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やっぱり国内生産はいい!という話

間が空いてしまいました。
「ぶいすいーと」の開発裏話として、今日は共同開発元に出会うまでの話を披露させてください。

LINEでの雑談からのスタート

当社が新製品を開発するきっかけは様々。
視度補正レンズである「乱視対応オーダーメイド視力補正」シリーズは、Quest2を買ったものの一時間と耐えられずに1年塩漬けにしたという苦い体験が開発のスタート地点。

「ランニングワイヤーVR」も、自身が感じた不便さを出発点として、ああでもないこうでもないと工夫した末の産物です。
天井に釣竿風カーボンロッドを渡すという試案を手に、パイプメーカーに連絡しまくり・・・価格の高さに断念した・・・というのも懐かしい思い出です。

「ぶいすいーと」はその点、ちょっと異質と言えるかもしれません。
LINEでの雑談で「VR睡眠まくら」が話題にでたのがきっかけでした。

高いハードル

ご本人の許可を得て転載します


話が出た時、正直、「ハードルが高い・・・」と思いました。

1.ものが大きい
大きなアイテムはそれだけで高コストになります。製造元からの輸送コスト、在庫の保管コスト、お客様にお届けするまでの輸送コストが原価に乗ってきてしまいます。

2.当社には衣料品を扱った経験がない
当社はTシャツの印刷など、間接的に衣料を触ったことはあっても、衣料品製造そのものに関わったことがありません。
ツテもないし、ゼロからの出発になってしまいます。
そして、海外外注先のコントロールの難しさなど、課題山積です。

無謀。薄い勝算。
普段なら、試算するまでもなく絶対に手を出さないのですが・・・・・・。
なんというか、好奇心が勝ってしまいました。
今から振り返って考えても謎ですけれど、多分、直感的に「これを機に、メタバースの深層に触れられる」と感じたのではないかと思います。

海外製のマクラに絶望

まずは、下調べからのスタートです。
普通に寝てみて、何がマズいかを体験。これはすぐ分かりました。
なるほど、これはあり得ない。
有名漫画の主人公並みに入眠自在な私も、この環境では無理です。

続いて、家に転がっていたドーナツクッションを試します。
なんとなく、合ってる気がしました。
これのサイズを変更すればなんとかなるかもしれない。
以下のようなやつね!

もう一つ、
そもそも「マクラ」ってどんなものか理解しないといけません。
一般的なマクラの品質レベルと梱包状態を確認する市場調査です。

そこでAmazonで安いマクラを買ってみたのですが。
絶句・・・・。
(写真を撮っておけば良かったのですが、なかった)
幅55cm、奥行き35cmもある大ぶりなマクラが、10cm x 10cm  x 40cm の筒に押し込められて届いたのです。

確かにマクラってほとんど空気ですからね。
圧縮すれば小さくなる。
四角い箱に詰めれば積める。輸送もしやすい。
国際輸送でもコストが最小になる。だから安く売れる。
とはいえ・・・
このガッカリ感はなんだろう・・・・。
楽しみにしていたわけでもないのに、このガッカリ!

これはいけない。
お客様にこういうガッカリ感をお届けしてしまったら、この世界での当社は終わりだ。
大げさですけど、そんな気持ちになりました。
この時点で、国外製造の目は完全に消えました。

「モノが大きい」問題を緩和するには国内製造しかなく
「衣料を扱ったことがない」問題も親身になってくれる国内事業者に頼るべきだ、ということがはっきりした瞬間でした。

あの手この手を試した後で得たモノ

その後の苦労話は割愛します(書いたけどバッサリ消しました!読んでも面白くないので!!)
いろんなところに声をかけ、挙げ句は「得意を売るならなんとやら」にまで手を出し、全部断られました。しかも、全部ほぼ「秒」で(笑)。

断られて良かった

最初の段階で、軽く引き受けてくださるところがあったら、「ぶいすいーと」はもう少し、いや、大きく違うものになっていたと思います。

断られる過程で、「依頼にはどんな情報が必要か」「何が障害になるか」「業界の慣習はどんなものか」という知識を蓄積していったのですが、ここをスキップしてしまっていたら、重要なピースが欠けたまま走り出すことになり、後で大事故につながったことでしょう。

もう一つ、重要なことがあります。
その期間に、V睡についてたくさん学べたことです。
VRChat内のV睡ルームを見て回り、その設備の傾向を見てみました。
ミラーの位置、音楽の傾向、ライティング、スカイボックス・・・・。

感情移入し、お役に立ちたいと思う気持ちを醸成していく時間を得られたことは、開発において「妥協しない」姿勢につながりました。
(もちろん、何度もやり直しをさせられた協力会社さまには、面倒な相手だったと思いますけれど・・・・)

その意味で、たくさん断られて良かった・・・。と思うんです。
多分、負け惜しみじゃない!です!

V睡を快適に楽しめる日はもうすぐ!

クラウドファンディングまだまだ続きます

さて、クラウドファンディングも折り返し地点を過ぎました。
おかげさまで多くのご支援をいただいておりますが、せっかくなので、もう少し頑張ります。

来週は新たなV睡商品を発表予定です。
これまた万人向けじゃない、とんでもないアイテムですが!
乞うご期待!! です。

そして、思いつきアイデアがあったら、是非、お声がけください。
何気ない一言から、こんなふうに実現につながっていくこともあります。
VRを素敵にするアイデア、一緒に育ててみませんか?


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