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RTTT追加シーンで映ったアヤベさんのアレ、CoCo壱説

ついに新時代の扉の上映が始まりましたね!!!

と同時に劇場版RTTTの公開が終了したので、ネタバレ解禁ということで追加シーンの「アレ」について考察してみようと思います。


追加シーンの「アレ」

まず、「アレ」とは何なのか。

RTTTの追加シーンである菊花賞後のアンコール前の舞台裏の一幕で背景に描かれていた、主人公3人の私物が入っていた箱の中身です。

こんな感じの舞台裏の机に箱が置かれてた


トプロの箱にはクラスメイトが作ってくれた横断幕やカフェテリアで後輩達に貰ったおまもりなど、
オペラオーの箱には、箱にいっぱい詰められたバラと、ストップウォッチ(皐月賞前の練習中にドトウがを誤ってタイムをリセットした物。)
と、縁深い人達との思い出が詰まった物ばかりで心の中のデジたんが昇天寸前でしたが、ここで問題発生。

アヤベさんの箱が見にくい!!!

クライマックスの菊花賞を終えた後という不意打ちだったこともあり、かろうじて自分が把握できたのは茶色と黄色っぽい配色の物体に書かれた「COCO」とその後にいくらか文字が続くということだけでした。

みなさんは「COCO」という文字を目にして何を連想するでしょうか。


私はCoCo壱でした。


何故カレーが…?とは思いつつも、一旦CoCo壱で考えたところ、「CoCo壱で間違いない」という結論に至ったので、ここからはアレがCoCo壱のカレーである根拠を説明していきます。



CoCo壱説の根拠

①「COCO…」の配色


前述した通り、COCOなんちゃらと描かれた物体の色は「黄色」と「茶色」でした。
COCO、黄色、茶色…イメージすると脳内に朧げな何かが浮かんできませんか?



②アンコールで歌った曲


例のブツを映した直後、3人はアンコールに応えステージに上がります。
そこで歌う曲は──

「"イチバン"星が駆ける空」

ウマ娘で「いちばん」という言葉はよく使われますが、カタカナの「イチバン」という表記は滅多にありません。
むしろ、『一番星』というスキルがあるくらいなので、この「イチバン星」には意図があると考えられます。
ではその意図とは…?


そう、CoCo"イチバン"屋でしょう。



③公開日に隠された作為


劇場版RTTTの公開日は5/10でした。
その前日5/9は、「CoCo壱を25店舗経営する会社の社長に22歳の女性が就任した」というCoCo壱界のビッグニュースが流れた日。

5/9にCoCo壱に関心を集め、5/10にRTTTにCoCo壱を登場させて畳みかける──。
映画を手掛けたCygamesPicturesの親会社の親会社は、ネット広告事業の売上で国内2位を誇るサイバーエージェントであることから、このような搦手的で強気な宣伝戦略をとったのも頷けます。

ところでみなさんは「CoCo壱」を日付で表現しようと思ったらどうしますか?
「ココイチ」という音をそのまま数字に当てると
5/51
となりますが、これでは存在しない日付な上に、ゴーゴーカレーを連想してしまいます。
そこで、泣く泣く5を一つ省き
5/1 or 5/1○
とするのが事実上のベストと考えられます。

これと前述のマーケティングを加味すると、公開日である「5/10」はCoCo壱を宣伝する上で理想の日付であり、作為的に選ばれた日付だったのです。  



④オペラオーの「スプーンの謎」が解決する 



まずはこの画像をご覧ください。

美味しそう


これは、無料公開版の1話でオペラオーが注文した昼ご飯です。バランスが取れており、食事にまで気を遣う覇王の姿勢が感じられますが、見ていただきたいのは手前の食器。 

スプーンとフォークです。

オペラオーはこのご飯をスプーンとフォークで食べます。箸を使っているウマ娘も描かれているので、初めて見た時は「これは覇王のこだわりなのか…?」と動揺しました。
今回の映画は再編集版ということで、もしかすると何か変わっているかもしれないという期待を胸に確認してきたところ──

スプーンとフォークでした。

変更されていない以上、オペラオーは何らかの必然性を以ってこのカトラリーを用いているのでしょう。
ではその必然性とは?
スプーンで食べる物といえば?


