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青天の霹靂

5月11日

大腸カメラ検査
からの
胃カメラ検査。

午前中に
カメラをしてくれた医師に
再会する。

「またおねがいします」
と笑顔でいわれ、
ほっこりする。

胃カメラのために
のどに
麻酔をかけてから
何やら器具をつけられる。

唾液がのどにあって、
飲みこみたいのに
飲みこめない。

え、
なにこれ。

このままだったら
息ができない。

しんじゃう!

くるしい!


一瞬パニックになりかけて、
いや待て、
冷静にだ、
と思いなおし

「あの、
これ
一度
外してもらっていいですか?
唾を飲みこみたいんです」
と話してみる。

こちらとしては
そう話しているつもりだが、
器具がついてるし、
まったく喋れていなかった。

あれ?
いや
このままじゃまずいな

と思いながら、
説明しようと
身体を起こそうとすると、
看護師さんに
ぐいっとカラダを押さえつけられて
「はい!動かない!
大丈夫ですから!」
と言われる。

「なに言ってるの?
全然大丈夫じゃないよ?

しんじゃうよ?わたし。

めちゃくちゃ苦しいんですけど」

となっていた、、、


地上で溺れしぬ、と思った。


ちょっと待って。
まだ
しにたくない!と思った。

(そうか、わたしまだしにたくないんだな)
なんて感じている間に

ムリやり顔も抑えられて、
カメラを挿入。


おえっ おえっ

となって、
あまりの苦しさに
涙がつーーーと流れた。


胃カメラ、最悪!!

もう2度とやりたくねーーー!!


怒りが
湧いてきた。


でもさ
自分の身体の中には興味あるから
苦しい峠を超えたら
目を開けて
がっつり見た。


めっちゃきれい♡

なんかぷつっと
小さなのがあったけど
「これは胃がきれいな人にできる
ポリープと言われているものですね〜
心配いらないですよ〜」
と説明してくれて安心した。

「胃は
どこも悪いところがなく
きれいで
胃にわるさをする菌もいないです」
とお墨付きをいただいた。


胃が
大丈夫だったのはうれしかったけど、
もうほんとにへとへとだった。。。

そう
外科の診察の時に
内診もあって
その時の痛みもあって
心身ともに疲れていた。

もう
その時点で
5時間近く経っていて
娘も父も
待合の椅子で
うつらうつらしていた。


再度診察室に呼ばれ
3人で部屋に入る。

医師が

「血液検査も大丈夫でした。
他の検査も問題なかったので
手術できます。

いまのところ
最短で29日入院の6月1日手術になります。

またこの後
カンファレンスがあるので
チームで話し合って

今後の治療の方針を
決めていくことになるかと思います。」


「ただ、ですねぇ…」


いままで
流暢に話していた医師が
ちょっと言いづらそうな顔をした。


その顔を見た瞬間
「え、やだ…!!」
と思わず声が出てしまった。

「…がんがある場所がですねぇ…」
と言いにくそうに
続ける医師。

かぶせるように
「人工肛門ですか?!」
ときくと

「…はい」
と。


「えーーーー
それだけはやだったーーー」

と言うと同時に
涙があふれた。

ものすごいショックだった。

(注:前の記事にも書いたが、今ここに書いていることはわたしの人工肛門に対する気もちの表現であって、現在人工肛門や人口膀胱を造設している方々への否定の言葉ではありません。そういった方々を傷つけることも、その方々の存在を否定することも意図していません。
が、もし、わたしの言葉がだれかのこころを傷つけてしまうことがあるならば、それは本当に申し訳ないことです。
わたし個人の感情のプロセスであるということだけお知らせしておきたく、注意書きを入れさせていただきます)


人工肛門に
なるかもしれないことを
想定して
それも
受け容れていこうとしていたが、
わたしの準備は
まだ
ぜんぜん
整ってはいなかった。
(ということに気づかさせられた)

いままで
どちらかというと
たんたんとがんであることを
受け容れて
はなしていたわたしが
急にそう表現したものだから

父が、
「肛門を残せる可能性はどれくらいあるんですか?」
と聞いてくれていた。

「たとえば、抗がん剤治療をして腫瘍を小さくしてからなら残せる可能性はでてくるんですか?」と聞いていた。

その質問に、
医師は
「いや、それは、可能性としてはほぼないです」
「手術をするのであれば、永久の人工肛門になります」
とはっきりとこたえた。


その言葉を聴いて
わたしは
再度
人工肛門を造ることになるんだ
と言う事実を
自分の内に
浸透させるように
努めた。


なかなか
浸透していかなかったけれど
少しずつ少しずつ。。。

これは
時間がかかっても仕方がない、と
自分を
と急がせることはしなかった。




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