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First Solo: Canyon Era#1

1976年6月。ムスタングをトレードマークにスタートしたアイドル時代。76年から78年秋まで、ほんの3年足らずの間にたくさんのギターが登場しています。
1976Liveの金沢の音源でJeff’s Boogieのあと「さっきの青とこの白と車の中にも…」としゃべっている通り、デビュー直後にすでに3本のムスタングを所有/使用していたようですね。一本目がすでに登場したスモールヘッドのムスタング。これを便宜的にムスタング#1 として以降のカウントをしていきたいと思います。ムスタングを買った話は当時割と語られているのですが、どれのことに言及しているのかが今ひとつはっきりとわかりません。2004年のプレイヤー誌のインタビューで「ファーストアルバムのレコーディングに使った」という発言もあります。ただしこのインタビューではLAではなくサンフランシスコということです。アナハイムと言っていたようなインタビューもあった気がします。そうすると、最初のガレージセールで買ったムスタングのほかにもう一本買ったものを持っていたんでしょうか?MCで言っているのはいったいどの個体なんでしょう?

76年8月のヤングギター誌でのインタビューによれば、「ムスタング3本」「すべてCBSより前のもの」…Charさんらしくないコメントですが^ ^;そうすると、上のMCは合っていることになりますね。気絶に変わったやつとも違う個体を持っていたことになります。うーむそうすると、われわれが見たことのない一本があるということなのか?それとものちに出てくる「弟さんの」青がそれなのか?

Fender Mustang #2?

その半年後に登場する77年2月3月(2号連続)のプレイヤー誌でのインタビューでは使用機材を「ムスタング2丁」——64年型、66年型と言っているのですが、読み進めていくと、どうも青のことを66年と言っているフシもあり、非常にわかりにくいです…。インタビュアーもムスタングのことをあまり知らない様子なので仕方がないんですけど、誰も突っ込まないのでよくわからない^^;。76年冬の金沢の時点で3本あるなら、もう一本の白があるはずですが…真相やいかに?同インタビューでは「新品を買った」「ピックアップガードの白を赤く塗ってサ、気持ち悪い色にしただけ」という発言がありますが、某所でその赤いピックガードを見た記憶もあり…^^;このピックガードがどのムスタングについていたものなのか...?赤に塗る=べっこう柄でないのなら、パール柄のピックガードを持つ個体でCharさんが使っていたのは…1976LiveのMCを参照するなら、これはコンペティションバーガンディのピックガードなんでしょうか。あるいはまた別の?…このインタビューでは「12万円を8万円で買った」というくだりもあり、これがどれのことなのかがよくわからないのです。

Fender Mustang#3

上記のプレイヤー誌のインタビューで「新品を」と言っているのはおそらくこの個体で、ギターの年代としては「コンペティションバーガンディ」で「マッチングヘッドでない」ことから72~73年の個体であると推測されます。「いつも見に行ってた楽器屋で」「速そうだなと思って」「ずっと売れ残ってたのを買った」というようなコメントも過去あった気がしますが…77年2月のインタビュー時点では「改造は何もしていない」と言っていたのが、77年8月に行われたNHKロックフェスで登場した際には改造が施され、フロントにはハムバッカー、リアにはストラトタイプのシングルコイルが搭載されていました。これには当初、ディマジオスーパーディストーションとディマジオファットストラトであるという記述が当時のギター雑誌にあり、いや、ポールピースの感じからディマジオはディマジオでもPAFだろうという話も上がるなど、あれこれ推測されていたのですが、当時Charさんのギターをメンテナンスしていたフェルナンデスに在籍していた荒木さんの手巻きであったようです。ペグもシャーラーミニペグかFキーのメタルノブかというところで…Fキーのようですね。トグルスイッチを下側の角のところに移設した仕様に改造して使い勝手を向上させ、パワーも大幅にアップしたムスタングです。

NHKロックフェスティバル。
トグルスイッチの長さもマニアはチェックするのです^^

YAMAHA SF-1000/700

同じく「気絶~」のころ使っていたのがこれ。TVの歌番組でも登場します。渋谷のライヴハウスで投げて壊したそうで、そのライヴを見に行っていたという人から話を聞いたことがあります。「投げたらまっぷたつに折れて弱いなと思った」...セットネックですからね^^;レスポール投げるのと同じなのに…ヤマハの情報誌フィードバックによれば、「プロトタイプ」をもらった、とのこと。当時の雑誌の取材による機材紹介ではSF-1000と答えています。SFシリーズは、安い方から500、700、1000とありますが、その中で700と1000を使っていたという話があり、検証の運びに。マニアが目を皿のようにしてチェックしているのは…バイサウンド(コイルタップでシングルとハムが切り替えられる)スイッチの有無。ボディ右下のコントロール部の右側に黒い小さなプッシュプッシュ式のスイッチがあるんです。これがあれば1000。なければ700。SFを持って出ていたテレビ番組はいくつかあり(モニターでしょうからね)、Charさんが動いちゃうので(これは仕方ない)なかなか確認しづらいのですが、スイッチのある個体とない個体の映像があるようです。まあプロはスペアを必ず準備する、という視点で考えればサブ機があるのは極めて自然なことですが、その後まったく登場しなくなることを考えると、ほんとうにスポット的にサブ機を使って、返してしまったのかもしれません。この辺はご本人の記憶に頼るところですが…2000年代のインタビューでヤマハの話になり、「SGを…」と発言して「あれはSFって…」と訂正され、「SF?ま、しらないけど」とか言うあたり「らしい」感じであり、真相は…^^;

