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恒星リスト~(かに~おとめ)恒星名と意味

①位置②黄緯③恒星④特徴・意味⑤参考にするとよいギリシャ神話

ムルジム (こいぬ座)

①かに7.12②S41.15③子犬座の恒星。

④うるさく吠える犬。伝えたいことがある。言いたいことがある。シリウスの前に上がってくるのでアナウンサーの星といわれる。常に解説している。分からないものを解いていく力。人目に触れるという意味もあるので、人前で話すという意味にもなる。何か重要なメッセージを持っていて、それを伝えなければならないという使命をもつ。世界に向けて発信したいという情熱。果てしなく文を書き、果てしなく発表するというような行動につながる。⑤狩りの名人アクタイオンの忠実な猟犬メランポス。アクタイオンはアルテミスとニンフたちが水遊びするところに出くわしてしまい、アルテミスの怒りによってアクタイオンは鹿にかえられてしまう。自分の主人だとわからない猟犬たちは、鹿の姿をしたアクタイオンを八つ裂きにしてしまう。そのなかで、メランポスは帰ってこない主人を涙をためて何日も待ち続け、とうとう死んでしまったという。子犬座には3等星ゴメイサという恒星があり、「涙ぐむ目」という意味がある。

アルヘナ (ふたご座)

①かに9.06②S6.45③双子座。1.93等星。ポルックスのかかと。

④神聖なものが物質的な世界に接触するときに受けるダメージとそのダメージを修復することに関連する。目的に向かって集中して進む。何らかの使命を忠実に再現しようとする。逆境の体験をして、のちに達成する。達成後、自身の傷を癒やす。自身の傷はたいしたことはないと思う傾向がある。自身の純粋な理念が傷つけられたことをあまり他者に話さない。⑤「ふたご座」カストルとポルックス。人間と神のふたご。死が存在する人間の兄・カストルを失ったときのポルックスの慟哭。兄に命を分け与えるという犠牲。

シリウス (おおいぬ座)

①かに14.05②S39.36③おおいぬ座α星。マイナス1.46等星。全天で最も明るい恒星。おおいぬの顔。冬の大三角のひとつ。(子犬座プロキオン、オリオン座ベテルギウスとともに)プロキオンやベテルギウスの6倍の明るさ。

④個人的な努力・行為が集団に貢献する。個人的なキャラクターが普遍的な意義を与えられて長く名が残り伝説になる。個人が解体され力になり、集団に対する影響力になる。犠牲を通して名声を得る。個人的な楽しみは与えられにくいが、それ以上の実を残す。半人半獣のニュアンス。人外のもののようなマジックポイントをもつ。⑤オリオンの猟犬、ライラプス。狙った獲物を決して外さない槍とともにミノス王の宝物(アルテミスの宝物とも)とされる。テーバイにいる決して捕まらない狐を退治することになったライラプス。決して捕まらない狐と狙った獲物を逃がさない犬のバトルは永遠と続き、ゼウスがライラプスを天にあげておおいぬ座にした。

カノープス (りゅうこつ座)

①かに14.57②S75.49③りゅうこつ座α星。マイナス0.72等星。シリウスの次に明るい恒星。東京付近の地平線あたりに位置する恒星。おおいぬ座のシリウスが南中する頃見える。アルゴ座が正式に使われなくなったのは1930年。4つの星座に分割。船尾→とも座。帆柱→らしんばん座。帆→ほ座。竜骨(底面)→りゅうこつ座。

④忠誠心。ナビゲートするという意味があり、エジプトでは死者の船を運ぶという意味がある。スピリットガイド。死に関係すること、精神世界や死後の世界を旅することに関係する。精神世界に興味をもち、探求することが多くなる。旅といっても、太陽の輝く旅ではなく夜の旅というニュアンスが強くなる。内輪での闘争という象意があり、大きな枠組み(アルゴー船)のなかでの闘争(英雄たちが同じ方向を見ていない様子)。独裁的なリーダー。指導者に多い。⑤アルゴ船の冒険。イアソン、ヘラクレス、名医アスクレピオス、吟遊詩人オルフェウス、ふたごのカストルとポルックスなど50名が乗っていたという。イアソンは数々の冒険の末、故郷イオルコスに帰り着く。妻メディアの怒りに触れて、イアソンはすべてを失う。放浪生活を続ける中、アルゴ号の朽ちた船首に下敷きになって死んだという。これが、アルゴ号に船首が描かれていない理由とされる。

