30年ぶりに釣りをしてみようと思う (9)

2020/06/26 0AM〜6AM 上げ9分〜満潮〜下げ8分
こないだ買った2オンスシンカー、ガンガンに流れてる時間帯だと2オンスあっても流されてしまうことがわかったので、潮止まり周辺を狙うべく、日付が変わるくらいに出発。ピア35。きのう(日付的にはおとつい)釣れたことによって、いま仕掛けを放り込んでる目の前の水のなかに魚はいるんだって確信が持てるようになって、だいぶ心許なさが減ってきた。

最初の1時間にアタリが2度あって、ただアワセが早すぎたのだろう、どっちも乗らず。その後は根がかりフェスティバルで、買ってきたオモリ全部ロストしたし、最終的にバックヘッドジグもロスト。漠然と見えていた海のなかにも、けっこうそこここに根が沈んでいるのだ。周りの人たちがぶっ込んだあとリトリーブしないのは、たぶん根がかりを嫌ってのことなように思う。そしてリトリーブしないとなると、暇! ぶっちゃけ、つまんない。

こんな放り込んでおくだけの待ちの釣りをするんだったら、もうエサ釣りでいいじゃんという気持ちになってくる。エサのほうが釣れるってみんな言うし。あー椅子持ってくればよかった。周りの人で複数竿が多いのは、このへんの事情もあるんだと思う。シャッド狙いのサビキかストライパー狙いのジグヘッドを手に持ちつつ、ストライパー狙いの置き竿を1本か2本、3本の猛者も。これならブッコミで大物を狙いつつ、手持ち無沙汰にもならない。

2週間費やしてわかったことは、ローカルのみなさんの行動はどれも理に適っていて最適化されている、ということだ。場所選び、時間選び、道具選び、いずれにもそれなりの理由があって、いまの形になっている。ただそれだと、あんま面白くない。ゲーム性がよ〜、低いんだよ〜。もっとこうビャッと投げてグリグリって巻いてブルブルって食ってくる! そういうのやってみたいんだよ〜オリはよ〜。

ふたたび釣れないタイムを過ごしつつ、そんな逡巡をめぐらせていたのだが、夜が白み始めた頃にようやくアタリがあって、でも明らかにストライパーともシャッドとも違う、鈍い引きだ。上げてみると、Oyster toadfishという、アンコウとかイザリウオの仲間のロックフィッシュだった。見かけは日本でナベコワシと呼ばれるカジカのたぐいにとても似ている。

さー撤収撤収、って頃に、みたことない巨漢の白人のアングラーがのしのし歩いてきて、周りの釣り人にストライパー釣れてるかーって声かけて、1投2投して、すぐ歩き去ろうとしている。自分にも「釣れたか?」って聞いてきたので「釣れてない。そっちはどう?」って聞き返すと、「まだ。ベイトを探してる」との答え。仕掛け見せて、って言うと、見せてくれたのはかなりでかいジグヘッド、そして5インチくらいあるパープルのシャッドテール。シャッドテールはグラブに比べると、引いて泳がすためのルアーだ。放置しておくならもっとヒラヒラしたものを使う。

「ストライパー釣りたいのか? 釣りたければベイトを探すんだ」。そう言っておっさんはスタスタ歩いて行ってしまった。ということはベイトを見つけたらビューンって投げて、グリグリ引いてるってことか。なんかすこしヒントが掴めた気がした。とにかくブッコミは飽きた。ハードルアーじゃなくていいから、とにかくアクションを付けて食わせる、能動的な釣りがしたい。


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