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10周年

9/25にSARU白金は10周年を無事に迎えました。
支えて下さっているお客様をはじめ、各関係業者様、生産者の皆様、いつもありがとうございます。
また今までSARU、そして株式会社Rootの歴代のスタッフたち。
皆さん一人一人の努力、尽力、実力がなければ今のRootの形を作って来ることが出来なかった。改めて感謝申し上げたい。

白金店に飾ってある開業メンバー4人の木版画のアート(土屋幸生氏作)

10年前には想像出来なかった「現在」の事。その一番は「Root」という会社の現在のチームの姿。
開業はたった4人で始めた。その後多くの仲間に出会って巣立ちや別れもあった。
開業後暫くは、メンバー達もその後入ってきたメンバーも勝手知ったる仲で、あまりチーム作りには苦労しなかった。
その後3号店くらいから、採用サイトからの採用が増え、文化の違ういろいろな方が入って来た。
また会社の中でも成長していきたい人、現状維持で十分の人と考えが分かれ出し始めて来た。なかなか組織として考え方が統一できなかったり、色々裏で言う人が出てしまったり。
開業5年くらいから暫くがうちの会社にとっても難しい時期だった。
また採用において、個人店ほど個店の魅力がなく、大企業程待遇で優遇出せない中途半端な立ち位置になってしまい、苦労する様になって来た。

その中で始めたことが専門学校からの新卒採用。
これには、経験者を採用戦力化が今までの常識として考えてきた多くの社員がなんで新卒??という反応だったが、これから更に中途採用に苦労することは目に見えていたし、私にとりそこに挑戦できなければ会社としての成長はないと考えていた。
また当時、外部採用で圧倒的に戦力として意識も高く活躍してくれたのは、第二新卒の方達だった。彼らは元々有名オーナーシェフのお店で働いていたりしたが、昔から脈々と続く飲食業の負の部分。それが原因となって挫折してうちの門を叩いて来た。
人権を無視してると言わざるを得ない行為を耳にする度に、悲しくもあり、頭に来るもあり。
そういうお店があるからこの業界に憧れて入った人に取って、センスや技術以外の不必要な処方術を身につけなければ生き残れない。
それが無理なら辞めて行くという事が私に取り問題意識の始まりであり、うちの会社は変えていきたいと思った。

新卒採用は当初は上手く行かなかった。
最初2年は1名のみの採用。同期がおらず皆年上のお兄さんお姉さん。優しく教えて接してくれたが、夏休みに帰省して別業界の同級生の話を聞いてそちらに行ってしまったり、体力的に限界が来てしまったり。
3年目からは同期採用の人数を増やしたけど半分離脱。
その後入社条件にインターン勤務で相思相愛を確認したり、入社当初はエンジン全開にならないようにソフトに始め徐々に勤務時間を伸ばす工夫など取り入れ定着率が上がってきた。
また1年ごとに新卒入社の社員達が戦力となり活躍するようになって来た。
また先輩が後輩を教えてあげたりする姿も目につく様になって来た。

確実に入社した社員達が戦力となり、彼らの未来の絵を描くことが私の仕事の大きな一つになって来た。

先日若手社員と行った社員研修で

若い社員が増えたこと、これからも増えて行くだろう事で会社も今後の10年を視野に入れている。

Rootは社員ありきの会社であり、拡大第一の会社ではない。全店舗、個店であり、ましてやビジネスモデルなんてあるはずが無い。究極に人頼りの経営スタイルだ。
これからのうちの会社の成長は、あくまで社員一人ひとりが興味を持ち成長できる、力を発揮できる、そして地域に”あってよかった”個店であり、それを形作るのがプロとしての私たちの仕事。
実績を積んだベテランは、リスクを伴わない独立採算に近い形を作っていき、一つの今後のモデルを若いスタッフに示していく。
若い社員は技術を身につけ経験を積み、「オリジナルな」職人として成長していく。
そういった一人一人の未来を考えること、形にすることが我が社の経営スタイルでありオリジナリティである。

10周年を迎え今後10年、クリエイティビティに溢れたオリジナルを追求し、魅力的なお店、サービスを世に出していけるような会社にしたいと思っている。

2022年9月26日 猿田伸幸

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