カストル (ふたご座)

①かに20.15②N10.6③1.58等星。双子座α星。双子座のカストルの頭部。

④精神、態度、性格などが優秀。訴訟や出版における成功、多くの旅行。明るい側面を持つ。知識の探求に関係し、物書きや学者などに縁の深い星。法律、学術、出版関係。冴えた知的能力。突然の名声。ストーリーテーラー。ポルックスと裏表で動く。⑤「ふたご座」ゼウスが白鳥に変身し、スパルタの王妃レダに近づいて、その後レダは二つの卵を産んだ。卵から生まれたカストルとポルックスは仲のよい兄弟だった。弟ポルックスの父はゼウス(神)、兄のカストルの父はスパルタの王デュレンタス(人間)だった。カストルは乗馬、ポルックスは闘拳の優れた技術を持っていた。二人はアルゴ号の冒険にも参加した。従兄弟との戦いの際、カストルは矢に当たって死んでしまう。ポルックスもたくさんの矢を受けたが半身のため死ななかった。ポルックスは戦いに勝利したものの、カストルの死を嘆き悲しんだ。ポルックスの願いにより、ポルックスの持っている不死の恩恵を兄カストルに分かち、一日おきに天上界と人間界で兄弟ともに暮らせるようになった。

ポルックス (ふたご座)

①かに23.13②N6.41③ふたご座β星。1.14等星。ポルックスの頭部

④暗い側面。物書き。苦痛・物事の暗部から学習する。物事の裏面に興味を抱き、自身のテーマを持つ。活発。大胆さ。冷酷で気が短い。繊細さ。困難を通した洞察。⑤カストルは水星、ポルックスは戦闘的な火星に関連する。(←プトレマイオス)カストルは不死ではなく、鋭い知性を持ち上品で冷静。法律・出版での成功を示す。ポルックスは神の子。ずるがしこく、騒がしく好戦的で我慢がきかない。カストルとポルックスが表裏一体となって動いている様子。

プロキオン (こいぬ座)

①かに25.47②S16.01③こいぬ座α星。0.38等星。

④すばやくメリットを得ようとする。長期的に継続するような仕事に就くとあきやすい。すばやく稼ぐという意味から賭け事と関連。興奮しやすく気が短い。気が変わりやすい。成功するが突然失墜する可能性。長くは続かないメリット。プロキオンだけでは実態がなく、リンクする恒星・天体を活性化する。⑤子犬座は主にゴメイサとプロキオンの2つの星で構成されている。こいぬ座のプロキオンが空に上って約20分後におおいぬ座のシリウスが空に登場することから、おおいぬ座に対比させ、子犬座になったという説もある。(「こいぬ座」参照:ムルジムの欄)

アキュベンス (かに座)

①しし13.39②S5.05③かに座α星。かに座はしし座の隣にあり、ぼんやりとしたプレセベ星団があるので見つけることができる。プレセベ星団はおよそ100個の星の集まり。プレセベ星団を発見したのはガリレオとされている。かに座はプトレマイオス48星座の中でも、黄道12星座の中でも一番暗い。

④厳しい状況を通りぬけて復活すること。新生、死を司る。冥界の門番であり、助産婦。人生のサイクルを取り扱うことに関連する。かには多産の生き物。人生のおいて愛すること。人生を愛すること。宗教的、神聖なものと関わる。ヒーラー。新しい命をもたらすことや死のプロセスへの興味。復活の概念をもつ。⑤かに座は古代エジプトのスカラベと関係する。ファーブルはスカラベをふんころがしと勘違いした。スカラベは太陽神と死と再生に関連する神聖な虫。常に雄しかおらず、単性生殖をすると考えられていた。ギリシャ神話ではヘラクレスに踏みつぶされた蟹。ヘラクレスがヒドラという蛇の化け物を退治しようとした際(ヘラクレス2つめの大業)に、ヒドラを助けようとしてヘラクレスに立ち向かった。しかし、ヘラクレスに存在を気づかれないまま踏みつぶされてしまったという。仲間のために自分を顧みず戦うニュアンス。

