2020.0330 りんごケーキ

・さっきまでりんごのケーキを作っていた。


・りんご、祖母のおうちから毎年いただくりんごは新鮮で、本当に美味しい。毎年家にりんご箱が届くなり、ほぼ毎日食べていた。そのため食べすぎて歯茎から出血するし、真冬の廊下でキンキンに冷えたりんごは知覚過敏予備軍の前歯を殺そうとしてくるのだけど、新鮮!フレッシュ!と、もう文字通りそのままのりんごが美味しくて、大好きである。

・そんな経緯から生まれてこの方りんごを自ら購入したことってないんじゃないか?というぐらい、祖母宅のりんごばかりを食べてたら、たまにフルーツパフェとか、そういうとこで出会うりんごがだいたい“ボケ”ていて全然おいしくね〜〜と思ってしまうようになった。

・そもそも“ボケ”るって長野の方言だということを知ったのは上京してからで、日本全国で“ボケ”たりんごの特徴が伝わると思っていたのだが、そうではないらしいね。

・“ボケ”は、ざっくり言えば新鮮さが落ちてしまって、食感がボソボソになってしまったりんごのことを指す。りんご大国長野では、新鮮なりんごが手に入りやすいせいなのか、この“ボケ”たはちょっともうダメになっちゃったやつだね、という意味で「このりんごもうボケてるね」と言い合ったりなんぞする。

・また私はこの“ボケ”りんごを食うと、とたんアレルギーを発症し、喉だの耳だのがカユカユになってしまう。同じりんごなのに不思議だ。なので一時期りんごそのものを避けていた時期もあったのだけど、最近になり、新鮮なりんごであれば、比較的なりにくく、症状が出たとしても軽いもので済むということがわかって、旬の時期のりんごをバカみたいに食べるようになってしまった。症状がでるとはいえ、“ボケ”りんごも味はそのままりんごだから、別に嫌いなわけではもちろんない。味は大好きだし、食べてなにもないならそりゃ食べたいのだ。りんごだし。



・とはいえ余してしまったりんごが我が家にはあり、そいつらをどうにか食べてやらねばと思っていたら、もう3月で、恐る恐る箱を覗いてみたらとんでもないことになっていた。

・そこにいたのは、ぐしゅぐしゅで汁の滴る幾ばくかのりんごたち…申し訳無さがすごくて、比較的無事なものを回収し、安全そうな部分を取って、ケーキにさせてもらった、という今日の話である。

・“ボケ”りんごも、実は火を通せばイケたりする。なので細かく刻んで、ケーキ生地の中に混ぜ込んで焼いてしまう。そうしたところでどうにか食べられるようになる。でもこれが結構手間でもあり、それで放置し続けてしまった結果として、ぐじゅぐじゅのりんごを作り上げてしまった。来年のリンゴは勿体ぶらずに、なるべく周りの人に配ろうと思う。



・今日勤め先がついにリモートワークになった。合間のおやつにと、りんごケーキを作るための腰をあげたけど、この状況はいつまで続くだろう。もう一度ケーキを焼く前に、と願ってしまうけど、現実を見たら何も言えることは無くなってしまう。 

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