貴方への手紙。

初めまして。蒲公英と申します。
見ず知らずの貴方へ、この手紙を書いています。
誰かへ宛てた手紙は初めてなので、拙い文章になると思います。

俺の住んでいる街では随分と寒くなってきましたが、そちらはどうですか?
もうすぐ年の終わりなので、俺はなんだか物悲しくなってしまいます。
クリスマスも待っていますが、そこは置いておきますね。

俺は今日、とある歌い手さんの動画を見ました。
あまり詳細には話しませんが、沢山の苦難の道を歩んで、今は聞いている人に幸せを与えてくれる人です。
彼の苦しかった過去が、なんだか自分に重なって、色々な言葉が突き刺さって、涙が溢れていました。

最近俺は、よく涙を流します。
昔は感情の起伏がほとんど無いと言われるような人間で、辛いことも苦しいことも、楽しいことや幸せなことですら、目を背けながら生きていました。
けれど、今日に至るまでの長い月日の中、沢山の人や沢山の出来事の中で、向き合わせられる事が増えていきました。
だから俺は、最近よく泣きます。
逃げきれないありとあらゆることに、感情が爆発して、上手くコントロールがいきません。

こんな風に言うのはなんですが、「人間らしくなったな」と思います。
知人にもそう言われることがあります。

正直、苦しくて、辛くて、死んでしまいたいくらい感情に押しつぶされそうな日々です。
諸手を挙げて、「よかった」「嬉しい」なんて言えません。

変化することは苦しくて、どうしたらいいのかが何一つ分からない、そんな風に思います。

貴方は、どうなのでしょう。
名前も、顔も、性別すらわからない、貴方はどうなのでしょう。

この手紙は一方的なものです。
どこかで生きている俺から、貴方への手紙です。
いつか誰かに、何かが伝えられれば、寄り添うことが、見送ることが、できれば、なんて思いながら書いています。
なるべく沢山の手紙を送りますので、気が向いた時に読んでいただけると嬉しいです。

それでは、また。

(蒲公英)

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