映画「カメラを止めるな!」について

映画【カメラを止めるな!】について

もう知っている方も多いですが、
今、「カメラを止めるな!」という映画が、ものすごくたくさんの人見られて、日本映画の歴史を塗り替えようとしています。

元ネタは、僕が2011年〜2014年までやっていた劇団PEACEの舞台「GHOST IN THE BOX!」です。

監督がその舞台にインスパイアされ、「原作なしのオリジナルストーリー」として作り上げられたのが映画「カメラを止めるな!」と言わています。

この話はとても長くなりますし、本当はあんまり書きたくもありません。
ただ、今日発売の週間FLASHに記事として僕が話したことが掲載されています。

それについて、僕の気持ちをここに書きたいと思います。

話はだいぶ前に遡りますが、僕は2011年、数人の仲間とともに劇団PEACEを立ち上げました。
今思うとめちゃくちゃ青臭かったし、若かった。
だけど、命がけだったことは間違いありません。
毎日稽古が終わったら朝までバイトして、ちょっと寝て稽古いって・・・
とにかく、売れる為に、自分の劇団見てもらう為に、劇団員に幸せになってもらうために、いろんなことに必死でした。
だらだら続けてもよくないと思ったので
「3年間の公演の中で、3000人を集客できるような劇団にならなければ解散」
という明確な目標を立てました。

あの3年間は、本当に1秒1秒生きてて、あんなに笑ったことも、泣いたことも、悔しい思いをしたことも、もしかしたら生涯この先訪れないんじゃないかと思っています。
それぐらい、生きてました。

2014年。劇団は、解散しました。
目標には届きませんでした。

「GHOST IN THE BOX!」は、そんな劇団で、再演、初のロングランまでしたとても思い入れのある公演です。
当時、劇団に脚本家志望の後輩Aがいて、僕が一緒に企画案を練り、脚本をAに任せ、稽古しながら四苦八苦しながら脚色して出来上がったのが「GHOST IN THE BOX!」です。
なので、著作権は僕とA、そして劇団にあります。

劇団解散後、もともと監督と親交のあった元劇団員と監督の間でこの作品の映画化企画が持ち上がりました。

その時、脚本書いたAも引き入れて、3人で映画化プロジェクトがスタートしたようです。
僕は劇団解散後、お恥ずかしい話けっこう精神を病んでしまい、立ち上がることができませんでした。
劇団員みんなとの連絡も意図的に断っていました。
それぐらいあの頃は悔しかったし、いろんなダメージがありました。

いろんな人の助けを借りて、今は復活しました。
そんな中で映画の話があって、僕には一切連絡がありませんでした。
これに関しては完全に自分の責任だと思っています。
本当に情けないです。


そしてそのプロジェクトは一旦頓挫し、その後監督が独自に書き上げたのが「カメラを止めるな!」という作品だそうです。

そしてその作品は上映されました。
僕はその事実(カメラを止めるな!がゴーストから作られたこと)を、公開されてだいぶ経つ7月初旬、さらに別の元劇団員の後輩から聞いて初めて知りました。
最初は、単純に嬉しかったんです。

3年間で3000人!っていう目標達成できなくて解散したぼくたちの作った作品が、形を変えてその何倍もの人に見られている。
ツイッターでもFBでも、「みんな見てね!」と思わずシェアしてました。
映画も素直に面白かった。

でも実際に見てみるとクレジットにはPEACEの名前、GHOSTの名前はありませんでした。
しかも監督はインタビューに「ある劇団のある芝居に影響を受けて」と答えていて、世間では「オリジナルストーリー」として評価されていた。
劇団名、作品名を出さないのはプロデューサーの意向ということでした。
解散してるからしょうがないとは思ったが、どうしてもそれが納得できず、監督に連絡を取りました。

ちゃんと原作として

劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」(作:A 演出:和田亮一)

といれてください。
とお願いしました。

そしたら、
「確かに最初は一緒に進めたし、あの舞台を参考にしたがそれは一旦頓挫し最終的には全く別物になったので「原作」と入れることはできない。参考にしたということでいくと、三谷幸喜さんの作品も原作としていれなきゃいけないことになる。」
と言われました。

