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千代の富士{雑文・西洋占星術}

わたしは元スージョです。久しぶりに大相撲の動画を見て…というか、千代の富士の横綱時代の動画をみて、とてもテンションが高い状態です。千代の富士の美しい土俵入りがいまだに忘れられないし、たぶんこの先もあんなに美しい所作をする「おすもうさん」はいないと思う。インタビュー中ちょっといたずらっぽく笑ったりするのって、元おじさま好き女子(現…ではないだろう)にとってとてもキュンするのだけれど~ムッとして表情にでてしまうあたりが可愛いのだけれども~(太陽ふたご、火星かに初期度数っぽい)

まあわたしにとって唯一の「おすもうさん」なのだろうと思うのだけれども、これが「男性として好き」なのかどうかはちょいと違いそうです。後輩の北の湖と当時の九重親方のインタビューを見ていたんですよね、その時に師匠に北の湖がなんで勝つのだろうか?と千代の富士が聞かれていて次のように答えていました。「やっぱり(練習を)やっているからじゃないですか?」(昭和60年の映像だそうです)

これね。泣きましたよ。千代の富士ちゃんと人の努力を見ているんだよね。で、ちゃんと努力しているんだよね。自分が努力していないと、たぶん他の人の努力なんて気がつかない。この番組でもある力士に対して「下半身が弱いからもうちょっと…」と言葉少なに語っていたし、晩年は最近の力士は稽古量が少ないとか、下半身の弱さがあるとかコラムに書いていたといいます。小手先の相撲を見破っていたのね。

思えば、私が急速に相撲を見なくなったのは①千代の富士が引退してから②貴花田が引退してからです。横綱が当たり前に強くて二桁なんて当たり前だった時代があった。どんどんと「勝つ横綱」や「粘り強いといわれるおすもうさん」がいなくなった。最近の相撲って見応えがないもん。

たぶん、努力している人にしか他者の努力は分からない。努力していることをわかってくれるような人がいなくなったものだなあってちょっと思ってしまった。それはわたしが歳をとったからではなくて、努力をしているお年寄りが少なくなってきたことや、努力なしに手っ取り早くお金を稼いだり名声を得たりすることがかっこいいっていう風潮のせいなんじゃないかって思っています。

***以下、「みすずのつれづれ日記」より引用***

千代の富士は木星(しし1室)衝、土星(みずがめ7室)(1991年の春分図)の時に引退し、木星(おとめ2室)□土星(いて5室)の昨年(春分図)、永眠しました。

「ウルフ」といわれていた大横綱。昨年死去したことで、「あ~、一時代がおわったな…」と私はしみじみ思いました。

端正な顔立ち、きたえられた肉体もさることながら、あんなに美しい土俵入りをするお相撲さんは後にも先にもいないだろうなあ…と、思うのです。足を高くあげ、すりあしの所作も美しい。それでね、汗をかくとピンクのタオルで両脇をぬぐってから相撲をとる姿(エチケット)も素敵。一番好きだったのは、懸賞金を受け取る姿。あれは「心」の字をきるのです。きっちりきっちり「心」を空にかく姿はとても美しかったのです。急いでしゃしゃしゃ…と、した動きをする力士がおおいなか、その所作を大切にする美しい力士でした。

千代の富士の引退のきっかけとなった「貴乃花」は当時はとても若くて(19だっけ?)興福寺の阿修羅像のようにとてもとても美しいお顔立ちでした。貴乃花も美しかった。(私の選ぶ美しい土俵入りランキング2位!!)

さて、この千代の富士。(19550601。北海道・松前町)ホロスコープをみると金星(おうし16度)の向かいに土星(さそり17度)この感じがとても千代の富士らしいと思いました。肉体の美(おうし座の金星的)をストイックに鍛える(さそり座の土星)感じです。やはり、「美」をストイックに追求していったのでしょう。脂肪が少ない筋肉質な肉体や、道にまい進する様子は金星と土星のイメージです。水星(ふたご29度)と海王星(てんびん26度)と冥王星(しし25度)が小三角=現実的な力があるように思います。海王星の近くに月。(時間不明なため詳細は分からず)。水星の近くに火星(かに4度)火星が水星にかかっているあたりが、スポーツにかかわる人であり、勝負の世界で生きる人の感じです。水星の向かいにヘッド(いて28)があります。やはり水星がキーになりそうです。千代の富士の取り口は「投げ」技が多く、とてもきれいに決まるのですね。すとーんという感じで、技が決まっていきます。この感じは技術のイメージ。もともと器用な方であったのだろうし、技も磨いていったのでしょう。太陽(ふたご10)には、メジャーアスペクトがなく、ノーアスペクト。独自の看板、公の自分を模索していったのでしょう。看板に恥じないよう、ストイックに努力していったのでしょう。

1981年一月場所。当時東関脇だった千代の富士は14勝1敗で初優勝。大相撲中継での瞬間最高視聴率歴代1位(65・3パーセント)貴ノ花(若貴のお父さん)が引退した場所でもあります。このとき、千代の富士のネイタルチャート火星に進行の太陽が合(かに4度)まさに、かにのように力のあり揺るがない黄金期をここから築いていきます。(4という形づくる度数でもあります)

