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PINK CLOUD#1

ジョニー、ルイス&チャーでは、当時の現行モデルであるムスタングとESP(Navigator)Charモデルをメインにしているわけですが、79年にはギャバンのSGを抱えた姿も。80年ごろまでは見たという人の話を聞いたことがありますが、その後行方不明に。今回出てくる記事や90年代初頭のインタビューでは「どこに行っちゃったんだろう」とコメントしていて、どこかの時点で無くなっているのは残念ですね。

1982年1月、バンド名をPINK CLOUDに改め、Vapに移籍してからは、Fenderのモニター期になっています。ここでは、バーガンディ以前に登場した機材を。

Fender Anniversary / The STRAT component guitar

アニバーサリー(フェンダーの25周年記念)ストラトのボディとザ・ストラトのネックを「ニコイチ」にしたギター。アニバーサリーは25周年記念モデルなので1979年、The STRATは1980年にリリースされています。その頃はJLC期ですが、既にその頃から手にしていたのでしょうか?この変則的な一本で当時テレビにも出演しています。懐かしのレッツゴーヤング^^。ムーンチャイルドアルバムでも使用されているようです。

レッツゴーヤング。サンセットブルース。
「うんとね、2本のギターを1本にしたやつ。ネックとボディ、2本のストラトを。銀のアニバーサリーのボディと、ザ・ストラトの赤のネック。ずっとジャズマスター使ってたんだけど、このところ。あんまりないね、しっくりくるギターは。やっぱり新品のギターを自分で使いこんで、オールドにしていくのがいいみたいね。自分のクセをつけていくのが一トウいいみたい」
Playerインタビュー

このギターは、現在に至るまで、決してメインではないもののベンチ入り(スタンドにセットされている)している様子がレコーディングやライヴの場面で見られます。ある意味Charさんの中ではピンククラウドを象徴する一本なんでしょうか。

一方、ムスタングは「3本くらいカッパラわれて」1台くらい残っている、と同インタビューで答えていますが、Fuck Youは生き残ったということですね。この盗まれたのがどの個体なのかは?そういえばジャズマスターでやっている時期もありました。有名な?「もっとましなギター持ってないのか」と言われたレコーディングのエピソードも。

1983年 Fighting '80。

このころ、前エントリでも書きましたが、ロッキンf誌上で特集記事が組まれ、使用ギター全12本が公開されています。「ジョニーのソロが完成したばかり」というコメントがあるので82年の終わりから83年の頭にかけてでしょうか。この記事でラインナップされているのはFuck You、のちにスパイダーマンになる白ムスタング、L-51、ゴールドトップレスポール(この時点でネックが一度折れたと紹介されている)、ジャズマスター、そしてニコイチストラト。ここまでが既出。これら以外を挙げていきます。

ロッキンf特集「Charのすべて」。
At Smoky studioとなっているところが注目点。

Gibson Firebird

「マーちゃんから買った」「KUTCLOUDでメインで活躍した」というコメント。Jesseの、と言われるギターですね。1976年発表の建国200年記念モデルです。

Ovation Legend

「LAで500ドルで購入」したというオベーション。BAHO結成のきっかけとなった大阪ミッドナイトエクスプレスや、88年のPIT公演、Days Went ByのPV、Psycheアルバムなど80年代のCharさんのアコギとして大活躍している一本です。

Fender Stratocaster

モニターとして使っていた白いボディとメイプル指板の当時の現行モデル。84年ごろまで使われていたようです。ギターマガジンのアーミング特集の時にも登場していますね。

Fender Mustang #13

同じくモニターとして使っていた現行モデル。「アームのテンションが昔のムスタングと違う」というのは貴重なコメントですね。ムスタングは82年にディスコンになることから、時期的に最後期のモデルだったのでしょうか?その後ギターマガジンの表紙を飾ったあと、のちにChar&PsychedelixでフロントにESPのLH-200が搭載されて登場します。さらにその後ピンククラウドブルーにリフィニッシュしたものの使われなくなってしまいました。ご本人曰く「ピックガードの形が気に入らない(弾けるフェンダームスタング)」とコメントされるという可哀想な一本。

Mosrite Ventures Jr.

「初期のレコーディングでは使っていた」とコメントがあるものの、のちのインタビューでは「アーム使うと戻ってこない」とかなかなか苦労していたことがうかがえる一本。

さらにこのあとモニターシリーズと思われるものがいくつかステージ袖にセットアップされていたようです。

ありし日のステージ袖にセットアップされたギター達。

Fender Lead II

黒ボディ、メイプルネック。弾かれたかどうかは?

Fender Stratocaster sunburst

サンバーストにローズネック。82年からリイシューされた62ヴィンテージではないかと推測するのですが…残念ながらよくわかりません。バーガンディと時期が被っているためか?あまり頻繁に出てくることなく姿を消してしまいました。

Fender Gold Elite Stratocaster

「PLANT BLEND」アルバムのレコーディングで使われているエリート。「ラインの音がいい」とコメントされています。これも83-84年あたりの新品モデル。BAHO時代、Do It Againを演奏するのにこのギターを使用していましたね。NHKホールのBAHOライヴでもこれを弾いていました。

これもラインだった?やってた時の歪みはなんでしょう?

90年前後からは、使用機材の紹介記事が増えていきます。これは同時に読者がギターを自分の手で買える年代になったこと、複数のギターを使えるようになった時期とリンクしている印象です^ ^。上のロッキンfの特集記事は、そういうまとめたものがまだ珍しかった時代(これ以外にはプレイヤー誌のThe Guitarとか)の貴重な資料だと思います。年代的にはここに入るバーガンディは次回に。

「謎」
83年1月の渋谷公会堂Live Trippin’ では「白のアニバーサリー」が使われたのでは?という話があります。情報お持ちの方、教えてください。

Thanks to:
Mr. Hirai
Mr. No.N

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