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恒星ノート~ふたご座・はくちょう座~

カストール・ポルックス・アルヘナ・デネブ

主な登場キャラクター:ゼウス・レダ・カストール・ポルックス

スパルタの王、ティンダレオスには美しい妻レダがいました。たいへんに美しかったので、全能の神・ゼウスの目にとまりました。ゼウスは美と愛の女神アプロフィデに頼み、協力をあおぎます。

あるとき、レダが窓辺にいると1羽の鷲が1羽の白鳥を追い回しています。白鳥の姿をみて、レダは白鳥を助けようと、白鳥をよびこみ抱き寄せました。こうして、白鳥に化けたゼウスはレダのもとに忍び込むことに成功します。実はこのときの、鷲はアフロディテが化けたものだったのです。レダに近づくための芝居をしたのです。

白鳥が去ったあと、レダは2つの卵を産み落とします。ひとつの卵からはふたごのカストルとポルックス(男児)そしてもうひとつの卵からはヘレネとクリュタイムネストラ(女児)がうまれました。のちにヘレネはトロイア戦争の誘因となり、クリュタイムネストラは数々の悲劇にかかわることになります。

ヘレネとポルックスはゼウスの子・クリュタイムネストラとカストルは、レダの夫・王テュンダレオスの子・とされます。ヘレネはギリシャ随一の美女に成長して、スパルタ王メネラオスに嫁ぎましたが、トロイアの王子パリスに随行してしまい、トロイア戦争の原因になります。クリュタイムネストラは、トロイア遠征軍の総指揮官アガメムノンの妻となりました。夫の不在中にアイギストスとの浮気を隠すため、トロイア戦争から凱旋したばかりの夫を殺害してしまいます。アイスキュロスの悲劇「アガメムノン」はこの出来事をテーマにしています。

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