放課後の時間割/岡田淳


月4冊本を読んでいた時に、毎月4冊しか読めないなら1年に50冊、残りの人生50年で2500冊しか読めないのかと気づいてなんだか軽く絶望した。
それから読む本は2500冊からのカウントダウンに感じてしまい、毎冊最高に面白い本であってほしいとおもってしまうのだった。
そう思うなら毎日一冊でも読んで母数を増やせばいいのだけれど。

今、別で読んでる本が序盤が1番良かったという状態でクライマックスに近づいているので、祈るような気持ちでページをめくっている。
アナログの本は、残りページで今後の展開量をメタ読みしそわそわしてしまう。

このまま失速して着地したらダメージを受けそうだとおもい、手堅い作品をサクッと挟んでおこうと表題の本を手にした。
同作者の「2分間の冒険」が本当に最高だったので別作品も読んでいこうと思っていたのだった。

下部の女の子の気味の悪い話が好き

"美術教師"である僕が"学校ねずみ"から
いろんな物語を聞かせてもらう話。
突然現れたちいさな生き物から自分が持ち合わせてない話を夜な夜な聞くという共通点で
「ちいさなちいさな王様」を思い出す。

しかしこちらに説教くささはなく、ただひたすら物語のタネを聞かされてる気分になる。
起承転結があるという分には甘いし、ただ登場人物や状況設定は気になるものが多く、もうすこし踏み込んで聞きたいと思ってしまい消化不良感がある。
"学校ねずみ"の最後の生き残り、なんていうのも最高に面白いフックだと思うのだけれど、そこからはあまり展開せずに終わることに勿体なさを覚えた。

手の中に何があるか?と聞いて、答えたものを必ず出す女の子の話の不気味さがよかった。
HUNTER×HUNTERのアルカへのお願いのよう。自分はリスクを負わずになんでも願いを叶えてくれる存在の底知れなさ。
不幸なものを答えたらどうなるんだろう、とドキドキした。

小学生向けということで余白に重きを置いた作品なのかもしれないけれど、「2分間の冒険」のような濃密さを期待した身としては物足りなさを感じる。

★★★☆☆

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