そう、カレーです。


オペラオーにスプーンを握らせることで不可解さを際立たせ、カレーを想起させようとしているのです。

この説には続きがあります。
オペラオーはこの後カフェテリア内で席を探しますが、その時に声をかけるウマ娘は「オグリキャップ」です。

オグリキャップといえば東海地方から名を馳せたウマ娘。同じく東海地方から世界に羽ばたいているCoCo壱番屋を暗喩しています。

シンデレラグレイでのオグリキャップが「ハワイ」を訪れていることも、ハワイへの進出を果たしているCoCo壱を連想させます。

加えて、オグリキャップ号の主戦騎手であった安藤勝己さんの出身地は愛知県一宮市であり、CoCo壱番屋の本社の所在地と同じです。
もはやオグリキャップはCoCo壱の権化といっても差し支えないでしょう。

一見不可解に思えたオペラオーのスプーンも、CoCo壱を暗喩するための演出であったと考えると全ての辻褄が合うのです。

 

⑤公式サイトのキャラクターページ


RTTTには、物語の中心となった99世代以外のウマ娘以外にもセリフがあるウマ娘が登場しました。前述したオグリや、廊下ですれ違った黄金世代の面々などもその例ですが、彼女達はRTTTの公式サイトでは紹介されていません。
では、99世代以外のウマ娘で載っていたのは誰なのか──

「"カレ"ンチャン」と「"ライス"シャワー」です。



⑥メイショウドトウの起用

カレーキャスティング。


⑦競馬場とCoCo壱


2024年5月25日現在、中央の競馬場にあるCoCo壱番屋は、東京競馬場店京都競馬場店中京競馬場店の3店舗です。
これらの店舗が出店したのは、東京競馬場店が2018年4月14日、中京競馬場店が2022年5月7日、京都競馬場店が2023年4月15日どれもウマ娘プロジェクト発表以後の出来事ですCoCo壱がウマ娘の人気の波に乗じて競馬場へと店舗を拡大していることが分かります。
加えて、京都競馬場店が出店した2023年4月15日はRTTT第1話の公開日の前日です日付にこだわりを見せてきたCoCo壱はYoutube版RTTTの頃からカレーの香りを匂わせていたのです。

⑧総作画監督のツイート


5/23の深夜、キャラクターデザインと総作画監督を務めた山崎淳さんがX(旧Twitter)に投稿したツイートがこちら。


たった3文字、如何にも意味深です。
この発言の意図を汲み取る上で鍵となるのは投稿日時です。
5/23というのは劇場版RTTTの公開最終日であり、23時59分は劇場版RTTTの全上映が終わり、ネタバレに配慮しないで裏話等ができる絶好のタイミング。山崎さんはRTTTに関する何かを伝えようとしたに違いありません。
また、5/23は映画『新時代の扉』の公開開始前日でもあります。『新時代の扉』でもキャラクターデザインと総作画監督を務める山崎さんにとっては24日以降はそちらの広報を優先しなければなりません。実際にこのようなツイートもされています。

以上を加味すると、このタイミングでのツイートはRTTTへの言及であったと考えるのが自然でしょう。
ではRTTTへの言及であったとして、「ギネス」が示すのは何か。

それは勿論、


カレーレストランチェーン店舗数世界ー』
一週間で最も多く一杯単位で販売されたカレー』

の2つのギネス記録を持つCoCo壱のことでしょう。





いかがでしたか?