ドゥーベ (おおぐま座)

①しし15.12②N49.41③おおぐま座α星。北斗七星のひとつ。大熊の背中。

④プトレマイオスは好戦的な恒星だとみなしたが、ブレイディは女性的な力で直感、粘り強さがある受容的な力とみなした。内側に引きこもる。冬眠する。育てる資質。女性的な性質を持ち積極的な行動を好まず、問題をゆっくり静かに解決していく。日々の暮らしを維持する忍耐強さ。長期的に取り組む力。受動的な力。子を守るために敵に立ち向かう母の本能。⑤「おおぐま座」月と狩りの女神アルテミスに仕えるニンフの中にカリストという美しいニンフがいた。カリストはアルテミスとともに野や森を駆け巡って狩りをして暮らしていた。ゼウスがカリストを見初め、油断していて寝ていたカリストを襲った。カリストは身ごもり、アルテミスは処女でなくなったカリストに激怒する。アルテミスは処女の女神であったので、仕えるニンフも穢れのない処女であることが掟だったからだ。居場所を追われ、カリストは男児を産むが、ゼウスの妻ヘラに男児をとりあげられてしまう。カリストは熊に変えられてしまい、森で暮らすことになる。男児は成長し、一人前の狩人となったが、自分の母だと気づかず熊に矢を射ようとする。その様子をみていたゼウスは二人を天にあげ、おおぐま座とこぐま座にした。

アルファード (うみへび座)

①しし27.17②S22.23③うみへび座α星。1.98等星。赤みがかった星。「アルファード」はペルシャ語で「孤独なもの」。9つの頭を持つヒドラの心臓部にあたる。うみへび座は88星座のうち一番大きい星座。うみへびに乗るようにしてろくぶんぎ座やコップ座やカラス座がある。

④強迫観念。妄想。執念。文化的、意識的にしつけられていない創造的なエネルギー。方向を失うと暴力や恐怖を引き起こす。特定の目的に集中することで強い生命力は意義のある成果を生み出す原動力になる。何もしないでいると暴走するので常に集中する仕事に取り組むとよい。古い時代の説明では毒薬、毒による死、殺人、毒ガス、女性の憎しみ、ドラックの悪用、音楽や芸術での成功、よくない行いなどを示す。ヘビの心臓はいつもは無意識の中に沈んでいて、活動を通じて表面化したときに衝動的になったり転じて叡智になったりする。全く無自覚な場合、コントロールしにくい。⑤ヘラクレスが退治したへびの化け物。ヘラクレス2つめの大業。

レグルス (しし座)

①しし29.5②N0.28③しし座α星。1.35等星。ししの心臓。古代バビロニアではこの星座を犬としていた。レグルスをペルシャ人は「王の星」と考えていた。レグルスの命名者は地動説で有名なコペルニクス。

北のロイヤルスター。高貴な魂。軍隊。公的な場所を示す。強い成功、特に商業的な成功を示す。自分の地位ややり方の正しさに自信をもつ。めだちたいという意識。高くプライドをもつがゆえに不当な扱いを受けたとき報復行動をとりやすく高い地位からの失墜につながりやすい。報復行動をすることや地位を失うことにつながりやすい。自分がすることも人からされることもある。ロイヤルスターは力が強いだけに、それぞれの恒星の落とし穴に落ちてしまったとき凶作用がおきやすい。レグルスでは高貴な魂がいきすぎたことからの報復。⑤ペルシャの神話フェリダンの物語に結びつけられる。王国は繁栄したが、3人の息子に引き継ぐ際、弟が欲のため2人の兄を殺害。王は2人の息子の復讐から1人の息子を相手に戦った。王国は壊滅。//ギリシャ神話ではヘラクレスが倒した大獅子(ヘラクレスの12の大業のうちの一つ目)矢を射っても刺さらなかったため、こん棒で殴り倒したとも、素手でししの首を折ったとも、素手で絞め殺したともいわれる。

トゥバン (りゅう座)

