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おきなわのゴールスプリント

亀の子束子さんがスポンサーになっているツール・ド・おきなわのダイジェスト映像が素晴らしい。2時間全部見てしまった。

最後1km前からは撮影バイクは入れず定点カメラに切り替わってしまったのが大変残念。松木さんのレポートで言及されてなかったが、今回のゴールスプリントは私にとってラッキーで、松木さんは決定的にミスをしていた。
是非ラスト2kmからの展開を↑で確認して読んで欲しい。

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©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

イオン坂越えて下っているところ。最後に備えてアキレス腱のストレッチ中。この並びからゴールスプリントまでに順番変わってるんだが、これはラスト3km前に井上君が意図して変えたもの。松木さんの番手を取りたかったのかな?

ラスト1.5kmくらいから牽制モードに入って、道路左端に井上・高岡・松木の順番になっていた(A)。当然徐々に速度は落ちるけど前には出ない。

ここでの3番手の松木さんの決定的なミスは、私の左後ろについていたこと。なぜなら松木さんはここから先に仕掛けられないから。井上君のスリップには入っているけど、このタイミングからの井上君の早駆けに対して私は100%反応するしこの位置関係のままいけば松木さんを前に出さずに自分の距離まで待ってスプリントできる。

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私は図の通り左側だけに集中していれば良くて、実際落ちていく速度の中でトラックのスプリント競技ばりにそうしていた。
ここから松木さんが先に仕掛けるのなら一度減速して右から出ないといけないからそれだけに注意していた。ゴールが近づく中で一度減速してからの踏み直しは無駄になるのでその動きが見えたらそれがヨーイドンになる。私のほうが1.5m以上前にいるし減速なしで踏み始められるので有利だ。

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この並びのままラスト300mまで。

実質『私からは先行しないので貴方が駆け始めたらヨーイドンですよ』と委ねられたもの。

ラスト1km切ってスピードが落ちてくるけど決して(B)のように並ばないようにした。そうなると松木さんが2人の風よけの後ろから減速することなくスプリントできてしまうから。

低速のままゴールが近づいてくると、本来は長距離選手の私としては苦手分野での勝負となるので焦る場面だが、この状況を維持している限り有利に働く。極端な話、ラスト50mまで行っても松木さんは減速してからでないと抜きにこれないし、そうなるとそこから2m弱を挽回するのは難しい。距離感としては前にいる井上君が有利にはなるが、目の前に居るのでほぼ遅延なく反応できるから多分負けないと思っていた。
そんな理由でラスト300m切っても牽制状態というスプリントになった。

ちなみにゴール後方望遠カメラの映像から、井上くんが先に仕掛けたと実況されていたが、あのスプリントは自分の距離感から私が先に仕掛けたというのが正解。井上君のレポートにも書かれている通り。

スプリントに向けた牽制状態になったあの状況下、上図の(C)の位置につくのが松木さんにとっての正解なのは異論の余地なし。
そうすることで松木さんはスリップストリームの効きにくい右側に大きく振って先行出来るので、私としては左前の井上君の先行に注意しつつ右後ろの松木さんの動きにも注意しなければいけない。

もしこの隊列Cで進んでいたら、、、どうなっていたか分からない。
同じタイミングで仕掛けられていれば勝てたかもしれない。その場合でも松木さんはAの場合よりもスリップストリームを使ってスプリント開始出来る。
それよりも、どのくらい脚残しているか分からない瞬発力ある敵に対して私があの距離まで我慢できたか分からない。仮にラスト300mで仕掛けていたら松木さんは冷静に一旦スリップストリームに入ってラスト50mでの抜き返しが出来たかもしれない。

とかとか。

タラレバ言ってもしょうがないけど、本当にラッキーな展開だった。ゴールスプリント前にバイク映像が切れてしまったので分かりにくかったけど、実はライバルの致命的なミスがあっての勝利。

ロードレースは面白い。

(あ、ちなみにゴールスプリント時の出力は一応松木さんより+50Wくらいは出てた)

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©Makoto.AYANO/cyclowired.jp

関係ないけど、羽地頂上手前でのアタック。この写真が一番好き。この時間が一番苦しいけど最高に楽しいのはおそらく3人に共通する感想だと思う。

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