創作によるアイデンティティ・クライシス|斉一性の誤った獲得
創作とはアイデンティティ確立のための最も良い手段だ。
少女はそう信じていた。
のちに創作に感じるアイデンティティに嫌気が差すようになったこの少女こそ、私である。
私はずっと、他人のために生きていた。
他人と仲良くすることが生きがいであり、他人と遊ぶためにお金を使うのが常だった。
そんな人生を続けていればいつかしんどくなるというものである。
その頃からであろうか、私は他人のために演じるのが嫌になった。
目立つのは私ではなく他人だと思っていたが、私だってかわいくなりたかった。