![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/112856068/rectangle_large_type_2_7a45b74560a44ad1f522aa2e946d746d.jpeg?width=800)
【日記】カレーめがけて突っ走る/2023.08.08
時刻は昼の12時3分。速やかにノートパソコンを閉じて、階段を駆け降りる。今日は絶対に、いつもの店の限定5食のカレーを食べると朝から決めていた。そのために朝食も少なめに抑えてきた。おかげで空腹感はMAXだ。
気温は35度、快晴。勢いよく日傘をさして、走る。日傘があれば日影を辿っていかなくてもある程度涼しさを得ることができるけど、走りながら傘をさすと影がぶれてしまうのでほとんど効果はなかった。
店に着いた。いつもより混んでいるうえ、わたしよりも前に2人並んでいた。マジか。弱冷房の店内で立ち尽くす。カレーは諦めた方がいいかもしれない。
先輩とこの店のカレーの話をしたら、「限定5食だし、店に入った瞬間に『カレー』って言えばすぐ注文できるんじゃない?」という謎の提案をされたことがある。そんなふてぶてしさはないので、小さく伸びをしながら大人しく待っていた。
カウンター席に案内されて、もう何度も見てきた馴染みのメニュー表をじっくり眺める。この店のカレーにはこれまで何度も振られてきた。バターチキンカレーがメニュー表にあることを目で確かめながら、今日こそはわたしの目の前に現れてくれと祈った。
店員さんが水を持ってきてくださった。今だ。「カレーってまだありますか?」店員さんの申し訳なさそうな表情を思い描きながら尋ねる。目の前の店員さんの表情は……変わらない。え、これはもしかして、「カレーありますよ」や、やった……!!!!!!もう、本当に嬉しくて「わ」って声が出た。迷わずカレーを注文する。嬉しい。実は今、カレーが出てくるのを待っている間にこの文章を打ち込んでいる。この、はやる気持ちが伝わっているだろうか。
満を持してカレーが登場した。トマトの果肉とチキンがごろっと入っていて夏らしい佇まいだ。藍色の大皿にオレンジ色のバターチキンカレーがよく映えていて美しい。めっちゃおいしそう。こんなに楽しみにしていたんだからがっつくのもなあと思って、まずはサラダを半分くらい食べた。和風のオニオンドレッシングがさっぱりしていておいしい。
いよいよカレーに手をつける。ご飯とチキンとカレーのバランスをみながら、スプーンの上に最高の一口を作る。カレーをすくうと、とろみがなくて思った以上にさらっとしていた。一口食べる。
おいしい……!辛みはほとんどなくてまろやか。でもサラサラとしていて、飲みもののようにいけてしまう。トマトの酸味も効いている。ごろっと入ったチキンもやわらかい。カレーのどこをすくってもチキンの欠片が浮かんでいて嬉しくなる。幸せを噛み締めながら、一口、また一口と夢中で食べ進めた。
席が空くのを待っているお客さんもいたので、少しお腹を休めてからすぐに店を出た。いつもなら「ごちそうさまでした」と一言かけて店を出るけど、今日は初めて「おいしかったです」と伝えることができた。この店は何を食べてもおいしいけど、初めてカレーを食べることができた喜びも含めて伝えたくなったので、言えてよかった。
職場に戻っている間に、胸の下あたりが徐々に張ってきて苦しかった。カレーってさらさらいけてしまうから勢いよく食べてしまうんだけど、後からめちゃくちゃお腹が膨れるんだよな。食後のこの感じも含めて、カレーを堪能したといえる気がする。
ちょっとした贅沢として、いつもより少しお金を出して食べるランチって最高だ。穏やかすぎる日々にエンタメをくれてありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?