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相性について考えてみる{雑文・東洋占星術}

一世を風靡したドラマ「冬のソナタ」の中に、「あの娘(チェ・ジウ)は戊土、彼(ペ・ヨンジュン)は癸水。出会ってはいけない運命よ。」という台詞があります。で、干合しますから古典的には相性がよいとされるんですよね。変化して火になりますから、恋の炎がぼうぼうと燃えそうですし。干合してくっつくと「離れられない」象意ですし、運命のお相手という感じもあります。まことにロマンチックではありますが、果たして「相性がいい」とはいえるのか?

干合して変化してしまうともとに戻ることができません。自身の性質を変えてまで一緒にいるべき相手なのかというのは非常に疑問があります。上記の場合、戊土が火になったところであまり不都合はなさそうですが、水が火にかわるというのはねえ……。彼は彼女と出会って大きな変化が起き精神的な嵐を経験しそうです。しかも中長期的に。

どちらがどちらということもありませんが、「運命の相手」が一緒になって幸せになれる相手ではないわけです。離れたくても離れられないでしょうし。

ところが、不思議なことに「相性が悪い」のに仲良し夫婦というのが存在します。これはおそらく反応しないからだと思うんですよね。古典的な価値観では夫婦は一心同体がよしとされて反応するのはいいことだとされます。でも、昨今、反応しないことのよさというのが見直されるような気がするんですね。人として生まれたからには個人を確立して他者とかかわりあっていきたいもの。そのうえで、他者によって少しずつ少しずつ変わっていく自分を発見するのも面白いものだと思います。