RTTTという作品があの手この手でCoCo壱を描写していたことはお分かりいただけたんじゃないでしょうか。
ここまでくるとアヤベさんの箱にCoCo壱を忍ばせていたというのも納得ですよね。他にもCoCo壱要素に気づかれた方は是非コメント欄で教えてください!




真相は…



COCOAです



「COCO」しか読めなくて確証がないという話を友人にしたら、再度映画館を訪れ「まるでバンホーテンのような茶色と黄色の物体にCOCOAと書いてあった」と確認してきてくれました。

では、何故、アヤベさんはココアをもっていたのか。
端的に言うならば「アプリ版において、ココアは、アドマイヤベガの変化を象徴する物だから」でしょう。

※最低限に留めますが、アプリ『ウマ娘プリティーダービー』のアドマイヤベガシナリオに関する重大なネタバレが含まれます。


①「バレンタイン」

アヤベの育成シナリオでココアが登場するのは「バレンタイン」イベントです。
この時期のアヤベは、RTTTとは異なり、妹とのお別れをした影響が尾を引いています。
妹への贖罪のために、ただ走るだけでなく全てを、命すらも捧げようとしたアヤベにとっては、生きることの目的すら喪失してしまったに等しかったためです。幸いにして走る楽しさや新たな目的は同期やトレーナーの助言を通して再発見できていますが、『自分』が『やりたいこと』や『自分』にとっての『幸せ』が何かが、自分を削ぎ落としてきた彼女には分からなくなっていました。
それでも、『ちゃんと生きたい』と決意を新たにした彼女は、このバレンタインの日に、トレーナーとの会話を通して天体観測が『自分』の『好き』であったと知ります。そして、トレーナーから天体観測に行くならあったかい飲み物をあげる、と何がいいか尋ねられた彼女は「烏龍茶」と答えます。その後の会話がこれです。

実は、この直後の会話が高火力

この日は彼女が『自分』の『好き』を初めて知った日であり、他の人の『好き』にも興味を持つようになった日なのです。
RTTTでも、アヤベさんが星を見に行った際に2人分用意していた飲み物はどちらもお茶、おそらくは烏龍茶でした。茶→ココアの流れを意識的に踏襲しているのではないかと思います。
ただ、RTTTでは菊花賞中に妹とお別れし、その直後のウイニングライブでCOCOAを所持しているので、時間的にこのようなやりとりは存在しえません。あくまで、「アドマイヤベガが、自分自身と、そして人と向き合えるようになった象徴」として描かれているのだと思います。
「シナリオでは克服するのにバレンタインまでかかったのにRTTTでは爆速で克服するのおかしくない?」と思った方は、最後に考察を置いておくので興味があれば読んでみてください。

②誕生日会話

実は、ココアの話はここで終わりではなく、他にもココアが出てくる場面があります。それが、「アドマイヤベガの誕生日会話1」です。

またしてもココアをもらうアヤベ

内容に関しては是非ご自身で一度見ていただきたいのですが、誕生日を祝おうとするカレンチャンを、妹の命日であるから厳かでいたいアヤベさんが突っぱねるところから始まります。天体観測へ行くと聞いたカレンチャンはホットココアを渡そうとし、それさえも突っぱねられますが、体が冷えたら家族と『お星様』が心配すると説得し、アヤベさんが折れます。
いつも通りめちゃくちゃ気が回せるカワイくて最強なカレンチャンですが、RTTTとは随分立ち回りが違いますよね。
RTTTでもアヤベさんのことをいつも気にかけており、声をかける場面もありましたが、基本的には見守り、深入りはしないスタンスでした。
しかし、アプリ版のカレンチャンは違います。育成シナリオ内で、罪悪感から妹に心無い言葉をぶつけられる悪夢に何度も苛まれるようになったアヤベさんに対し、「妹さんはそんなひどい人ではないんじゃないか」という踏み入った発言をし、アヤベさんと言い争いになっている場面さえあります。
この誕生日会話でもカレンチャンはかなり踏み込んでいるので、アヤベさんは最初こそ険悪な雰囲気で対応しますが、『お星様』を出しに交渉さえされたのに、最終的には相手の好意を理解し、受け入れています。
これは、育成シナリオ時点からのアヤベさんの変化、成長でしょう。
加えて、カレンチャンはきっとアヤベさんが喜ぶものをプレゼントするだろうことを考えると、ココアはアヤベさんの『好き』のうちの1つになったのかなとも思います。
ちなみに、天体観測に行くアヤベさんにあったかいものをあげるイベントの話ばかりしていますが、アヤベさんの「苦手なこと」の1つは「寒さ」なので、トレーナーもカレンチャンも、彼女のことを理解して想っている激エモエピソードです。


