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AG#17 Double neck acoustic “Jonathan”

Specification

トップ:トリファイドスプルース(リトップ)
サイドバック:マホガニー
ネック:6弦マホガニー、12弦ナトー
スケール:632mm(24.9”)
フィンガーボード:6弦エボニー、12弦シマコクタン
ペグ:ヤイリオリジナル
ブリッジ:シマコクタン
その他:カモメインレイ
    メイプルバインディング
    改良強化新型ブレイシング
    ヤイリオリジナルピックアップ
           former K.yairi WX-22E

About

ヤイリギターはK.yairi、S.yairiというふたつのブランドがあり、KのカズオさんとSのサダオさんが兄弟で…なんていう話を誰かから聞いて信じていましたが、兄弟じゃなく親戚なんですね。両者はまったく無関係という立ち位置とのことですが、どちらとも一世を風靡した(している)ブランドだと思います。S.yairiの方はいったんクローズしたあと復活しましたが、K.yairiの方は70年代からずっと第一線を走り続けています。個人的な印象としては「くっきりはっきりかっちり」という感じ^_^。

Story

ダブルネックギターを初めて見たのはドンフェルダーだったかジミーペイジか…なんて思ってたけど、たぶんオフコース。鈴木さんも松尾さんも抱えてましたよね。学生時代に先輩がツェッペリンフリークで本物のギブソンダブルネックを持っていて、すげ〜と思っていたけど、「これ一本」って感じには効率悪くて使い方難しいんですよね。ところがなんか魔力があって。この魔法にかかると逃げられない。そんなこんなで。このギターは想定していた値段の半額くらいで落ちてしまって入手したオークションあるあるギターなんだけど、それもそのはず、壊れていました。具体的にはブリッジが剥がれていた。ギター2本分のテンションですからね。で、例によって、名工日高雅樹の手を借りて直してもらったものの、一度歪んだトップにはあれこれ不具合が。ということで、無理にお願いして「リトップ」という展開にしました。当然、同じトップを作っても強度に問題があるとわかっているわけだから、さらに強度を増すというテーマであれこれ考えてもらいました。エレアコなので最悪もうトップはまったく鳴らなくてもいいからなんて言ってたんだけど、出来上がったら、いい音で鳴るんですよ^ ^さすが!の一言です。企業秘密なんで、ブレイシングとかはお見せできませんけど^ ^どこに歪みが出るか、どこが弱いかを知り尽くしている日高氏のアイディアが随所に盛り込まれています。せっかくなんでオールリフィニッシユ、各所調整に合わせて、カモメのインレイや、口輪のアバロン、メイプルバインディングなど、見た目にも高級感溢れる作りを施してもらって、ワンアンドオンリーな一本(2本?)ができました。ヤイリフレイバーはほぼ消えたと思いますますが、どうかな?このギター、カタログ上というかいわゆる市場では「K.yairi」で出てくるんですけど、この個体に関してはAlverez yairiのマークがヘッドにあって。だけど、アルバレズヤイリでは、このモデルないんですよね。特注かなんかだったのか、よくわからないモデルです。まあもう永久にわからなくなりましたけど。バラしてもらった時にいろんなアイディアの詰まったギターだということを知りました。ヤイリ恐るべし。とても気に入っています。

メイプルバインディング。
アバロンの口輪。
カモメのバードインレイ。
オールブラックフィニッシュ。
改造前最初で最後の勇姿。
入手後最初のリペア直後。ヘッドにアルバレズロゴ。

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