ドラえもんを読んだらタワーマンションが買えた。07
プレミアムとレガシー
前回は「御利益」と「お守り」について書きました。私たちは、この御利益のついているお守りのことを『プレミアム』と呼んでいます。そして、昔プレミアムだったけど、今はその御利益がすっかりなくなってしまったお守りのことを『レガシー』と呼びます。
ソニーとアップルの違い
ソニーは昔、プレミアムでしたが、今はただのレガシーです。ソニーがプレミアムだった頃、Vaioやウォークマン、プレステにはイバリがありましたが、メモリースティックやATRACなどの独自規格で富の独占を図り、2010年ぐらいからは、その牙城をアップルにさらわれたのです。アップルもProResやサンダーボルトなどの独自路線を進んでいますが、アップルは『プレミアム』でソニーは『レガシー』です。
<2024年加筆>
最近ソニーも、スマホカメラの高性能イメージセンサー、カメラや音声認識に使うAI技術、そして次世代VR技術であるPlayStation VR2の開発などでプレミアム化が注目されてきました。特にソニーのミラーレスカメラにある瞳AFという機能は、人の目を自動で見つけて、すぐにピントを合わせてくれます。これのおかげで、誰でも簡単にきれいな写真が撮れるので、とてもプレミアムです。
日本もこの原稿が書かれて10年して徐々にプレミアムの大事さに気が付いてきた感じがします。
なぜアップルはプレミアムか?
アップルはドラえもんの道具を持った「のび太」で、その多くの「ひみつ道具」は買収で得たものです。ソニーはできすぎ君で、その技術の多くは自己開発です。つまりソニーは、『お守り』自体の価値を高くすることばかりにとらわれ、御利益がすっかり失われていることに気づかなかったのです。
ソニー信者の中には、まだ御利益が切れていることに気づいていない人が多いのです。同義語に「ニコ爺」があります。
アップルの戦略
マックはそこそこ「お守り」を立派に作り、御利益を加えることに余念がありません。お守り自体よりも「御利益」の方が大事なことを知っているからです。
ドラえもん vs. アトム
これはドラえもんで容易に説明ができます。ドラえもんとアトムを比べてみましょう。ドラえもんはドラえもん自体が高性能なわけではなく、未来ではどちらかというと中の下です。
「アトム」や「マジンガー」はそれ自体が非常に高性能で、他のものと比べられません。20世紀はアトムやマジンガーを作ることがあこがれであり、目標でした。
でも、「アトム」や「マジンガー」は技術革新が進み、どんどん作れるようになってくると、「マジンガー」が「グレート・マジンガー」になっても、一般の人にとってはあまり変わりがありません。
ドラえもんの凄さ
ドラえもんの凄いところは、ドラえもん自身の高性能さを売りにしているのではなく、四次元ポケットから出てくる『ひみつ道具』が持つ御利益を売りにしているのです。
友達がマジンガーを持っていたら、それはそれで凄いですが、自分が乗れるわけでもなく、それがジェット機やフェラーリでもたいして変わりません。
でも、友達がドラえもんの「ひみつ道具」を持っていたらどうですか?絶対に借りるのに頭を下げますよね?
地球を守る無敵のマジンガーより、ドラえもんの「ひみつ道具」の方が「御利益」が大きいのがわかるでしょう?
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