Rootが運営する店舗〜Lodge Bistro SARU〜

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Fresh Seafood Bistro SARUが何とか軌道に乗った2014年の半ばくらいから、おかげさまで勤務希望者が増えたこともあり、海の次は山!ということで、次のお店の出店構想を練り始めました。

メインで使う食材、特に今回のお店のメイン料理はグリルステーキと考えており、特にお肉を探し求め、日本各地を見て周りました。

その中で、私の故郷である安曇野で放牧養豚をされている藤原さんの事をテレビの「キッチンが走る」を見て知り早速コンタクトを取ると、「おいでおいで〜〜!!」と藤原さんの明るい声。凄い山の中で当時はなかなか携帯の電波が届かない為、里で待ち合わせて養豚場まで連れて行って頂いたことを思い出します。

目の前に広がるのは2つの豚舎とその先の山を切り拓いた放牧場。豚達は自由に飛び回り、豚が走るのを初めて見ました!しかも早い!!

餌は飼料以外にも地元の農家さんが育てたリンゴや野菜の出荷できないものとかを美味しそうにムシャムシャ食べています。本当に元気な豚!

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通常養豚は100kg程になると出荷のタイミングで、通常3ヶ月サイクルでまわすのですが、藤原さんの豚さんは運動量が多いため、肉付きがゆっくりで半年かかるとのこと。その分気持ちも込めて育ててらっしゃいます。

お肉の味を見させて頂くと、肉の食感と旨味の深さ。ここ最近の銘柄豚は、確かに美味しいけど、どこか身が柔らかすぎる。けどこの豚は放牧で鍛えている為、身が締まり、なんと脂身もさらりと溶ける、、、これには驚きました。まさに探し求めた理想の豚の味!!

藤原さんにお願いし、お取引を始めさせて頂くことができました。

SARUといえば豚が最高だよね!!というお声も多々頂いており、私の家族は勿論友人ご家族も安曇野放牧豚の大ファンです。

藤原さんにはその後も、様々なイベントをご一緒したり、社員の研修でお世話になったり、地元の生産者様をご紹介いただいたり。私個人も大変お世話になっており、まさにRootのお母さんの様に、本当に良くして頂き感謝しています。これからもっと、地元とコラボした取り組みができたらと思っています。

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また、蝦夷鹿もこのお店を語る上では外せません。北海道の北端、稚内の少し南に位置する豊富町のまだ立ち上げて間も無いサロベツベニソンさんをお客様よりご紹介頂きご縁が出来ました。

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北海道各地の問題として増えすぎてしまった鹿の問題がありました。農作物を食べてしまったり車との衝突事故が起きたり、、、豊富町では当時の町長さんの肝煎で、地元の建設会社を経営されていた西森さんが、害獣である蝦夷鹿を食用として出荷して、害ではなく価値に変えて行こう!とサロベツベニソンを立ち上げたそうです。

お話を伺うと創業当初は大赤字、相当な苦労をされた様です。ですが、徹底的に品質に拘る。

鹿は脳天を一発で打ち抜き即血抜き。失敗したら食用では使わない。血抜き後1時間以内に処理場にもって来れない鹿は引き受けない。鮮度が落ち、臭くみが出るから。北海道の広い大地でそれを徹底することが如何に大変か。猟師さんとの妥協なき試行錯誤、そこから構築される信頼、その繰り返し。また処理場に来てから菌を増やさないための処置の仕方。そこを徹底的にやってきたから、全く臭みのない、赤みで肉の旨さを存分に楽しめるのです。また北海道の中でも道北、厳しい冬の寒さで鹿にとり餌が少ない環境は、鹿の余分な脂肪をつけずに筋肉質になるそうです。

私たちは日本一の蝦夷鹿を使わせて頂いていると自負しています。

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それ以外にも、長野県中野市竹内きのこ園さんより送って頂いている、鮑のような食感の幻のキノコ”バイリング”や、

千葉県大多喜町末吉さんの香りの旨味が堪らない原木椎茸を代表に、

キノコ類、山菜、四季折々のお野菜など、Lodge Bistro SARUを経ることで寄り広く、個性的な生産者様、食材と出会うことが出来ました。

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開業からシェフとして活躍してきた村山裕亮は、Fresh Seafood Bistro SARUオープン後に入社した、元々生産者さんとの関係を大事にする探究心の深い料理人で、この難しいコンセプトに取り組んできました。

オープンから試行錯誤は繰り返しましたが、スタッフ皆の努力、生産者様との連携により、地域の中でも弊社の店舗が目指す所でもある、「自分達が自分の親を安心して連れてこれるカジュアルだけど上質なお店」の地位を作ってこれたかなと思っています。

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その後、コロナの騒動が始まる中、代替わりのタイミングで改装工事を行い、オープンキッチン、個室、テラスといった空間の魅力が増した、新生Lodge Bistro SARUとしてのスタートを昨年2021年8月より切り、

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村山シェフは弊社の中の新しい取り組みである、限りなく独立型に近い店舗、2022年3月尾山台に開店したNatsural Kicthen COZARUの店主として、実績を残した職人の代表例として現在活躍しています。この件はまた詳しく書こうと思います。


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