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【日記】体温くらいの空気に抱かれたい/2023.10.10

今日はさすがに残業しないといけないかなあと思っていたけど、めちゃくちゃ集中できたみたいで定時きっかりに退勤できた。すごい。

会社を出るともうすっかり暗くて、ブラウス一枚だと少し肌寒かった。でも羽織りを持ってきていなかったから、ほんのり冷たい風を体に受けて駐車場までの道を歩いた。

10月から11月にかけての肌寒さには、寂しさを助長する力があると思う。辺りを歩いているだけで少し感傷的な気持ちになる。唇の乾燥も気になってくるし、街灯だけを頼りに歩いていると心細くもなってくる。

中学生の頃、部活終わりに友達とふたりで下校して、お互いの帰路の分かれ道にある街灯の下で19時まで喋ってから帰る習慣があった。
ちょうど今くらいの時期に街灯の下で話している時に、ふと「(わたし)ちゃんってたまにそういう顔するよね」と言われたことを思い出した。秋の空の遠くの方を眺めながら黄昏れていたらしい。そう言われたことが本当に恥ずかしかったから今でもよく覚えてるし、自分のそういう一面が引き出されてしまうのも秋の肌寒さのせいだと思っている。

目に入るものとか触れるもの一つ一つに心が動いてしまうから、創作するにはうってつけの時期かもしれない。でも、どこからともなく湧いてくる寂しさとか人恋しさをどう対処すればいいのかわからないから困る。もう毎年のように困っている。
家族といる時に寂しさを感じることはないんだけど、布団に入ってから寝るまでの間に少しずつ寂しさがこみあげてくることがある。自分と同じくらいの大きさの抱き枕がほしいと何度思ったかわからない。

でもなんか、今の時期にしか感じられない寂しさとか人恋しさを楽しんでみたくなって、夜の公園に散歩しに行った。自分の感情に重なりそうな風景を探したり、冷たい空気に触れた時の体の感覚と向き合ったりしながら歩くのは楽しい。最近は叶姉妹のポッドキャストを聴きながら歩くことが多かったんだけど、今日はVaundyの「トドメの一撃」とaikoの「September」を延々とリピートして感傷的な気持ちに自分から浸りに行った。

Vaundyのトドメの一撃、昨日初めて聴いたんだけど本当に良い。哀愁漂うイントロが秋特有の寂しさに寄り添ってくれる。MVの長澤まさみがうっとりするくらい美しくてずっと見てられる。


ぼんやりいろんなことを思いながら夜の冷たい空気を体で受け止めていると、抱きしめられたさがどうしようもなく湧いてくる。散歩を趣味にしてから2年くらい経つけど、この時期に一人で外を歩いているとほぼ毎回この感情になる。我ながら本当に気持ち悪いなと思う。

人じゃなくても、体温くらいのあったかい空気がわたしの体を抱きしめるように包み込んでくれればそれでいい。これまでも、空気に抱かれているのをイメージしながら歩くことで寒さと寂しさを紛らわせてきた。

もうすぐ11月がくる。11月の人恋しさと心の不安定さは他の月と比べると群を抜いてやばいので、なるべく柔らかくてふかふかしたものを着込んだり、あったかいココアを飲んだりして乗り切ろうと思う。今日もココアを飲んだ。

ココアのパッケージまで寂しさに寄り添う仕様になっていた。ちょっと押し付けがましさはあるけど、やっぱりココアは優しい。今年の秋冬もお世話になります。

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