【PHI】 Matt Vierlingの生存戦略が今年のフィリーズを助けそうな話
どうも、フィリーズ担当のペンでございます。
私のnoteも諸事情合ってロックアウトしておりました。
というわけで(どういうわけかわかりませんが)、
今回はロックアウトを解除して一足早く簡単なリハビリ記事を書いてみます。
それでは、noteスタートです。
題材とその過程までの考察
今回は、Phillies Nationに掲載されたMatt Vierlingの記事が面白かったのでそこから話を展開させて行きたいと思います。
簡単に書くと「Vierlingは2020年の段階から内野の練習を初めていて、去年は自分から内野も守りたいって直訴したよ。そして、その行為が今年のフィリーズで生きるかもしれないよ」という話ですね。
去年のVierlingはMLBで1Bを6試合、AAAで1Bを6試合、3Bを11試合守っています。ちなみにそれまでのキャリアでは外野しか守っていません。
サンプルが少なすぎるので断定などはできませんが、fangraphsのAdvanced Fieldingを見る限りまだ内野守備は試行錯誤中という感じがします。
というわけで、なぜ外野手だったVierlingが内野を含むユーリティリティになろうとしていたのか記事には触れらていないので考察してみたいと思います。
Matt Vierlingの経歴とユーティリティ化への過程
では、Vierlingの経歴を追いながらなぜ彼がユーティリティプレーヤーを目指そうとしたのか考察してみましょう。
Vierlingはノートルダム大学出身の右投げ右打ちの外野手で2018年のドラフト5巡目でフィリーズに指名されています。ちなみにその時のフィリーズの1巡目指名はAlec Bohmです。
2018年はA-, Aで合計62試合に出場し打率.321、7HR、OPS.860と上々の滑り出しを見せています。この年のオフはプロスペクトランクでもチーム30位以内には入っていた印象ですね。
キーポイントとなったのは2019年です。この年はA+で118試合に出場 打率.232、5HR、OPS.626の大不振で一気に評価を落とします。もちろんプロスペクトランクからも軒並み圏外の扱いとなります。
おそらくこの年の不振がVierlingが内野守備の練習を初めたキッカケになったと思います。
打撃だけではメジャーリーガーになるのが厳しいと感じたVierlingがユーティリティになることで少しでも昇格するチャンスを増やそうとした。
こういう形なんだろうなと想像します。
しかし、2021年になるとVierlingは打撃でも成長(復調?)を見せます。STの段階で1番印象的だったプロスペクトについて聞かれたBryce Harperが「Vierlingのパワーが大好きだ」と答えていましたが、マイナーが開幕を迎えるとVierlingはHarperのこの発言が間違いでなかったことを証明します。
AAで24試合に出場し打率.345、6HR、OPS 1.033の好成績を残すと6月にはAAAに昇格、そして故障者の関係で一気にメジャーにまで昇格します。
7月にAAAに戻ると一旦打撃は不調に陥りますが、8月には復調し再度メジャー昇格のチャンスを掴みます。再昇格後は打撃好調で、少ない打席数ながら打率.324、2HR、OPS.843と好成績を収めます。サンプルは少ないですが、ハードヒット%やスプリントスピードも良好な数字を記録しています。
2021年のフィリーズの課題とVierlingのユーティリティ化が2022年のフィリーズにもたらす意義
というわけでここまではVierlingのこれまでとユーティリティを目指した理由について推察してみました。
ここからは、Vierlingがユーティリティ化することで去年のフィリーズの課題がある程度解決するかもしれないことについて書いていきます。
1.内野守備崩壊の解消
これはVierlingだけがもたらせる効用ではないんですが、まずはフィリーズの内野守備の改善が考えられます。
とりあえず、去年のフィリーズの内野レギュラー陣の守備指標を確認してみましょう。
1B Rhys Hoskins 854.2IP DRS -7 UZR +2.5 OAA -2
2B Jean Segura 1080.1IP DRS +5 UZR -1.4 OAA +9
3B Alec Bohm 833.2IP DRS -13 UZR -1.0 OAA -2
SS Didi Gregorius 848.1IP DRS -10 UZR -2.6 OAA -17
Segura以外ボロボロですね。特に三遊間。DidiのOAA -17って一体何これ?ってなってしまいます。
というわけで、これがユニバーサルDHと新戦力とVierlingの内野ユーティリティ化で一気に解決していく可能性があります。
まずはDidiがBryson Stottに代わる確率はかなり高いでしょう。Stott自身もどこまで守れるかは分かりませんが去年のDidiを下回ることはないでしょう。
そこに加えて、ロックアウト前に獲得したJohan Camargoは3Bなら平均以上の守備力があります。
さらにVierlingが1Bと3Bで平均並の守備力を見せることができるならレギュラー陣のかなりの守備イニング数をより守備が良い選手で代替えできる可能性が生まれます。
フィリーズはこんなに守備崩壊を起こしていたチームにもかかわらず、Zack Wheeler、Ranger Suarez、Kyle Gibsonを筆頭にグラウンドボーラーが多いチームだけに内野守備が平均レベルになるだけでもかなりの効果が期待できます。
2.控え陣の長打力強化
去年のフィリーズにはFAとなったBrad Miller以外に控えに長打を補える選手がいませんでした。それは現時点で控えがLuke Williams、Nick Maton、Adam Haseleyになりそうな今年も変わりません。
VierlingもBohmと同じで打球が上がらないという改善しないといけない点はありますがハードヒット%は優秀で長打力が増える可能性は上記の3人よりかなり高いです。そんなVierlingがユーティリティ・レギュラーとして試合出場数を増やせれば去年抱えていたこちらの問題もかなり解決する可能性が高いです。(Camargoも獲得していますしね。)
まとめ
というわけで、2019年のVierlingの不振が彼に内外野守れるユーティリティになろうとするキッカケを与え、そのユーティリティ化により2022年のフィリーズが大いに助けられそうだという話をまとめてみました。
個人的にも今のVierlingはお気に入りになって来たのでレギュラーを奪うくらいの活躍を期待したいですね。
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