つらいことが多いね、春
春という季節は、どうしてこんなにつらいことが多いんだろう。
というのは少し大袈裟に言いすぎた。今年と去年、一昨年の春がつらかっただけだから。
一昨年の春は、新社会人。
上京して知らない土地で知らない人と知らないことをする。仕事が始まっても、なにもわからないことが不安で仕方なくて出勤途中に涙が溢れそうになったことが何度かあった。
去年の春は、祖母が亡くなった。
初めて経験する、親族の死だった。東京で桜が咲く頃だったから、桜を見るとあの時のことを思い出す。仕方のないことだとわかっていても、その時は訪れる。ひとしきり泣いた。
今年の春は、失恋した。
頭では別れるべきだとわかっていて、心では別れたくなかった。感情と理性が逆のことをしていてるから、心が千切れそうになる。今でも泣きながらこの文章を書いている。
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