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猫を巡る。

朝倉文夫という彫刻家の名前を知ったのは、30年くらい前、当時働いていた職場の中庭にブロンズ像が二体というか、あれは一対なのかな?設置されて、それが出会いでした。恥ずかしながら、美術彫刻方面にはまったく知識が浅いので、竹田出身の同僚が彼女とデートで朝倉文夫記念館に行ってきた!とか聞いて「へええそんなの行くんだー」と思ったのをいまだに覚えてるくらいだから、そういう方面にまったくと言っていいくらい疎かったんですね。

美術といって思いつくのは。「鑑賞」というものが出来なかったんです。他の人が何を見て何を感じているのかが分からず。例によってポンコツな人間は(自分のことです)なんか正解があるのかと思ってしまうので、作品の前で答えを探そうとしてしまう。つまらない人間でした。美術館とか行って楽しいなとか思えるようになったのはもう本当にずいぶんあと。40代になってからじゃないかな。だからと言って、「わかっている」かというとまったくもってそんな自信はいまだにありません!ただ見るポイントは増えた気がする。それだけ。

先日行った日にインスタに上げたOPAMの朝倉文夫展。

猫の動きを彫刻で捉えるといえば思い出すのは左甚五郎のエピソードくらいしかないんですけど、この会場で見た猫の彫刻たちはほんとうにすごいというか、猫好きなんだなあという…そう、猫をよく見てる人が好きな猫の動きなんですね。獲物を狙う態勢とか、子どもを抱えているところとか、果ては衰え体調が悪くなっている猫まで、猫好きは必ず思い当たる場面。いやーよかった。

絶妙に添えられた、エッセイがまた素晴らしく。猫バカはもう完敗です^ ^

会場内は猫だけでなく他にも人間の像がたくさんあり、今朝某先輩が上げていた写真を見て、同じ作品展を見に行ったのに、こうも違うレポートになるんだな、なんて。でもそれがいいんですよね。ネコに興味がある人と人間に興味がある人と。まったく同じレポートなんて気持ち悪いから。

人の作品群を見ていて彫刻って面白いなーと思ったのは。後ろ姿が見れること。三次元ならではですよね。会場をかなり進んで、ふと振り返ってみた時に、人の背中って寂しそうだなと。

おもわず写真を撮ってしまった^ ^。外にあるブロンズ像は高い台座の上にあるからあまり寂しそうに感じたことないけど、ほぼ同じ高さになると見え方というか印象が変わって。

猫好きが作る作品は猫好きに訴えますね〜。遠藤賢司のカレーライス聴いた時の衝撃を思い出した^ ^その生態を知っていないと出てこないフレーズとか体勢ってある。素敵な作品展でした。8月半ばまでですって。猫好きのみなさんぜひどうぞ。

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