いかがでしたか?2

このように、アヤベさんにとって「ココア」という飲み物は「妹への贖罪のために全てを捧げる」という精神状態から、「アドマイヤベガとして、自分と、人と向き合う」ようになった変化を象徴する印象深い物でした。
時系列がぐちゃぐちゃになってしまいますが、トプロやオペラオーの私物が作中の人物との縁を感じさせるものだったように、このココアもカレンチャンからの贈り物だったら素敵だなと思っています。


最後に


まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
皆さんがウマ娘、そしてCoCo壱をより愛するきっかけになれば幸いです。
そして、『劇場版 ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が絶賛公開中なので是非足を運んでみてください!
自分はとりあえずCoCo壱に行ったことがないので挑戦してみようと思います。


完全に私事ですが、ウマ娘のクイズをするDiscordサーバーを運営しています!ウマ娘のことをもっと知りたい!もっと話したいあなた!是非お気軽に参加してみてください!質問や不安なこと等があれば何でもお答えしますので、付記するX(旧Twitter)アカウントのDMまでお願いします。

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※記事の中で山崎淳さんの「ギネス」というツイートをCoCo壱の暗喩として紹介していますが、完全な誤りです。
当該ツイートは、アドマイヤベガの絵師として有名な雪星こころさんの下記ツイートをRTした直後に投稿されており、この方の劇場版RTTTの視聴回数を評したツイートだと思われます。



RTTTとシナリオアヤベが妹とのお別れを克服したタイミングの違いについての考察

蛇足なのでこの位置に。
アプリ版でのアヤべさんのクラシック期はRTTTとほぼ一緒ですが、決定的に違うのは、「妹ちゃんがアヤべさんにかける最後の言葉」です。それまで妹への贖罪のために走り、命を燃やしてきたアヤベにとって、妹がいなくなった後に「何のために走り、生きるのか」というのは大きな課題であり、妹からの最後の言葉はシニア期以降に大きな影響を及ぼします。

RTTTでは

「これからは、自分のレースを思いっきり楽しんでね、お姉ちゃん」

でした。この言葉を受け取ったアヤベがどうなったのかについては、絶賛公開中の映画『劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』の第一弾入場特典である書き下ろし小説を収録した特別小冊子「また星は巡る AFTER “ROAD TO THE TOP”」で確認できますので、気になる方は是非劇場へ!!!(〜5/31)

育成シナリオでは

「これからは、思うままに生きて。それで、めいっぱい幸せになって!」

でした。RTTTと違い、些か抽象的です。そしてこの曖昧さがアヤベが今まで殺してきた『自分』を見つめ直して『ちゃんと生きる』きっかけになっていきます。実は、「何のために走るのか」については、「走る楽しさ」と「新たな目的」の発見が同期の面々やトレーナーの助言によって早々に達成されており、この時点でRTTTでの菊花賞後のアヤベと状況は近いはずです。しかし、RTTTの妹のお願いならこの時点で満たせるのですが、アプリ版では満たせていません。"レース以外の部分でも"自分が何をやりたくて、何が幸せなのかを見つけて"生きて"いかなければならないのです。
この違いが、ココアのタイミングの違いに繋がっていると思います。

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