサルしか見ていなかった)、集団に飲まれたのはたぶんフィニッシュ500m手前の登り口あたりだったと思う。追いついた集団からスプリントが始まる。ステージ優勝は無理でもタイム差なしでフィニッシュすれば総合2位は守れる。
逃げていた身なので早駆けは厳しい。数名が先行する中でも埋もれずに前の方をキープする。残り200前からマサルがスプリントを開始。これには絶対に遅れてはいけない。タイム差は2秒しかないのだから。自分も最後出し切る覚悟で走っているので、中間ボーナスのようにダッシュで離されることはない。
後ろについていけてる。あとは粘り勝負のみ。
マサルが伸びないので最後抜きにかかり、先着。ステージ5位
マサルには先着できたし、総合3位の早稲田の大仲にも負けなかったので総合2位は確保できた。
登りゴールは本当にシンドイ。その時点で残っている力を全て振り絞ってフィニッシュするので、直後の出し切った感がすごい。けどそれはそのまま充実感でもある。
リザルト
2ndステージ 5位
フィニッシュ後。AXの中里仁とRXの高岡。お互いに出し切っていいレースが出来たと思ってる。
総合優勝 神村泰輝(早稲田)
2位 高岡亮寛(RX)
3位 中里仁(AX)
初日タイムトライアルで圧倒的なタイム差をつけた神村が危なげない走りでそのまま総合優勝。2位以降の表彰台争いは非常に混沌としていて、それゆえにキツいレースだったし面白かった。
もっと主催者や観客から情報発信がタイムリーにできれば盛り上がると
思う。
チームとしては、課題が見つかったり収穫があったりだが、なによりも二日間事故・トラブルなく終えられたのが良かった。
5人が3ステージを走るのを2人でサポートしてくれたみずちゃとtomonueには感謝です。
あと毎度レース写真を撮っては提供してくれる皆様に御礼申し上げます。
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