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ロックとギターをめぐる冒険 by Char。(2021)

突然リリースされたムック本。Rock Guitar Universe by Char というのがサブタイトルなのかメインのタイトルなのか表紙からはよくわかりませんが^ ^;

「竹中尚人 責任編集」ということでCharさんがトータルコーディネートしてるってことなんですかね。裏表紙裏には編集人としてのコメントがあります。なんと1年半を超える期間を重ねての準備というところがすごい。

まずは対人的な読み物。

ユーミン、福山雅治らおなじみのミュージシャン仲間との対談に加え

これまで聞いたことのない人との関係をふまえての対談。これがとても興味深く読めました。

さらには恒例の?バイオグラフィー的なものやディスコグラフィー的なものもあり、それにCharさんのエポック的なあれこれが加わる感じ。

読んで率直に思うのは、一流の人の持っている幅というか懐の広さ深さみたいなところ。

半世紀を超え、暦が一周以上してもその域に行くというよりもそこを見て、あるいは見えている人がどれくらいいるのか。

余談ですけど、奇しくもつい最近Charさんとほぼ同世代の方のインタビューをする機会があり、お話を聞きながら思っていたことがあったんです。

その方も現役バリバリで活躍されている人ですが、丁寧にその仕事に取り組むということの意味というか、言葉の端々にまで気を配って手を抜かないところ、それは自分をプロデュースすることになるんだなということを感じたばかりだったのです。

インタビューをしてみて思うのはインタビューってジャムセッションだなあと。対等でないと面白い記事にならない。聞く側にも力がないとみんながよく言う「化学反応」が起こらないんだなと実感。きっとここはその好き嫌いとかいい悪いの良くも悪くも「灰汁」というか…苦味みたいなところかなと思います。ないとスムーズに流れるけど残らない。あると場合によっては嫌味になる。そこの匙加減が腕の見せ所みたいな気がします。

キャリアが長くなるとインタビューの歴史も長いわけで、つまりは同じような質問に同じような答え、となりうるわけだけど、今回そこがひと工夫されているなあと思いました。これが責任編集ならでは?^ ^

そして、Charサウンド研究室としては、当然機材ネタ関係の部分が興味あるところ。

ここでふと思ったのが、この本、あるいはこの記事は誰を相手に書かれているのかな?ということ。

まあお話されてるのがクルーズマニアックサウンドの村田さんだし、やっぱり僕ら世代以上ということになるんでしょうか。

僕ら世代以上の人はCharさんが繰り返し「俺と同じ機材を使っても同じ音は出ない」と言っていたのを知っています。だからうちのサイトは、「機材はどこまであの音に関係しているのか」を検証したいと思って始めたんです。

最近、「ポエム」とかね、抽象的な表現すると言われるきらいがあるから、機材関係の話する人は大変だと思います。僕はその抽象的な表現を感じることこそが力量差の出るとこというか音楽の意味だと思っているので、わからないとかポエムとかいう人の方が意味わからん感じです。攻められると対案出せという人と同じ。思考停止。

話を戻すと、「CE-1以外は」っていうのをどう判断するか、ですね。

今回ギターの話はなかったので、ペダルとアンプについては、ということなのかな。

あの記事を元に「こういうことかな」みたいなのができると寄っていける気がしますね。それがサイト始めた理由なんですけどね。ご本人の音頭でこういう話があるのは幸せな時代だ^ ^あの頃はなんもなかったからなー。書かれている内容にはおっしゃる通りという感じ。ていうか答えはわかってる。あの音にしてるのは機材じゃなくて耳なんですよね。買えないからなー(笑)

僕自身は、ペダルにCharサウンドは求めていません。持ってますけどね。そもそも同じ外見だから中身が同じとかさすがにもう思ってないし期待もしてません(苦笑)。やればやるほど変だなと思うところはあるのです。もちろん一般用のモデルでいいからどんな音になるのかとかいうことや市販品のセッティングそのものには興味あるからです。本当はご本人が関わるのなら「なぜそれが気に入っているのか」を聞いてほしいんですよね。まあ本来企業秘密でしょうけど、わかったところで絶対同じ音にならないからもういいんじゃないですか(笑)ジャム力がないといちばんはぐらかされるところ^ ^CE-1の話よりもMXRのステレオコーラスの話を聞いて欲しかった。このあたりはずっと知ってる人じゃないと聞けないですよね。

以前、マスターグレードの記事を書いたところで確信したのはペダルよりもギターの方が重要だということ。どれを使ってもCharさんの音になるのは間違いないけれど、Charさんはギターの音を極めて素直に弾き出す人です。だからペダルよりもギターの生音が重要だと僕は思います。別にヴィンテージ礼賛じゃないけど、60年代のムスタングとジャパフェンのではまったく音が違う。僕の中では奏法もそうだけど、その時代そのブランドのギターで出している音がCharサウンドなので、今回なかったその部分がいずれどこかで出るといいなというのが感想です。

まあ普通の人はそんな取り替え引っ換えギターを持ち替えないんですかね?(爆笑)。もうどこまでがふつうなのかは同じ感じの友だちが増えた時点で見失った気がしますね^ ^;でもね、全く違うギターを使うより遥かに狙いが分かると思います。マスターグレードはそれくらいショックだったんです。まったくパワー感が違う。それを知らずにダフネブルーだけ合わせても絶対似ない。あそこが困るんですよね。ルックスに引っ張られちゃう。

僕の中での今回のベストは立川直樹さんの回想記事。
「彼は良くも悪くも東京の人で、格好良くありたいと思うのではなく格好悪いことをするのが大嫌いなはずです。」
腑に落ちる的確な言葉。こういう風に言葉を紡げる人になりたいなあ。この言葉に出会っただけでこの本買ってよかったと思う^ ^

EDOXの頃だったかDIBSの頃か酒匂さんやらマツアミさんやらが書いていた頃のファンクラブの会報をふと思い出すようなトーンの本でした。

オススメします。

そうそう、My delicate oneの話は初めて聞きましたね。リリース当時はPassing timeの勢いの凄さを語ってたけどな。個人的にはMy delicate one好きだからいいんだけど^ ^

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