①おとめ7.28②N66.21③りゅう座α星。3等星。夏の北の空に北極星をとりまくように並んでいるのがりゅう座。りゅうの尾の先には北極星がある。竜の頭側にあるラスタバンとエル二タンは2つの目のようにみえる。紀元前2790年頃にはトゥバンは北極星だった。

④古い時代の竜(王の持ち物を守る竜)を表し、蓄える、守るという意味がある。物質的な執着心ではなく精神的な価値を守ろうとする。財産を守ることに関連し、権利を主張する。蓄積していくことに関わるので、知恵や知識を保存し守っていく方向に向かう。悪く働くと、古い価値観にいつまでも固執することになるが、閉鎖的でなければ、より大きな財産を引き寄せ所有することになる。⑤3つの説:フェニキアの王の息子カドモスに倒されたりゅう//アルゴ船の冒険の冒険でイアソンに倒されたりゅう//ヘリペリデスの園にある金のりんごを守る百の頭を持つりゅう→ゼウスとヘラが結婚の祝いとしてほかの神々から贈られた金のりんごの木があった。その木は世界の西の果てにあるヘリペリデスの園にあって、ヘリペリデス(アトラスを父とするニンフ)は百の頭をもつりゅうにこの木を守らせていた。ヘラクレス11番目の大業はこの金のりんごをとってくることだった。結局、金のりんごはヘラクレスにとられてしまったが、ゼウスとヘラの宝物を長年守り続けてきた功績によって、天にあげられた。

ゾスマ (しし座)

①おとめ11.19②N14.20③ししの背中。2.56等星。

④犠牲になったものや失われたものを保護しようとする。福祉の仕事にかかわりやすい。同時に何らかの犠牲を強いられることもある。善意からの言動。人には分からない面に対し労力を使い、あまり目立とうとしない。社会的な弱者に対して共感する。社会、大きなシステムによって犠牲になることを示す。マイノリティや社会的弱者を助けることに貢献する。自分自身と社会システムとの関係に注視しておかないと、知らず知らず自分を犠牲者にしてしまう傾向がある。犠牲・処罰・迫害。⑤ヘラクレス一つ目の大業「大獅子退治」ネメアの森にいた大獅子。固い筋肉で覆われていて不死身だとされた。ヘラクレスはこん棒で獅子を殴りつけ、洞穴に追い込んだ。そのときに殴りつけた背中にあたる恒星がゾスマ。犠牲というだけでなく、追い込む、迫害するというニュアンスにつながるだろう。

デネボラ  (しし座)

①おとめ21.37②N12.16③しし座β星。2.14等星。ししのしっぽ。

④型にはまらないこと。アウトサイダーとして世間のメインストリームからはなれたところから物事をみる。常識的な見解を疑う。群れに混ざることを嫌う。攻撃的になれば反社会的になるが、通常はそっと孤立してまわりを観察するが干渉はしない。人前にはでないが、ちゃんと見ている。誰でも同じ考えを持つべきだという思想に対立する。大きく歴史を変える人がいる。⑤ヘラクレスの1つめの大業「大獅子退治」ししの皮を頭からかぶった姿はヘラクレスのシンボル。しし座の他の恒星とおなじように誇り高いが、突進しないニュアンス。 

アルケス (コップ座)

①おとめ23.41②S22.43③コップ座α星。コップ座はうみへび座の上に乗ってみえる。

④礼儀正しく、予言的な資質がある。継承すること。遺伝すること。特別な価値を受け止める器として生きることを示す。預言は神の言葉を預かるもの。神秘的で霊媒的な能力がある。力を地上で受け止めるための能力。哲学的、芸術的な意義があるものを継承する。正統な後継者。自分で何かを創始するのではなく、知恵や技能を神聖な意義を持つものとして受け取り、守り、運んでいく。⑤人間に葡萄の栽培と酒の醸造を教えたという酒神ディオニソスのカップ。魔術的、神聖な力。//キリスト教での意味づけが強い恒星。ローマ法王を象徴する天体でキリストの力を受け止める「カップ」。カップは女性器という見方もでき、マグダラのマリア信仰ともつなげることができる。キリストの「子」が生まれ、代々継承していくようす。魔力をもつワインを「キリストの血」と呼ぶことにも関連するだろう。