タンキング批判は時期尚早だし短絡的なんじゃないだろうか(ラフスケッチ)

ちょっと思うところがあったので、久しぶりのnoteをパッと書きます。
ラフスケッチと書いてる通り、下書きのまま公開します。

そもそもタンキングってなに?

チームの再建時期に戦力の補強をせずに、弱い戦力のままお金を使うことなくシーズンを過ごし、多く負けることでドラフトの上位指名権の獲得や契約金のスロット額を大量に確保することで、有望なアマチュアを多く獲得しチームの再建につなげるという手法。
元々はNBAから流行った手法。

最近のメジャーリーグのタンキング批判ってなに?

ヒューストン・アストロズやシカゴ・カブスがタンキングでドラフトの上位指名権を取得し、将来のスター選手を獲得したことでワールドチャンピオンになることができた。(アストロズは2012年の全体1位でカルロス・コレア遊撃手を、カブスは2013年の全体2位で2016年のMVPクリス・ブライアントを獲得。)
他のチームもこのアストロズやカブスと同様に再建期に入ったら選手を補強せずにタンキングして勝つことに消極的になっている。
最近はそういうタンキングをしているチームが多くなって、観客動員が減る原因になっている。また、タンキングのせいで契約できないベテランが増えている。

タンキング批判が的を射ていない理由(ラフスケッチで)

タンキング批判が的を射ていない理由を箇条書き
・NBAのタンキングと違って効果が薄すぎるため、観客が減ることとのトレードオフになっていない。(NBAの場合は、スタメン5人でロースターが13人、またドラフト上位の選手は即NBAで起用されるので1人のプレーヤーによるチームの影響が大きくタンキングの効果がかなり高い。昔だとシャキール・オニール、ティム・ダンカン、アレン・アイバーソン、最近だとアンソニー・デービスなどが全体1位。)
・最近になって"タンキング"という言葉で批判されだしたが、昔から再建時期のチームが成績が伸びずに上位の指名権を獲得し続けていたのは変わっていないこと。(ワールドチャンピオンになっていないので、あまりタンキングの話題に出てこないがワシントン・ナショナルズだって、ステファン・ストラスバーグ, ブライス・ハーパー, アンソニー・レンドンを3年間で獲得しているし、レイズもエヴァン・ロンゴリアやデビッド・プライスを上位指名で獲得して成功している。)
・カブスやアストロズにならって、多くのチームがタンキングを始めたわけでない。2014年-2015年辺りに戦力が均衡しすぎて特にアメリカン・リーグの多くのチームが優勝を狙う状況になったため、その反動でその時期の戦力を維持する費用のなくなったチームが現在再建時期に入って多くなっただけの話。そもそもタンキングするチームが多くなったら戦略としての効果が薄くなるのでタンキングをやる意味がない。
・ベテラン選手が契約できなくなってきたのは選手のピーク時期などの研究が進んだためでタンキングとベテラン選手が契約を得られないことには因果関係はない。再建時期のチームが主力選手などとのトレードで獲得した有望な若手を率先して起用するのは昔から変わらない。
・タンキングという言葉の通り、お金や選手を溜め込んで勝負時期に一気に使うという戦略であるがそもそも再建時期は多くのチームが観客動員を大きく減らすので再建中に将来選手の予算につぎ込めるだけの利益を溜め込めるのかがそもそも疑わしい。特に小中規模のチーム。最近の再建チームで言えば、カブスやフィリーズはマーケット規模からしてお金をタンクすることができたであろうが、彼らは再建中でもジョン・レスターやジェイク・アリエッタ、カルロス・サンタナといった大物選手を獲得している。

まとめ(ラフスケッチ)

ということで、現状のMLBの状況はカブスやアストロズのマネではなく、2014年-2015年頃に勝負をかけたチームが多すぎたためによる反動が出ているというのが個人的な推測。
小中規模のチームの多くは、チームが弱いままで観客動員が少ないという状況を何年も続けることもできないはずなので再建のペースはどこも最短を目指すだろうし、それに伴ってまた観客動員も増えると予想。
なので、今はタンキングがどうとか言わずにそれぞれのチームの再建を静観するのがベストだと考える。

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