その件で直接話をするために、先方のプロデューサー含め、会って話しました。
その際に、配給拡大のタイミングで、今日クレジットは決めなくてはならない。といわれ、最終的に向こうから妥協案として「原案」だったらどうですか、という話になり、“ひとまず”クレジットには原案として劇団名、作品名を入れてもらいました。
そして、その後原作かどうかは判断しましょう。
という話になりました。
だから今、映画のエンドロールには

原案:劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」(作:A 演出:和田亮一)

special thanks で和田亮一と入っています。

でも僕は、ただ、「原作」と入れて欲しかったんです。

元劇団員のみんなが「あの作品PEACEの芝居が原作なんだよ!」と、素直に応援して、自慢できるようにしたかったんです。

「原案」は作品を作るに当たって参考にしたアイデア
「原作」はその作品を作るための元の作品

です。

銀魂の映画は、全くオリジナルストーリーだけどちゃんと「原作」って入ってます。

しかしその後、先方からきたのは、PEACE「GHOST IN THE BOX!」は今回の映画における「原案」として整理しました。という連絡と、よくわからない原案利用契約書。

その提案された契約書には、僕が今後の映画、舞台におけるリメイクそのほか二次利用に関する一切の権利をもてないという内容でした。



ぼくは、あの頃、劇団のみんなに迷惑をかけながらもPEACEに命をかけていたし、大好きだったし、あの3年間が自分を成長させてくれたと思っています。

みんなで何ヶ月もかけて稽古したり、バイトとの両立で眠かったり理不尽なことに怒ったり集客うまくいかなくてイライラしたり、本番は楽しかったりなあの日々が、あの作品が軽く扱われ、さらには今、「オリジナルストーリー」として世の中に出ているのが本当に許せません。

基本構造や、ちょっとした設定はそのまま使われています。
むしろ、「カメラは止めない!」ってセリフあります。
監督はインタビューで「舞台の基本的な構造はそのままに」と答えています。

昔GHOSTに出たり、PEACEを見た人の中には、僕や劇団員のみんなが協力してあの映画になったと思ってる人がたくさんいます。
僕は一切協力していません。

最初に協力した劇団員二人には「企画開発協力」というなんかよくわからないクレジットにして、ヒットした後もちゃんとした契約や謝礼の話は一度もないらしいです。
むしろ「頓挫して」以降は二人も関わってません。
だから、「別物」と言い切るのでしょう。

多分、僕があの時事実を聞いて、連絡しなければ一生僕には連絡がなかったでしょう。

この件に関して、僕は真実を訴えます。
じゃないと素直に応援できないし、PEACEを応援してくれたたくさんの人に対して失礼だと思うので。
映画は本当に面白いです。
キャストのみなさん、スタッフのみなさん、本当に映画が好きで、楽しそうに演技してるな、と思いました。
前述しましたが感謝もしています。
大好きだった、命かけてたあの作品を生まれ変えてたくさんの人に見せてくれているから。

だけど、だからといって泣き寝入りだけはしたくありません。

本日発売の週間FLASHの取材を受けました。
PEACEの芝居が原作であることを知らしめたい。

実名ででてますので、きっと炎上すると思います。
批判されるのは目に見えてます。

「解散した劇団の和田がなんか言ってる」
とか
「ヒットしたから金目的だろ」

とか


それでも僕は実名でいきます。

僕は今、劇団はもうやっていませんが、広告関係の仕事をしています。

クリエイターとして活動しているつもりです。

批判は正直怖いですし、この映画界の大ヒットに水をさすことは本当にいやでした。

別にもともと入って来るわけなかったお金なんて欲しいわけないです。

みんなでつくりあげたあの3年間の、劇団の尊厳を守りたいという、それだけなんです。

なにか質問とか取材とかあれば、受けれる範囲で受けます。

もう劇団は解散し、みんなそれぞれのステップを踏んでいるけど、頑張ってくれていたみんなの為にも、真実だけは伝えたいと思っています。

FLASHには、類似点やもう少し細かい状況説明など掲載されています。
もしよければ読んでみてください。


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