1988年11月。千代の富士の連勝記録が53連勝で止まった一番が昭和最期の取り組みになりました。この月の新月図では。千代の富士のネイタル土星(さそり17)近くに太陽合月(さそり18)冥王星はさそり13。相撲の組織や論理が、太陽月によって照らされている感じもあり、冥王星の「大きな変容」がちかづいているようです。また、千代の富士のネイタルのヘッド(いて28)近くにトランシットの土星(いて30)と天王星(いて29)があります。「いて」という「勝負」といった意識の終焉を意味しそうです。また、いて30度は「法王」。ある哲学の終焉を感じます。昭和の終わりと同時期に千代の富士の連勝が止まったのも「終わり」です。

千代の富士が引退したのは1991年5月場所。若き日の貴花田に敗れます。5月14日「体力の限界!…気力もなくなり、引退することになりました…以上です…」と言い、引退をします。この日は新月。①千代の富士のネイタル火星の近くにトランシット金星(かに6)②この日の新月は火星がかに23度、ヘッドがやぎ23度。火星ヘッド軸の近くにネイタルの天王星(かに25度)ネイタル木星(かに28度)③トランシット天王星(やぎ13R)、トランシット海王星(やぎ16度R)④ネイタル土星(さそり17R)合トランシット冥王星(さそり19R)

①から④まで、決定的なものはないのですが、①金星が近くなるとおさまる②火星の影響が後々まで続く(ヘッドがらみ)感じ③やぎの強調と千代の富士のかに(火星、天王星、木星)の衝突④土星という「仕組み」の変容(冥王星)

というように読みとれます。「体力、気力の限界」といった千代の富士の言葉は本当なのだろうと私は思うのです。トランシット冥王星はさそり19度を逆行していましたが、本来ならネイタルの土星(さそり17度)あたりのときに引退するのがご本人的にもしっくりしたかもしれません。

(思いもかけず、長文に…。前後編になります…)


千代の富士が死去したのは、2016年7月31日。17時11分。東大病院にて。すい臓がんです。2015年5月31日には、両国国技館で還暦土俵入り。還暦とは思えないほど美しい土俵入りでした。そのすぐ後、2015年の7月場所は内臓疾患で全休しています。2016年に入ってから、ガンが再発したことが発見されたそうです。7月場所の4日目から体調不良で休場、そして入院。

千代の富士死去。
ネイタル太陽(ふたご10)合トランシット土星(ふたご10R)
ネイタル太陽□トランシット海王星(うお12R)
ネイタル火星(かに4)□トランシット月(かに7度)
プログレス太陽(しし9)合トランシット太陽(しし9)
ネイタル冥王星(しし25)合トランシット金星(しし24)

トランシットの土星や金星がきいている感じが、「あ~、形式の美」の人だな~。と思うのです。ネイタルの海王星(てんびん)と60度で冥王星(しし)が時代天体としてあって、そこに金星がくるって美しい。

昭和という時代なのか、すもうという文化なのか…重要な語り部が亡くなってしまった感じ。あの美しい所作が見られないと思うととてもさみしいのです。千代の富士は引退後、コラムで力士の稽古不足、下半身の強化不足を指摘していました。あの美しい所作は、そして美しい決まり手は、すもうに対するストイックな姿勢が支えていたのでしょう。


********ここから引用*******

カーディナル・フィックス・ミューチャル=5・3・2
速攻の千代の富士にふさわしく行動的なカーディナルが多い。
火・地・風・水=1・1・4・4
風が多いのでこだわりがない。たびたびの負傷や、地位の降格やこどもの死にもかかわらず気分をたてなおし、感情的に落ち込むことがなかったのでしょう。そして、同時に水も多いので思いやりがあって粘り強い性格の持ち主なのです。
10天体のオーバーロードはかにのサインです。涙もろいところがありますが、感情的な面があり、たとえば寺尾の強烈なツッパリに対して寺尾を土俵に叩きつけるようなしぐさがありました。
水星は29度にあります。これは机に向かうことが不向きであることを示しています。運動選手の場合、水星の逆行や水星の29度の有名人がいます。水星の役割がもともと「事務」の仕事や「口が達者」な状態を示すのですから、運動選手に「簿記」や「おしゃべり」の能力は不必要なのです。

土星さそり→冥王星しし→太陽ふたご→水星ふたご

火星かに
木星かに   →月てんびん      →金星おうし
天王星かに   海王星てんびん

二つの大きい流れに分かれていて、それぞれに根があります。運動選手に関係のある火星(積極性)、勝負に関係のある木星(保護)と天王星(変化)の流れは感受性の月によって「ひとつのコンセプト」(概念)としてまとめられていて、その最終はおうしの金星によって決断されています。おうしは安定した保守的なサインですから、千代の富士が「伝統の相撲社会」のなかで、決められた枠内で地道に努力してきた決断を表示しています。

↑「演習占星学入門」石川源晃著。平河出版社より抜粋。

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29度の水星だけ。ちょっと反論を述べたいと思いました。だって、「体力・気力の限界」などというキャッチーな言葉は、水星力がない人には言えないもの。ふたご水星は十分に練れている状態であり、言葉の使い方も上手で技術も優れていたんではないかな?ふたご水星をみていると、冗談を言っている姿や、はにかんで笑う感じを思い出すのです。

大好きな大好きなおすもうさんでした。ご冥福をお祈りいたします。