バイサウンドのスイッチが確認できます。1000。
こちらも黒いスイッチあり。1000。
どうやらこれが700らしい「ラブラブショー」出演時の「逆光線」。

Fender Mustang #4

逆光線の頃に登場した青。66年ごろっぽいモデルです。雑誌の表紙にも登場しているのですが...Charさん、これは覚えてないみたいですね。ボリューム、トーンのノブがメタル(テレキャスタイプ)に交換されています。おかげで?フレッシャーなど当時のコピーモデルにはこのメタルノブが採用されたものがあります。実はこの個体、弟さんのものでCharさんが借りて使っていたそうです。 のちに改造され、もとのスイッチがはずされオリジナルの回路に変更~スイッチをChar Iと同じ形式でミニスイッチに交換していた時期とさらにピックアップも?替わりというかピックガードも?というかアッセンブリーごと?変わったのか?フロントピックアップ下の角の位置にミニスイッチがつけられている時期があります。2006年 、Grounwideさんのプロデュースで前者のヴァージョンがリイシュー?されました。入手の経緯に関しては、ロッキンf誌1977年5月号のインタビューで「サンフランシスコで買って来たばかりのムスタングを弾きながら」というくだりがあります。76年のツアー後77年の前期に渡米して買って来たのでしょうか?

YOUNG GUITAR 1978年7月号表紙。
メタルノブがわかりますでしょうか?

Fender Mustang #5

テレビでは闘牛士前後に使用されているのですが、非常に状態のいいスラブボードの白い個体です。スラブボードのムスタングが作られていたのは65年後期から66年前期のごく短い時期で、この時期のムスタングはのちにメインとなる67年前後のものと比べて塗料が違い、色の灼け方が違います。テレビ登場時もたいへんきれいに見えます。インタビューで「ネックが急に太くなるやつあるよね 」とか「LAの質屋でミイラ同然のを見つけた」というのがこれにあたると思います。弾けるフェンダームスタング誌ではスキップされた一本ですが、Charさんちゃんと覚えていましたね^^。残念ながらザ・ベストテンのスポットライト登場時(1978.5.4放送)にエンディングで投げて(というより叩きつけて)以来、打ち所が悪かったのか姿を消してしまいました。

お分かりになりますでしょうか?
もう一枚。

Fender/Fernandes Component Mustang #6

シングル「Girl」期に登場するのは、赤ミラーのピックガードをもつスラブネックの個体。夜のヒットスタジオで演奏された際に登場し、一番はピアノを弾いて間奏からスタンドにセットされたこのギターを弾くという演出で使われました。ファンの間では、先述の「スポットライト」で使っていたムスタングが投げたはずみに壊れ、ネックを生かすためにフェルナンデスボディをくっつけた仕様のムスタングだと言われています。

スラブボード。
スイッチの上にはフェルナンデスのステッカーが貼ってあります。

Fender Mustang #7

ダコタレッド。闘牛士期に銀座NOWで1度だけ登場したらしい1本 。ポールピースの見える白いピックアップカバーをもつ個体とのことです。

Fender Mustang #8

ナチュラル。詳細不明です。

Fender Jazzmaster

べっこう柄ピックガードであることから、白い塗装を剥がしたと推測されるナチュラルカラーのジャズマスター。アルバム KUTKLOUDはじめ,VAP時代の初期にも活躍していますが、初登場?は意外に古く、アイドル時代にすでに78年の明星の歌本の表紙でこれをもってCharさんが微笑んでいます。LAの質屋で買ったという61年製とのこと。

そのムスタングはスラブのやつ?
当時使っている人は他にいたんでしょうか?

Fender Mustang #9

いわゆるFUCK YOUムスタング(ボディのスイッチの上あたりに「FUCK YOU」とタイプされたダイモテープが貼られていたため)。登場するのは闘牛士~GIRLの頃でしょうか。スイッチは最初から黒なようです。使い始めるに当たって替えたのか、手に入れた時にこうなっていたのか?、ともあれ最初はすごくきれいです。ペグが交換され、アームが交換され...テンションガイドが増設...ネックプレートにはスペーサーもつき...かなり手を加えられたというか、消耗パーツに手を入れながら使い込まれていったムスタングです。現在はCharさんのもとを離れています。

ダイモと黒いスイッチ。
サウンドインSに出た時はまだダイモなし。後ろにJC。

Thanks for information:
Soundloft
Grounwide
Mr. Asahi
Mr. Shinmura
Mr. Tsukagoshi
Mr. Hirai

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